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進化的アーキテクチャによりシステムの釣り合いを取り続ける

原文(投稿日:2016/10/02)へのリンク

イギリスのコーンウォールで開催されたAgile on the Beach 2016会議において、Rebecca Parsons氏は商品投入までの期間の改善と事業のアジリティに対する要求は、真の進化可能性のためにソフトウェアのアーキテクチャ構築を行い、変更に備えてシステムの釣り合いを取り、実験のコスト(とリスク)を低減し、可視性とフィードバックを最大化し、コアとなる価値の提案に向かって組織を調整することで達成されると主張した。

Agile on the Beachの2日目の基調講演である"変更のために釣り合いを取る”は、ThoughtworksのCTOであるRebecca Parsons氏により発表が行われた。Parsons氏は、講演の始めに市場投入までの期間を削減する要求は大きくなってきており、’アジャイル'が20年以上実践されているのにも関わらず、全てのソフトウェア要素のデリバリプロセスがこの概念をまだ完全に受け入れているわけではないことを述べた。素早く変化し、頻繁に実験する能力は競争力のある長所となり得る。

Be prepared to change quickly

事業レベルでのアジリティは重大であり、市場投入までの期間を削減するための好循環には、仮説の検証、素早いデリバリ、リリース、そして計測が含まれる。Parsons氏は、計測は必要不可欠であるのにも関わらずしばしば行われないことを指摘した。プロジェクト開始前の計画と予算獲得に対して多大な努力が注がれるにも関わらず、デリバリの後の金銭的な計測はしばしば行われない。全ての実験が成功するわけではない(もしくはすべきでない)ため、組織は失敗に対して安全であるようにすべきである。

もし失敗しないのであれば、それは革新を起こしているわけではないのである。失敗にに対して安全であるようにすべきである。

価値あるソフトウェアをデリバリできるよう支援するための技法には以下のものが含まれる。

  • 継続的な設計 - 開発を開始する前にシステムを完全に決定するよう試みるより、開発すると同時にシステム設計を作成・変更する
  • 継続的デリバリ (CD) - 短期のサイクルでソフトウェアをデリバリし、ソフトウェアがいつでも信頼性を持ってリリースできることを保証する。CDはソフトウェアをリリースすることを安全にし、従って実験を可能とする。
  • 実用的なソフトウェア品質 - コアとなるソフトウェアの指標(コードの複製、循環複雑度、欠陥率)の傾向を監視が必要不可欠である。
  • 進化的アーキテクチャ - インクリメンタルにアーキテクチャを変更することを第一原則とした設計
  • 適切に組織化されたIT - コンウェイの法則を意識し、組織構造の設計に適切にアジャイル原則を導入する。Sriram Narayan氏はこのテーマについて“Agile IT Organization Design”を執筆した。

進化的アーキテクチャは多くの開発者にとって新しい話題であり、stranglerパターンポステルの法則のような概念から学ぶことができる。これはテスト容易性のためのアーキテクチャ設計を行い、メンテナンス性、適応性より進化可能性をすることが利益をもたらす。

The strangler pattern

非機能要件に注意を向けることは同じように重要であり、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性の観点で何が問題かを前もって決めておくことは、プロジェクト全体のライフサイクルを通じて設計上の決定を行うことをより容易にする。

非機能要件は必要不可欠であり、 [...] より多くを学ぶためには、運用チームのような何かが失敗した時に影響を被る人々と会話をすることが必要である。

Parsons氏は発表の締めくくりの発端として、ITは伝統的にコストセンターとして考えられていること、その結果安定性と標準化を優先していたことを話した。現在、ITはしばしば事業提案のコアとして見られており、そのため実験と応答性が優先されるべきである。このコストコントロールと価値創造の衝突はたびたび組織的な亀裂を生む可能性があるため、適切に管理されなければならない。組織的な相違を生み出す者は熟考する者(事業のためのコアな価値提案は何であろうか?) でなければならず、'コモディティ化したコンピューティング'は革新が必要なIT領域とは分離されるべきである。全体のITポートフォリオは管理され、'正しいサイズの'アウトソーシングが検討されるべきである。

講演をまとめるにあたり、Parsons氏は事業のアジリティのゴールは以下の技術により獲得できると述べた。

Agile on the Beach’についての追加の情報は会議のwebサイトを確認したり、'agileotb' のTwitterハッシュタグをフォローしたりすることで発見できる。Rebecca Parsons氏による2日目の基調講演のビデオはAgile on the BeachのYouTubeチャンネルにすぐにアップロードされる予定である。

 
 

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