Googleは高速なプロセッサと大量のRAMを持ったハードウェアのために計画された新しいオペレーティングシステムの一部をオープンソースにした。
Fuchsiaについて公式に発表されたことはなく、GitHubのページにはGoogleのプロジェクトとしてPink + Purple == Fuchsia (新しいオペレーティングシステム)(訳注: Fuchsiaとは紫紅色のこと)と簡潔に記載されている。Googleの製品とエンジニアリングのリーダであるChris McKillop氏はPurpleを“高性能なグラフィクスと低遅延入力、そして美しいUIを持つシステム”、Pinkを“開発者とユーザのためのモジュール化システム”であると詳細を記している。チームは“ナードの群れ”で作られ、Android、BeOS、ChromeOS、DangerOS、iOS、MacOS、QNX、webO S、そして過去に他のシステムに関わった経験のあるBrian Swetland氏とTravis Geiselbrecht氏が含まれている。
FuchsiaはAndroidのようにLinux kernelではなくMagenta上に構築されている。Swetland氏はMagentaをミニカーネルであると記載している。
97%のドライバとサービスはユーザスペース上で動作していますが、syscallの界面では、厳密なマイクロカーネルの設計が則るであろう単なるsend/recv/exitより幅広い種類のプリミティブを提供します。
Cで記述されたLKを継承していますが、Magentaカーネル内の新しい界面はC++(抑制・限定されたC++)で記述されています。
Magentaのドライバとサービスは大部分がCで記述されているが、一部は時間とともにC++でリライトするつもりであるとSwetland氏は述べている。加えて、誰でも他の言語で書かれた既存のRPCプロトコルを通じてカーネルと通信するコンポーネントを追加することが可能となる機能が提供される予定である。
Fuchsiaは現在Intel BroadwellとSkylake上で動作するが、より古いIntelやAMDプロセッサで実行するように拡張可能である。ARMとRaspberry Pi 3のサポートがもうすぐ追加される。OSは“高速なプロセッサを搭載したモダンな電話とPC”と“平凡な量ではないRAM”のために作られており、これはいつかAndroidを置き換えるのではないかという想像をさせる。私たちはGoogleにこの新しいオペレーティングシステムに関する詳細を問い合わせたものの、Googleを巡る多数のオープンソースプロジェクトの一つであり、詳細を提供するには時期早尚であるという回答であった。しかし噂を払拭するために、Fuchsiaは“AndroidやChromeOSとは全く関係がないことを強調したい”とコメントしたいとのことであった。
FuchsiaはFlutterウィジェットフレームワークをユーザインターフェイスに使用し、レンダリングをボリューメトリックシャドウ、色にじみ、光源拡散や他の手法のような洗練されたエフェクトをサポートしている物理ベースのレンダラであるEscherを用いていると思われる。これらの高いグラフィクス能力と高速なプロセッサと大量のRAMを搭載するハードウェアプラットフォームは、もし試みが上手くいけばこのOSが仮想現実ヘッドセットに適用することを意図している可能性があることを示唆している。
アプリケーションの構築を支援するために、Fuchsiaは“疎結合でありながら再構成可能なアプリケーションとサービスを作成するためのプロセス間通信技術、プロトコルと実行環境の集集合体”であるMojoを使用している。MojoはPauli Olavi Ojala氏によると、Dart、Go、Java、JavaScript、PythonとRustのバインディングを持っている。
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