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コアバンキングシステムを少数のコンテナに収めるには? - DOES EU 17の講演より

原文(投稿日:2017/08/10)へのリンク

ロンドンで開催されたDevOps Enterprise Summit EU 2017で、InfoQは、Amine Boudali、Jose Quaresma両氏と席を同じくして、氏らのプレゼンテーション“How Do You Fit a Core Banking System into a Few Containers?”が示すものについて議論した。

NordeaのシニアプロジェクトマネージャであるBoudali氏と、Accenture DKのDevOpsリーダであるQuaresma氏は、北ヨーロッパ最大の金融サービスグループであるNordea Groupが先頃実施したディジタルトランスフォーメーションにおいて、コンテナテクノロジを採用したことに関するメリットと課題について論じてくれた。おもな結論は次のようなものだ – コアバンキングシステム(銀行の勘定系システム)でのパブリッククラウドの使用には、いまだ議論の余地が残っている。Nordeaにおけるイニシアティブの目的は、プラットフォームの実現可能性を証明することにある。移行プロジェクトの成功においては、採用率が重要な指標のひとつになり得る。既存のOracleソフトウェアのコンテナ化は極端に難しい作業ではない。ステートフルなデータはコンテナにマウントされた外部の永続ボリューム内に存在する。

インタビューの全内容を以下に紹介する。

InfoQ: InfoQへようこそ! DOES EU 17では“How Do You Fit a Core Banking System into a Few Containers”というタイトルで、Nordeaのコアバンキングシステム(CBP)に関して行なった作業について講演しましたが、このプログラムを選んだ動機と目的について、少し説明して頂けますか?講演ではおもに、どのようなことを提供したのでしょう?

CBPは、ヨーロッパの銀行界において現在実施されている最大の変革である、Nordeaの簡略化作業を構成する主要なコンポーネントのひとつです。CBPはトランザクションバンキング、預金引受、貸出、住宅ローン、グローバルキャッシュマネジメントをサポートする、共通のソリューションを提供します。コアバンキングプラットフォームとしてTemenosのT24を活用することによって、CBPでは、ビジネス価値の早期実現とビッグバンアプローチの回避を目的とした、増分的かつ頻繁な価値の提供に重点を置いています。

今回のプレゼンテーションにおいて、私たちは自らの経験 – 何をどのように始めて、現在どの位置にいるのか – を共有しました。さらに、さまざまなテクノロジとコンセプトの組み合わせによって直面したおもな課題に対して、私たちがどのように対処し、迅速な市場投入とプロダクトの品質を保証したのかを、段階を追って説明しました。

InfoQ: パブリッククラウドプラットフォームとPaaSの普及を考えたとき、内部プラットフォームを構築するか、あるいは外部プラットフォームの購入またはレンタルを行なうかを判断する上で、企業にとっての重要なデータと意思決定ポイントは何でしょう?

私たちの立場として、コアバンキングシステムにパブリッククラウドを使用することには、まだ議論の余地があると考えています。従って私たちのイニシアティブでは、将来的なパブリック/ハイブリッドクラウドへのシームレスな移行を念頭に置きつつ、プラットフォームの実現可能性を証明することを目標としています。

個人的には、このようなプラットフォームを対象にしたアプリケーションを構築するという目標が、大きな要素であると考えています。ワークロードや使用パターン、ビジネス機能といった側面がここに含まれます。もうひとつの重要な決定要素は、目の前にあるプラットフォームの完成度です – 変更が予想される早期段階にあるのか、あるいは安定フェーズにあるのか。これはもちろん、結論に到達するまで数ヶ月を要することもあるような分析を簡略化したものであると同時に、その結果は企業毎に異なるものになります。

InfoQ: 新しいプラットフォーム(社内あるいはパブリッククラウド経由のいずれにおいても)への移行において、事前および実施中に企業が確認すべきメトリック/KPIには、どのようなものがありますか?企業が成功を確認できるような、’重要な1指標’はありますか?

コストや保守性、セクシーさといった一般的な面を除いて、重要なメトリックをひとつ選択しなければならないとすれば、私たちは採用率を選びます。新たなプラットフォームへのマイグレーションが成功して、他のユーザが自分たちのアプリケーションをそれに乗せようとドアを叩いているのならば、自信を持つべきです。あなたがよい仕事をしたという証拠ですし、人々がその成功の一部を望んでいるのですから。

InfoQ; 既存のOracleソフトウェアをコンテナ化したという話は(Oracleはコンテナ関連で興味深い仕事をしていますが)あまり聞きませんが、あなた方のこれまでの経験ではどうですか、ステートフルなサービスをどのように管理しましたか?

よい指摘ですね。コンテナ化したアプリケーションにおいて、Oracleソフトウェアをコンテナ内で実行することが最善のユースケースでないことは十分に理解しています。私たちの目標は、現在使用しているテクノロジスタックで、T24バンキングプラットフォームがどこまで利用できるかを確認することにありました。私たちの経験では、Oracleソフトウェアをコンテナ化することは極端に難しくはありませんでしたが、いくつか不都合な点があり、講演ではそのいくつかについて話しました。ただし、アプリケーション内でステートフルなコンポーネントを管理する方法としては、CBPのデータはデータベースに格納されていますし、その処理はデータベースコンテナのデータを永続的なボリュームに保存することで行なっています。

InfoQ: 端的に言って、現代企業がより早い行動を目標とする上で、DevOpsはどのように関わっていくのでしょう?一般企業の世界において重要なのは組織的な変革なのか、あるいは技術的な変革なのか、あなた方の経験からはどちらだと思われますか?

最も重要な点ですね。DevOpsは変革の技術的側面に変化をもたらすだけでなく、プロセスと、究極的には文化的変革でそれを補完するものだと私たちは思っています。

組織的あるいは技術的な変革の重要性を決定するのは、変革の起きている組織の成熟度であると、私たちは考えています。現代の組織は通常、すでに現代の技術を使用していますから、これらを活用することで組織的変革のメリットを最大限に活かすことができます。

ある意味において相当数の課題を抱えている組織であれば、組織的変革に時間を投資するよりも前に、技術的資産を改善して基盤を整備する方法を考えるかも知れません。しかしながら、企業文化の変革を通じて技術的変革を引き起こすためには、組織的な変換が必要になる場合もあるのです。

InfoQ: 今日は時間を頂いてありがとうございました。その他,InfoQ読者に伝えたいことは何かありますか?

まずは何よりも、DevOps Enterprise Summitで行なったセッションのYouTubeビデオを見て頂きたいですね。また、私たちが支援できそうな質問やコメントがあれば、ぜひお寄せください。

DevOps Enterprise Summit London 2017カンファレンスに関する詳細は,同イベントのWebサイトで確認できる。カンファレンスで実施されたセッションのビデオ録画はIT Revolution YouTubeチャネルに,スライド資料はDevOps Enterprise GitHubリポジトリに,それぞれ公開されている。

 
 

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