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インプロビゼーション実行者のコードとQConSF

原文(投稿日:2017/01/26)へのリンク

インプロビゼーション(improvisation, 即興)とソフトウェア開発は異質なものに思える。しかしTed DesMaisons,Lisa Rowland両氏は,共同作業において環境を問わずに有用なインプロビゼーションの中から,自ら学んだいくつかのアドバイスを説明している。さまざまなインプロビゼーションツールを通じて両氏が見つけ出したのは,よりよい生活を構築するための3つの“ハック”だ。

最初は,失敗を受け入れることだ。両氏はペアでの作業を例に,ある困難な状況を聴衆に紹介した。聴衆が学んだのは“おじぎ(failure bow)”,ミスをした時に誤る方法のひとつだ。“誤りを恐れないことによって大胆さが育まれるのです”,とRowland氏は述べている。失敗を認められるようになった上で,目の前にある仕事に取り組んで行けば,失敗を恐れることも少ない。失敗を常態と認めることによって,“ひるまずに,再び成果をあげられるようになる”のだ。DesMaisons氏は,両氏が技術的な問題に直面した時の行動と,その状況について説明した。問題に対して直ちに対処することで,そのシーンでの成功を収めることができたのだ。氏は聴衆に向けて,事態を好転させる可能のある贈り物として,失敗を受け止めるように奨めた。Rowland氏もこれに応えて,失敗を認めた上で“それを乗り越える”,すなわち,失敗にとらわれずにグループや,グループの新たなアイデアに集中しなくてはならない,と説明した。

第2には,“はい”と言うことだ。“いいえ”,“はい,ですが (Yes but)”,“はい,それに (Yes and)”など,アイデアに対する反応のエクササイズを通じて両氏は,コラボレーションからより多くの可能性を引き出す上で,“はい”という返答が有効であることを示してみせた。単に“いいえ”と言ってしまうのは,即座に他の人々との関係を遮断することだ。“はい,ですが”と言って反対意見を続けるのも,アイデアの流れを妨げる。アイデアの流れを膨らますには,“はい,それに”というのが有効だ。“はい”と言う返答は,アイデアの発現やオープンな議論を促す。アイデアを一方的に提供するのではなく,関係者全員が最高のアイデアを見つけ出すことにより集中できるようになるのだ。ただし,ビジネス環境で持ち上がったすべてのアイデアを肯定することはできないかも知れない,とRowland氏は指摘する。そうではあっても,アイデアの一部や表現について,“そういったアイデアは今後もどんどん提案してほしい”と言うのは,提案の基本部分をサポートするための望ましい方法だ。

最後のハックは,コントロールの共有だ。DesMaisons氏とRowland氏は聴衆に対して,ペアが代替語を使用して手紙を書くという,“双方向の手紙”を試させた。自分が持っているものを受け入れることと,“自分一人では不可能な何かを作り出す”状況の創造を分かち合うことを聴衆は学んだ,とDesMaison氏は述べた。状況のコントロールを手放すのは,成果に対する期待の幅を低減するとともに,問題の解決においては,より多くの貢献を他者に許すことになる。インプロビゼーションを演じる者は,過ぎたことを後悔するよりも,今この瞬間に何ができるかを見つけるためにより多くのエネルギを費やすのだ,とRowland氏は述べている。

DesMaisons氏は講演の最後に,これらのハックをお互いに構築する方法を取り上げた。失敗に変えられた関係を持っていれば,“はい”と答えるのは簡単なことだ。あなたの同僚も“はい”と答えることが分かっていれば,コントロールの共有にも何ら問題はない。

 
 

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