人材という考え方は時代遅れであり、刷新する必要がある。Dov Sal氏は最近の記事で、アジャイルな組織に置けるHRの目的を吟味し、HRの実務担当者にはアジャイルなHR開発のためのマニュフェストを導入することを推奨している。
氏は記事の中で、HR部門の目的について、次のように問いかけている。
雇用や解雇、支払いが目的で消化。従業員の幸せを確保することが目的でしょうか。
氏の回答は"No"だ。人事の目的は、
- 組織が明確な(強い)目的を持てるように支援すること
- 実行力を最大化すること
- 照準を可能な限り合わせること
氏は組織が明確な目的を持っていることの重要さについて、Forbesの記事を引き合いに出しながら説明している。
氏は実行力を最大化することの必要性についても次のように書いている。
動くための人材が必要なら、目的地に連れていくことができる人材が必要であり、そのようなことをする動機付けがされている人が必要です。
照準を合わせることについて、氏は次のように書いている。
照準を合わせるとは、ビジョンと実行力を同期させ、両者が可能なかぎり近くなっていることを検証することです。
- チームにビジョンを理解させ、確認させること
- チームがビジョンに向かって働くようにすること
同じようにDeloit傘下のBersinもAgile Model of HRと題した記事でアジャイルな人事部門について、次のように書いている。
アジャイルなHRの仕事は制御と標準を作ることだけではなく、組織の素早さを促進させ、改善することです。アジャイルな人事のミッションと注力は変わります。素早さを駆動するということは、適応性、イノベーション、協力、スピードを生み出すということです。
この方法を支援する戦略として以下の例が挙げられている。
- 企業のあらゆる層のリーダーを"マネージャ"としてではなくコーチとして働くようトレーニングする。
- 組織を小さく、独自の目的を持つハイパフォーマンスなチームとして設計する。
- 企業内の全てのグループと機能で顧客とのやりとりが生まれるようにする。
- 全員の照準が合うように強力で専心的なミッションと価値を掲げる。
- 多くの透明な情報を抱えた仕組みを作る。例えば、目的は何か。誰がどのプロジェクトで働いているのか。専門家は誰か。
- "記録のためのシステム(systems of record)"だけでなく"絆のためのシステム(systems of engagement)"も作ること。例えば、協力や情報共有、プロジェクトマネジメントなど。
- 継続的学習と学習する文化を全てのレベルで構築することに注力する。
- 適切な人を惹きつけるための強力な雇用ブランドを作る。
- マネージャではなく専門家を雇用し昇進させる。
- お互いに直接的なフィードバックを与え合うように促す。
- お互いを表彰し承認し合う仕組みを導入する。
- チーム内の多様性を促進する仕組みを作る。
Agile AllianceはPracticing Agility in Human Resourcesと題したレポートを発表している。このレポートはPrincipal Financial Groupという一つの組織がどのようにして人事にアジャイルの手法を取り入れたのか、そこから得られた教訓、読者へのアドバイスが記されている。
このレポートにはアジャイル導入を体験した人事部門担当者の言葉をいくつか記されている。
"アジャイルは従業員が賢く働き、私たちの顧客のニーズを満たすように力を与えることです。...理にかなったことです。" - ビジネスパートナー部門人事担当バイスプレジデント
"アジャイルを成功に導く重要な要因の一つはコミュニケーションです。私たちの働き方の一部であり、全ての人に影響します。" - 人事担当最高執行責任者
"私のしていることの全てを他の人から見えるようにしてくれました。これによってチームメイトが何をしているのかを理解しやすくなりました。そして、どのような支援を求めているかも。仕事に対してより良い視点と繋がりを持てました。" - 能力開発チームのメンバ
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