オープンソースプロジェクトのコミュニティづくりには、サポート、プルリクエスト処理、ライセンシング等に関するさまざまなプラクティスが必要になる。GoogleのTensorFlow Mobileリード、Pete Warden氏はそう述べる。
新しいプロジェクトの初期における大きな課題は、使っている人たちをサポートすることだ、Warden氏は説明する。最初のうち、エキスパートといえるのは開発者自身しかおらず、日々のタスクとその他サポート義務とをうまく合わせてやるすべを見つける必要がある。これはそう単純なことではない。開発者をコンフォートゾーンから出して、メインのタスクを妨げてしまう可能性があるためだ。TensorFlowチームは、エンジニア全員でローテーションを組み、2か月ごとに一度、まる1週間、各エンジニアが特定の領域に責任を持つようにすることで、この課題に対処した。
コミュニティの要求に対応する上で非常に役立つプラクティスのうち、重要なものを以下に示す。
- プロリクエストをレビューする。レビューは通常、当番の開発者にアサインされる。PRを検証して、テストを壊さないことを確認する。そのあと必要に応じて、その領域に詳しい開発者へフォワードする。
- 報告されたイシューをトリアージする。TensorFlowのような広く使われているプロジェクトの場合、何千ものイシューが報告される可能性がある。これらを扱うために、優先順位を管理して何が行われているかをトラックするための詳細な手順を定義する必要があった。
- StackOverflowの質問に対応する。TensorFlowチームは、ライブラリの使い方についてのヘルプを提供するチャンネルとして、SlackOverflowを選択している。これには、たとえチームメンバーでなくても、質問の答えを知っている人なら誰でも返答できるというメリットがある。
- テストが失敗しないことを保証する。これはJenkinsを使うことで対処している。サポートするほとんどのプラットフォームで自動テストスイートを実行する。
- 開発者との関係づくりをする。これも非常勤で行われており、ユーザーが抱えている問題を開発者が直接知ることができるという大きなメリットがある。
こうした取り組みの長期的目標は、Googleの内部と外部の両方で、コミュニティの支援、ドキュメントの改善、バグトリアージなどのよくあるタスクに役立つ「プレイブック」の作成といった活動に必要な経験を持つ人たちを増やすことにある、とWardenは説明する。
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