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ADHDとテクノロジ - ブレインハックとブレインアップグレード

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原文(投稿日:2016/07/15)へのリンク

Mike Cavaliere氏はこれまで,ソフトウェア開発者として自身のキャリアを全うしてきた。しかし氏は,その間において,自分が必要以上に大変な思いをしていたと感じることがあった。その結果として氏は,自身がADHD(注意欠陥多動性障害)であることを知ったのだ。そのCavaliere氏がQCON New York 2016で,長年にわたって自分の脳を改善するために行なってきた戦略について講演した。

ADHDは障害として説明されることが多いが,注意力の不足には,新たな情報やテクノロジの速度にも原因があると言われている。ディジタル技術が注意力を散漫にする環境の構築を続ける一方で,ADHDは実際に医学的な状態であることが証明されている。Cavaliere氏の発表したブレインハックとアップグレードは,ADHDの有無に関わらず,誰にとっても有益なものだ。

ブレインハック(Brain Hack)は,短期的に結果を得ることのできる戦略である。 長期的なものではなく,それゆえに定期的な実施が求められる。一方のブレインアップグレード(Brain Upgrade)は永続的で,かつ長期的に継続する改善だ。いずれも相応の時間的および金銭的投資を必要とする。

Cavaliere氏は自身の頭脳改善(Brain Improvement)のアプローチを,スタートアップ企業との比較で発表した。スタートアップにとって,新しい機能からよい結果を得られるかどうかを事前に知ることは困難だ。この不確実性が,実装し,測定し,レビューするという,インクリメンタルなアプローチの動機となっている。氏はこのアプローチを,頭脳改善にも利用することを提案する。神経科学に裏付けされた方法であったとしても,誰にでも有効であるとは限らないからだ。

ブレインハック

ブレインハックは,注意力の散逸を複数のレベルで低減する戦略とトリックである。注意力の散逸を低減することで集中力を向上し,結果的に生産性を向上させる。

視覚的な注意散逸 (Visual Distractions)
視覚的な注意散逸は,おもに動作によって生じる。通り過ぎる人々は,特にオープンスペースにおいて,注意力を発散させる原因になる。それと同じく,整理されていないデスクも注意力を損なう。デスクの上を整理したり,視野を遮るものを置くことによって,動作による注意散逸を最小限にすることができる。

聴覚的な注意散逸 (Auditory Distractions)
ノイズキャンセリングヘッドフォンは,外部の音を遮断する効果的な方法である。これにはアクティブとパッシブの2種類がある。アクティブなノイズキャンセルは,周囲の騒音を打ち消す音を発するものだ。

最高のヘッドフォンであっても,人の声をキャンセルすることは難しい。これは声の不均一性によるものだが,音楽でこの問題を解決することができる。望ましいのはボーカルのない音楽である。ボーカルがあると,その言葉に注意が向かうことで,集中力が削がれるからだ。

社会的な注意散逸 (Social Distractions)
社会的な注意散逸は,オフィス勤務であれば同僚,在宅勤務ならば家族やペットなどによって引き起こされるものだ。電話もこのカテゴリに分類される。このような状況に対処するために,これまでは,次のようなテクニックが用いられてきた。

  • 電話や会話を拒否する“Do not disturb”モード
  • ヘッドフォン規則
  • 社外作業の日
  • 割り込み禁止時間

ディジタルな注意散逸 (Digital Distractions)
プッシュ通知やデスクトップ通知,アプリのサウンドエフェクト,ソーシャルメディアなどである。可能ならば,“Do not disturb”モードが優れた戦略になる。それ以外では,作業を中断する原因をすべてクローズする,あるいは電源を切ることが,ディジタルな注意散逸を排除する最高の方法である。RescueTimeなどによるアプリケーションによる割り込みに費やした時間の追跡や,注意力を損なうWebサイトの時間制限も役に立つだろう。

内部的な注意散逸 (Internal Distractions)
空想や不安,かゆみや振動のような感覚的な注意散逸はすべて,内部的な注意散逸の例である。このカテゴリに有効なハックはない。
ここではマインドフルネスが非常に効果的だ - 自分の感覚に注意することで,それらに対処し,忘れ去ることができる。

ブレインアップグレード

ブレインアップグレードは長期的な頭脳改善である。このような変化は神経可塑性と呼ばれる。頭脳が変化し適応する能力によって可能になるものだ。

ヴィパッサナ瞑想 (Vipassana Meditation)
ヴィパッサナ瞑想は10日間の瞑想による没入訓練である。ADHDの人にとって特に有用な多数のインパルス制御を構築すると同時に,不安を軽減し,自己コントロールを向上させる。

ニューロフィードバック
ニューロフィードバックは脳波測定と,その情報を使用した脳機能の修正から構成されている。ニューロフィードバック療法は臨床センター以外でも,自宅でニューロフィードバックヘッドセットを使用して行なうことができる。

統合リスニング (ILS)
統合リスニングは,脳を訓練するための多感覚的アプローチである。ヘッドフォン音声とさまざまな演習で構成され,複数の効果を期待できる。

iLsでは段階的なアプローチを通じて,脳と身体の統合を訓練します。最初は基本的な感覚統合で始まり,その後は言語や自己表現,社会的スキルといった,より複雑な認知機能へと展開します。

これらのテクニックに関するCavaliere氏の詳細な説明は,それぞれに対する氏自身の経験を紹介したブログで読むことができる。今回の氏のプレゼンテーションは,QCon New York 2016の他のプレゼンテーションと合わせて,今後3ヶ月の間にオンライン公開される予定である。

 
 

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