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完璧なソフトウェア、継続的デリバリの計測、将来の展望 - Agile on the Beach 2017

| 作者: Daniel Bryant フォローする 740 人のフォロワー , 翻訳者 h_yoshida フォローする 1 人のフォロワー 投稿日 2017年10月2日. 推定読書時間: 6 分 |

原文(投稿日:2017/08/23)へのリンク

英国コーンウォールで開催されたAgile on the Beach 2017カンファレンスには、数千人の講演者と参加者が集まって、アジャイル分野での最新の開発やアジャイル後のソフトウェア開発方法論について議論した。最終日午後の主な内容は次のようなものだ – “デリバリチームはリーンやインタラクティブで継続的なデプロイメント方法論を取り入れることで、より迅速な価値追加が可能になる”、“継続的デリバリのメリットは大きいが、現在の状況に適用すべきツールや文化的変革の数が多く、実践は簡単ではない”、“ビルドの安定性やデプロイメントのスループット、コードのスループットといった継続的デリバリのメトリクスを計測することは、継続的改善を可能にする上で非常に重要である”、“ソフトウェアデリバリのプロフェッショナルとしての我々は、我々の生きる未来を形成する上で多くの責任を負っている”。

金曜午後のブレイクアウトセッションは、Guardian News & Mediaで品質責任者を務めるSally Goble氏による“Perfect Software: The Enemy of Rapid Delivery”という講演から始まった。80年代から90年代、ソフトウェアのデリバリは一大イベントだった、とGoble氏は言う。物理メディアを使ってコンパイルされたアーティファクトをユーザのマシンにインストールする作業は、“完璧が求められる、妥協の余地のない、ソフトウェアデリバリのリズム”であった。90年代後半から2000年代に掛けてのインターネットの普及は、これをすべて変えた。継続的かつ段階的なデプロイや、ワールドワイドウェブを介したソフトウェアアップデートの提供が可能になったのだ。この新しい機能を活用するために、リーン製品開発やアジャイル手法、継続的デリバリ、すべての自動化(automate-all-the-things)、DevOpsといった、現在の我々が当然のごとく利用しているアプローチに代表される、新たな方法論とプロセスが登場した。

続いて氏は、読者に対して効果的な価値の提供を行なう上で、Guardianがどのようなソフトウェアデリバリプロセスを採用したか、という点について論じた。最初の移行は、ソフトウェアリリースの考え方を“バグフリー”から“しばらくは使える”に変えることだった。Guardianでは、単一機能リリースやカナリリリース、機能スイッチ、管理とアラームなどのデリバリに対して、幅広い投資を続けてきた。これらのテクニックはいずれも、通常の品質保証プロセスでは必然的に見落とされるような、あらゆる問題の早期発見と修正を可能にするためのものだ。

Goble - Test after release

ユーザエクスペリエンスに関しては、“完璧なプロトタイプ”を“リーンUX”に、“すべてトラッキング”を“最小限のトラッキング”に置き換えた。設計スプリントは1週間のタイムボックスとなり、チーム全体が関与し、特定の明確に定義されたビジネス問題の解決を目標とすることが義務付けられている。プロトタイプは大まかで、短期間のイテレーションが可能なものにすることで、誤ったアイデアを簡単に除外できるようにした。十分定義された仮説であっても、すべてをA/Bテストすることは不可能であるし、不安定な環境での影響測定に依存するのはあまりにも難しい。機能評価に関する従来のアプローチを補完するために、Guatdianは、実際のユーザによる大規模なベータテストプログラムの開発と改善を実施し、新機能の評価において使用している。長期間にわたって価値を提供するためには、ユーザやステークホルダへの影響の密接かつ継続的な計測が不可欠であることを強調して、Goble氏は自身の講演を終えた。

継続的デリバリのコンサルタントであるSteve Smith氏は、当日の最後から2番目の講演で、“Measuring Continuous Delivery”を発表した。講演は、継続的デリバリの中核となる思想を再確認することから始まった。Dave Farley、Jez Humble両氏の先駆的な書籍で述べられているように、組織における継続的デリバリは、ビジネスの要求を満足する安定性と迅速性を持ったソフトウェアのデリバリが可能になることによって実現されるものだ。Smith氏は、継続的デリバリ(CD)は大きなテーマであり、多くのサブトピックで構成されている、という点に注意を促した。最大の課題は、CDを導入しようとする組織のコンテキストにおいて、必要となる原則とツーリング、文化的変革を適用することにある。

継続的デリバリは難しいテーマです。あなたの状況に適用しなければならない、たくさんのツールと文化的変化があります。

Smith氏はさらに、CDに関連する原則を取り入れるために、“The Improvement Kata”に従うことが不可欠だ、と述べている。継続的デリバリを測る重要な尺度は、次のように定義することができる – 安定性は変革の失敗率と失敗からの回復時間の総和に等しく、全体としてはリードタイムと頻度の総和に等しい。

Smith - Continuous Delivery

Smith氏は、大規模な英国政府機関でソフトウェア開発に従事するさまざまなチームから採取されたCDのメトリクスを含む、洞察に富んだグラフをいくつか提示した。デプロイメントの安定性とスループット、ビルドの安定性、コアスループット(メインラインのコミットリードタイムとメインラインのコミットインターバル)に関するデータを提示した上で、Smith氏は、氏とそのチームが関連チームの協力を得ながら、継続的デリバリソフトウェアの有用性を、延いてはビジネス価値を提供する自らの能力を明確化し充実させてきたか、という点について議論した。このテーマに関する追加情報は、“Measuring Continuous Delivery”と題された、Smith氏のLeanpubの著書で見ることができる。

Smith - Deployment Throughput

カンファレンスの締め括りには、ThougthworksのプリンシパルコンサルタントであるJames Lewis氏による、示唆に富んだ基調講演が行われた。Lewis氏は“The Cathedral & The Bazaar(伽藍とバザール)”を引合に出しながら、聴衆に対して、“ソフトウェアの優れた仕事はすべて、開発者自身が痒いところを掻くことから始まります”、と話した。続く30分間でLewis氏は、ThoughtworkのTechnology Radar – 氏自身がその開発に長く関わっていた – のレトロスペクティブを行い、迅速なイノベーションの提供と、エンドユーザへの価値の提供を行なうソフトウェア産業の能力に対する、JavaScriptやマイクロサービスやコンテナといったテクノロジによる影響を論じた。

講演の途中でLewis氏はギアを替えて、テクノロジの将来 – と用い方 – について、自身の予測を公開した。“Neuromancer”などの独創的な科学小説の著書を持つWilliam Gibson氏の言葉を借りて、Lewis氏は“私たちは未来(それは一様ではない)に生きている”のだ、と語った。

Lewis - We are living in the future

さまざまなトピックに関わる現在の研究状況と将来的な業界予測 – 自動運転車(2045年までには北半球の先進国の100%に普及すると言われている)、ロボット工学、ブロックチェーン – を聴きながら、ソフトウェア提供のプロである聴衆は、刺激的かつ威圧的な物語へと誘われた – “私たちは(これまでよりもさらに)より接続され、より自動化され、より拡張された世界へと移行しつつあります。そしてソフトウェアは、私たちをそこに連れていってくれるのです。”

Agile on the Beachカンファレンスに関する詳しい情報はカンファレンスのWebサイトで、プレゼンテーションのビデオはYouTubeのAotBチャネルで、今後数週間にわたって見ることができる。

 
 

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