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Microsoft PowerAppsがGA(General Availability)に到達

| 作者: Kent Weare フォローする 9 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2016年12月25日. 推定読書時間: 10 分 |

原文(投稿日:2016/11/14)へのリンク

6ヶ月のプレビュー期間を経て,MicrosoftのクロスプラットフォームなモバイルおよびWebビジネスアプリケーションの構築サービスであるPowerAppsがGA(General Availability)に到達した。6つのリージョンと42の言語を対象として,実運用可能なバージョンが99.9%のSLAで提供される。

プレビュー版は多くの企業からの関心を集めた。PowerAppチームのグループプログラムマネージャであるDarshan Desai氏が示すところでは,“143の国の46,000社から124,000を越えるユーザが,PowerAppを使ってWebおよびモバイルアプリを開発”している。

GAサービスではさらに,PowerAppsに関連する機能およびサービスとして,SharePoint Onlineリストの統合,Common Data Service,Dynamic 365 PowerAppsディスカバリ,PowerApp Admin Center,FlowおよびOn-premisesデータゲートウェイなどが提供される。これらGA機能以外に, Windows 10 Mobile用PowerAppsアプリケーションのプレビュー版も発表された

SharePoint Onlineリストの統合

SharePoint Onlineのユーザは,SharePoint OnlineのCRUD操作を利用するPowerAppを,カスタムコードを記述せずに作成することができる。SharePoint OnlineコマンドバーからPowerAppドロップダウンをクリックすれば,SharePointリスト内のデータの作成と修正に必要なすべてのフックを備えたPowerAppsデザイナが起動する。

出典: https://powerapps.microsoft.com/en-us/blog/announcing-general-availability/

Common Data Service

Common Data Serviceは,一連のビジネスアプリケーションやPowerAppsアプリケーションに共有データストアを提供する。Deasi氏はCommon Data Serviceを,“手軽に利用できてスケーラブルなデータストアであり,標準的なエンティティスキーマとビヘイビアを備えた共通データモデルを提供する”データバックボーンとして位置付けている。加えて,“データのインポートとエクスポートを備えた強力なデータアクセス層,セキュリティ,ExcelおよびOutlook用のMicrosoft Officeインテグレーションも提供”する。

出典: https://powerapps.microsoft.com/en-us/blog/announcing-general-availability/

Microsoft FlowおよびOn-premisesデータゲートウェイ

PowerAppsを導入する企業は,同じくGAに到達したMicrosoft Flowとのインテグレーションを通じて,開発するアプリケーションにワークフローを加えられるようになる。また,On-premisesデータゲートウェイを使うことで,オンプレミスのアプリケーションとデータソースをPowerAppsあるいはFlowと接続することが可能だ。現時点ではSharePoint ServerやSQL Serverなどのシステムが統合の対象だが,SAPなど他のシステムについても,将来的にサポートが予定されている。

PowerApps Admin Center

PowerAppsとMicrosoft Flowは,クロスプラットフォームなモバイルおよびWebアプリケーションを構築する一般開発者に加えて,さまざまなシステムとサービス間のタスクの自動化もターゲットにしている。このクラスのユーザの能力を活用しつつ,セキュリティとガバナンスも維持したいと考える企業を対象に,Microsoftの提供するのがPowerApps Admin Centerである。PowerApps Admin Centerを使用することで管理者は,ユーザロールとデータアクセスの管理,知的財産の漏洩を防止するためのデータポリシの適用に加えて,複数の環境の管理ができるようになる。

InfoQは製品マーケティング部門でシニアディレクタを務めるKees Hertogh氏から,先日のGAリリースに関する話を聞いた。氏は次のように話してくれた。

InfoQ: GAの発表時では,124,000以上のユーザがPowerAppを開発していることがMicrosoftから示されました。あなたがユーザを見ている中で,特に興味深いユースケースにはどのようなものがありますか?

Kees Hertogh: カスタムソリューションを構築する標準的な方法がなかったり,あるいは専門的な開発リソースがコスト面で高価であるなどの理由で,これまでは対処できなかった特殊なビジネス上の問題ですね。これまでは対処されなかったような,特殊なビジネスプロセスやタスクのニーズへの対処を重視するユーザを見ることが多くなってきています。特にエキサイティングなのは,PowerAppsで開発されるアプリケーションのレベルが高度化していることです。印象的な例をいくつかご紹介しましょう。

  • 大規模な製造組織におけるショップ内外での品質管理。最新のテスト手順などを提供するだけでなく,プロセスの実行情報を自動的に採取することにより,さらなるプロセス改善を可能にします。
  • 自動販売機を補充するドライバの効率の最適化。このアプリは自動販売機からのIoT信号や道路情報など,さまざまなソースからのデータを集約した上で,ERPシステムからサプライチェーン情報を取得し,トラック配送ドライバにターゲットを絞ったアプリを構築することで,彼らのルートだけでなく,自動販売機の補充プロセスも最適化します。
  • エネルギ企業のオペレーション支援に的を絞った意思決定アプリケーション。保守作業員を遠隔地の風車サイトに派遣する必要のある場合に,経済的な面から適切な判断を可能にします。このアプリもまた,リアルタイムなIoTストリーミングデータを含む,複数のデータソースのデータを集約しています。

さらに,これら初期の高度なユースケースには,共通して見られるアプリケーション開発プロセスのパターンがいくつかあります。ひとつは,SharePointのドキュメント,CRMあるいはERPシステムのデータ,一部のストリーミング/リアルタイムデータといった,複数のソースから集約されたデータの持つ強さであり,次には,これらのデータソースを単一目的のアプリケーションに接続することによる,特定のタスクないしプロセスの最適化です。

既存のデータやエンタープライズシステムの価値を解放するために,AzureのPaaS機能を利用するユーザも見てきました。基幹業務チームがアプリケーション開発を先導する,または/あるいはITチームが基幹業務チームと社内IT組織とのより深い関係性を確立するといった,アプリケーション開発プロセスの変化もこの中に含まれるかも知れません。実践的かつ反復的なアプリケーション設計や開発のプロセスを推進する上で,PowerAppsが実際に役立っている様子も見ています。何よりも重要なのは,最初のアプリを作り終えたユーザが,そこで終わりとはしないことです ... 具体的な問題に取り組んだ彼らは,それまで対処されていなかった,さらなる改善のための機会を探し始めるのです!

InfoQ: 従来のカスタム開発やクロスプラットフォーム開発のフレームワークに代えて,ユーザがPowerAppを採用しているのには,どのような理由があるのでしょう?

Kees Hertogh: そういったユーザに一貫して見られる要因に帰着するのではないかと思います – 専門的な開発リソースの不足,さらには具体的なビジネス上の問題への対処とより迅速なイテレーションという,ビジネスユニットからのニーズです。イテレーションが求められるのは,単に最初のソリューションが早く欲しいだけではなく,プロセスないしタスクにおいて必要な変化に対応できるためでもあります。

InfoQ: Common Data ServiceもGAマイルストンに到達しましたが,この機能にはどのようなユーザを想定していますか?

Kees Hertogh: よい質問ですね。Common Data ServiceがPowerAppsユーザに提供する新しい機能について,私たちはとても喜んでいます。Azureベースのこの新しいデータサービスは,強力なデータストレージとモデリング機能をPowerAppsに加えます。私たちの目的は,アプリを開発する上で必要な独自データを格納する,SQL Azureのフルパワーを活用したスケーラブルなデータストアのように,PowerAppsで新たな能力を利用可能にすることにあります。共通データモデルと標準的なエンティティスキーマやビヘイビアが,アプリの新規開発をスピードアップします。65以上の標準的なエンティティを備えた豊富なスキーマ,データのインポートとエクスポート機能を持ったパワフルなデータアクセス層,データセキュリティ,ExcelとOutlookを対象としたMicrosoft Officeとの緊密な統合など,今後も開発を継続していくつもりです。さらに,プロフェッショナルな開発シナリオをサポートするSDK(Software Development Kit)のリリースも計画中です。

InfoQ: 企業ユーザは一般歴に,モバイルやWebアプリケーションの管理やガバナンスを気にかけますが,PowerAppsに適切な権限が与えられていてセキュアであることをITチームが確認するためには,どのようなツールがありますか?

Kees Hertogh: そうですね,ビジネスアプリケーションのプラットフォームとして成功する上では,適切なIT管理とガバナンスの能力を提供して,データのセキュリティとアクセスを管理できることが重要になります。こういったニーズに対応するため,PowerAppsでもいくつかのことをしています。

まず第1に,新たにAdmin Centerを導入しました。IT管理者にとって,組織内のPowerApps利用に関するバウンダリとポリシを確立するための中心的な場所という位置付けです。このAdmin Centerでは,さまざまな環境を管理できるようになります。環境とは,あなたの組織のビジネスデータ,アプリ,フローを保管,管理,共有する空間のことです。それと同時に,異なる役割やセキュリティ要件,あるいは対象ユーザを持つ可能性のあるアプリを分離するための,コンテナの役割も果たします。どの環境を使うのかは,あなたの組織や,あなたが開発しようとしているアプリによります。例えば,アプリのテストバージョンと出荷バージョン用に環境を作るかも知れませんし,チームや社内の部署ごとに,それぞれのユーザに関連するデータを含んだ環境を別々に用意する場合もあります。

Common Data Services内のデータへのアクセス管理としては,ロールベースのセキュリティに加えて,Admin Center経由で管理可能なデータポリシも導入しています。データコネクタを経由する場合を含むデータアクセスを保護するために,共有可能なコンシューマサービスとコネクタ特有のビジネスデータを定義するポリシの作成と適用が可能です。このようなデータ共有方法を定義したポリシは,データ損失防止(DLP/Data Loss Prevention)ポリシと呼ばれるものです。

InfoQ: 企業がオンプレミスデータセンタからクラウドアーキテクチャに移行する過程において,PowerAppsはオンプレミスデータをどのように統合ないし利用できるのでしょう?

Kees Hertogh: 自身のオンプレミスインフラストラクチャからのすべてのデータにアクセスしたいユーザには,On-premisesデータゲートウェイが用意されています。このゲートウェイはブリッジとして動作して,オンプレミスデータとPower BIやAzure Logic Apps,Microsoft Flowといったクラウドサービスとの間の,手軽でセキュアなデータ転送を提供します。これによってSharePointやSQL Server,Oracle,SAP Hana, IBM DB2といったオンプレミスデータソースに格納されたデータへの,セキュアなアクセスが可能になります。

 

 
 

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