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DevOpsを実践するBarclays,Allianz,Disney - DOES17 London第1日目基調講演より

| 作者: Daniel Bryant フォローする 147 人のフォロワー , 翻訳者 h_yoshida フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2017年7月26日. 推定読書時間: 7 分 |

原文(投稿日:2017/06/07)へのリンク

London DevOps Enterprise Summit 2017カンファレンス初日の朝は、DevOpsとビジネスアジリティの原則、安定した運用、イノベーションの加速を標榜する企業組織による、意義の深い基調講演が行われた。企業組織は(従来の“行動マイルストン”ではなく、)ビジネス価値の提供に重きを置かなくてはならない。これを達成するにはクロスファンクショナルな製品チームの活用、戦略の整合性,ビジネスユニット間の透過性が不可欠であり,その完遂にはチーム間のコラボレーションとビジネス価値に関する指標の定期的共有が最も望ましい。さらに,継続的な学習とイノベーションを推進するためには,組織内に支援的かつ実践的なコミュニティを確立することが重要である。

一連のDevOps Enterprise Summitの企画者としてGene Kim氏が紹介された後の最初のステージでは,Barclays(訳注:英国の金融企業)の開発サービス責任者であるJonathan Smart氏による,“The Yin and Yang or Speed and Control”と題した講演が行われた。Smart氏の講演は,昨年のカンファレンスで紹介されたパイロットプロジェクトを通じて,Barclaysのイノベータたちが,いかにしてアジャイル原則の受け入れに成功したかを論じることから始まった。初期のアジャイルプロジェクトが成功を収めたことを受けて,移行推進を支援するチームを,それまでの“アジャイル導入チーム”から“製品開発の迅速化と質的向上チーム”に名称変更するという決断が下された。これは後続のアジャイル導入者たちにとって,“アジャイル”運動に対して否定的な感覚を持つことを避ける上で有効な施策だった。

Smart氏のチームが提供するサポートの中心は,ビジネスユニットが実行ベース(プロジェクト計画)のマイルストンに基づいた計画と実行から,証券切り替えの増大やローン審査時間の短縮といった指標に基づくビジネス価値の提供へと移行するための支援を行うことだ。さらに彼らは,IT部門だけではなく,組織全体がデジタル転換とアジャイル的作業方法を受け入れる必要がある,ということも学んだ。長期間にわたって大勢の人々が共同作業している企業において,このような革新は極めて難しいものであり,新たな作業方法の採用はKubler Ross曲線(下図参照)を経ることになる。Smart氏のアドバイスは,チームが“ハネムーン”段階にある時期を活用する,というものだ。新たな仕事のやり方への転換を人々に伝道するリーダを選び出す上では,これが最善のタイミングなのだ,と氏は言う。

Barclays DevOps Kubler Ross

講演のおもな内容は次のようなものだ – ビジネス価値の提供を重視すること。それを効果的に達成するためには,一時的なプロジェクトではなく,長期的なビジネス製品を特定し,注目することが必要だ。定常的かつ効率的なコミュニケーションを通じて,組織全体での戦略の整合性を確立せよ。バリューストリームマッピングかんばんボード大部屋(情報伝達)を利用して作業の見える化を達成せよ。継続的に改善し,無駄なプロセスを特定し排除せよ。

続く講演は,Alianz Deutschland AGのIT責任者であるAndrea Hizle-Yager氏によるもので,“From Legacy to Strategy – From Ops to DevOps”と題されていた。保険と資産管理製品を提供する世界的な金融サービス企業であるAlianzでは,DevOpsムーブメントの原則を導入することが喫緊の課題となっていた。そこで2016年1月,同社のバックエンドに統合するためのモバイルアプリケーションを年内に提供するという,当初Alianzでは不可能と考えられたタイムラインを内部目標として設定した。

Allianz DevOps Journey

この過程で同社が学んだのは,さまざまなビジネスユニット間には整合性と透過性が必要であり,そのためには一時的であってもチームをひとつの場所に集める必要があり,それによって最高の結果が得られる,ということだ。ITの主要なステークホルダが同じテーブルにつくことで,大部分の問題は誤解であると確認されるか,あるいは迅速に解決することができた。技術面から見ると,開発チームに新たなスキルが必要となったため,よりアジャイルなスタイルで作業をするためにPivotalと契約するとともに,ペアプログラミングなどのXPプラクティスの導入を行った。運用チームとの共同作業も増加し,開発チームがこれまでよりも多くの運用責任を担うことになった。しかしながら,間もなくチームは,既存のレガシアプリケーションを運用するための専門家が必要だという認識に至った。

複雑なレガシバックエンドシステムでは,“開発者が運用を担当するべき”が常に成り立つとは限りません。代わりにAllianzでは,コンサルタントとして各チームを回って活動する運用スペシャリストを含んだ“エンドツーエンドDevOps”チームが必要だ,と考えました。

これは運用上の要件と知識の共有を両立する最善の方法であるのみならず,運用チームにとっては,開発された新機能をその間近で運用できるというメリットもあるのです。

Hizle-Yager氏は,あらゆる組織の変革においてシニアレベルのトップダウンサポートは不可欠であり,よりアジャイルないしDevOps的な作業方法に移行するためには組織全体の変化が必要であると述べて,自身の講演を締め括った。年内にモバイルアプリを提供するという目標は達成され,2017年の今,Allianzでは,クラウドテクノロジの導入に向けて活動している。

初日最後の基調講演は“Creating Digital Magic”というタイトルで,The Walt Disney CompanyのJason Cox氏が行った。氏の説明によれば,Disneyほどの規模の組織では,ITの抱える課題も, ビジネスのディジタル拡大の規模に伴う作業とトラブル対応の増加,ビジネスが求める変革スピードにITが追随できない,手作業プロセスや役所の都合による妨害,システムの安定性維持という繰り返される問題,確定しないコンフィギュレーションとエラーを起こしがちな管理業務など,枚挙にいとまがない。企業のテクノロジチームは他のビジネスユニットを支援するための存在でありながら,“事実上の警察機関”とみられることも少なくない。この事実が問題をさらに複雑化させている。

Disney Enterprise Team

今回の講演で印象的だったのは,他のビジネスユニット内で何が起きているのかを物理的に“現地に行って見る”ことの必要性だ。この中には,組織全体でアイデアを公開して共通の目標に向けて議論する,インタラクティブなワークショップを開催する,全員が最高の作業を行うためにはどうすればよいかを理解する時間を確保する,といったことが含まれている。変革のリーダシップは組織において不可欠なスキルであり,リーダは次のような特性を育まなくてはならない。つまりリーダとは,サイロを打破し,オブジェクトの不変性を担保し,好奇心 – 実験と学習を怠らず,勇気 – 本音を語り,現状に挑戦し,“非難しない”文化を促進する存在なのだ。

講演の結論としてCox氏は,状況が目まぐるしく変わる現代のビジネスエコシステムでは,組織は常に将来的な技術や方法論に対してリソースを費やさなくてはならない,と主張した。支援的かつ実践的なコミュニティを企業内に確立することは,学習とイノベーションを推進するためには不可欠である。このようなコミュニティを育てるため,Disneyのチームは“Jedi Engineering Academy”を立ち上げて,定期的に社外のチームや業界のリーダを招いている。Cox氏はWalt Disneyの言葉を引用して,“Disneyの成功に謎は何もない”と語った。

私たちのアプローチに秘訣はありません。好奇心に任せて前に進み続けた – 新たなドアを開けて新たなものに取り組んだ – だけなのです。好奇心が私たちを新たな道へと誘うのです。

DevOps Enterprise Summit London 2017カンファレンスに関する詳細は,同イベントのWebサイトで確認できる。カンファレンスで実施されたセッションのビデオ録画はIT Revolution YouTubeチャネルに,スライド資料はDevOps Enterprise GitHubリポジトリに,それぞれ公開されている。

 
 

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