BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Microsoft AzureリードアーキテクトJohn Gossman氏にLinux Foundation参画について聞く

Microsoft AzureリードアーキテクトJohn Gossman氏にLinux Foundation参画について聞く

原文(投稿日:2017/01/10)へのリンク

MicrosoftはLinux Foundationにプレミアムメンバーとして参画し、オープンソースの世界への進出を続けている。

InfoQはMicrosoft Azureのリードアーキテクトであり、Linux FoundationのボードメンバーでもあるJohn Gossman氏に話を聞いた。

InfoQ: 一番最初の頃からお話をお伺いします。この数年、私たちはMicrosoftがオープンソースの世界にやってくるという大きな変化を目にしました。MicrosoftがLinux Foundationにプレミアムスポンサーとして参画したのは大きなマイルストンのひとつです。この参画の目的は何でしょうか。

Gossman: 私たちの戦略の中核は顧客が仕事で好んで使うツールやプラットフォームに柔軟さを提供することです。Linux Foundationにプレミアムメンバーとして参画することは私たちのオープンソースへの旅の次の一歩として自然なことです。この旅は2004年から続いています。

私たちがLinux Foundationに参画したことで、顧客は多様な開発者のエコシステムの中での協力やイノベーションを通じて利益を得るでしょう。Microsoft Azureがオープンソース技術を強力にサポートしているのに加えて、私たちは.NET、Visual Studio、SQL Serverといった主力の製品をLinuxに持ち込もうとしています。

InfoQ: Microsoftのオープンソースへの旅の中でのLinuxの役割を考えるのは面白いです。この領域にはどのような投資を計画していますか。このような貢献によってクラウドはどのように変わるでしょうか。Microsoftの戦略でLinuxはどのような役割を演じますか。

Gossman: Microsoftは2009年からLinuxカーネルに貢献しています。これは今日まで続いています。Azure Marketplaceで提供されているサードパティーのIaaSの60%近くがオープンソース(OSS)であり、Azure上で動いている仮想マシンの3つに1つはLinuxです。顧客の選択肢を増やし続けるため、Intel、Canonical、SUSE、Red Hatといった企業と強力なパートナーシップを結んでいます。SQL Server on Linuxを発表し.NETをオープンソースにしました。Windows 10にBashを追加してOSS開発にとって素晴らしい開発環境にしました。OpenSSH、FreeBSD、Mesos、Docker、Linuxなど多くのオープンソースプロジェクトに参加し積極的に貢献をしています。GitHub上でも2000を超えるプロジェクトを持つトップのコントリリビューターです。

InfoQ: BashのシェルスクリプトがWindows 10上で動くのは開発者に好意的に受け取られているようです。しかし、サーバソフトウェアやネイティブのLinuxプログラムは動作しません。WindowsのロードマップにはBashを超えてLinuxカーネルにまで手を伸ばす計画が含まれていますか。

Gossman: コミュニティが受け入れてくれたことにはとても興奮しています。また、コミュニティの声を聞き続けていますし、進化するニーズに答えるための機能追加にも投資しています。私たちは現時点では共有できるWindows Subsystem for Linuxについての具体的なロードマップはありません。

Bash on Windowsのサポートによって、開発者はWindowsとLinuxの開発にWindowsを自然に使えるようになりました。優れたユーティリティ、フレームワークを活用できるようになりました。BashシェルスクリプトはWSLの一般的なユースケースですが、ユーザーはUbuntuのユーザースペースでELF64をネイティブで実行できます。つまり、例えば、Ubuntuで使えるソフトウェアをAPTパッケージマネージャを使ってインストールできます。このサブシステムの挙動については技術資料があり、新しいピコプロセスとシステムコールがWindows NTカーネルにどのように変換されるかについて説明しています。

InfoQ: Microsoftが注力しているエリアのひとつがクラウドですね。特に、Linux VMやlxc関連のコンテナでしょうか。クラウドにフォーカスしていることはLinux Foundationへの参加に影響を与えましたか。

Gossman: 私たちは長くオープンソースに関わってきました。Azure以前からです。しかし、クラウドは組織に素早さを持ち込む方法の鍵となりますし、確かに私たちのオープンソース戦略の要素のひとつです。私たちはクラウドでのオープンソースについて包括的なアプローチを持っています。顧客の能力を拡大すること、私たちのサービスにオープンソースを統合すること、エコシステムへのリリースと貢献を包括しています。

Azureはオープンであり、柔軟なクラウドプラットフォームで顧客が自由に選択できます。中核となるインフラからアプリケーション、データやコンテナのプラットフォームまで、私たちはオープンソースのポートフォリオを持っています。Red Hat、Canonical、Docker、Mesosphere、Datastaxと協力なパートナーシップを締結し、クラウド上で素早さと柔軟さを提供します。多くの組織にとってオープンソースとクラウドが重要な役割を果たしている時代にLinux Foundationのボードに参加しているクラウドベンダとして関われること、そして、Linux Foundation、Open Container Initiative、TODO Groupと仕事ができることには誇りを持っています。

InfoQ: クラウドネイティブの世界では、ポリゴットなアプリケーションが牽引力を持ちます。この流れをMicrosoftはどのように考えますか。Cloud Native Computing Foundation (CNCF)、Open Container Initiative (OCI)、Cloud Foundry Foundationや他のパートナーシップではどのような役割を果たしますか。

Gossman: 組織がクラウドネイティブなアプローチによってデジタルへの変換をする中でポリゴットなアプリケーションへの関心が高まったいるのは私たちも確認しています。ここでもオープンソースは重要な役割を果たします。

開発者は、ポリゴットとクラウドネイティブについて複数のアプローチを探っています。例えば、コンテナベースのアプリケーションを配置したい顧客はAzure Container Serviceを、マイクロサービスのプラットフォームを探しているならAzure Service Fabric、12ファクターのjavaアプリならPivotal Cloud Foundryのようなパートナーのソリューションを、その他の顧客はAzure App ServiceやAzure Functionsをウェブやサーバレスアプリケーションに使います。私たちは柔軟でオープンなクラウドプラットフォームで顧客が自由に選択でき、今日、開発者が使うオープンソースの技術をサポートします。柔軟性が重要な役割を果たします。

私たちはOpen Container Initiativeにも当初から参画しています。コンテナの世界のオープンソースベンダとも協業しています。他のオープンソース団体とも幅広いエコシステムで協力しています。

InfoQ: Microsoftが参加しているオープンソースの動きについて、開発者が知っておくべきことを教えてください。また、このようなオープンソースの動きに対する投資はどのように回収するつもりでしょうか。

Gossman:Microsoft Azureでオープンソースを強力にサポートする以外にも、私たちは主力の技術をLinuxに持ち込んでいます。.NET、Visual Studio、SQL Serverなどです。また、.NET Core、Visual Studio Code、the Xamarin SDK、Powershell、Microsoft Edge Chakra JavaScriptエンジンをオープンソースにしました。

私たちのビジネスモデルによって、私たちは顧客のための素晴らしい取引を実現できます。世界とつながりイノベーションを広げることができ、個人も法人も今しているような方法で仕事ができることを実現できます。オープンであることが顧客にとって、コミュニティにとって、そして私たちのビジネスにとって良いことだと確信しています。さらに、これによって、Microsoftが当初から行ってきたパートナーを中心としたアプローチを促進できるのです。

MicrosoftのオープンソースについてのサイトとMicrosoft Azureのオープンソースについてのサイトでは他のオープンソースの動きについての詳しい情報を得ることができる。

 
 

Rate this Article

Relevance
Style
 
 

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT