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基幹業務におけるUWPアプリの課題

原文(投稿日:2018/01/25)へのリンク

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Windows 10の登場以降、Microsoftは、UWP(Universal Windows Platform)を今後すべてのWindowsベースのアプリケーションのプラットフォームとして位置付けている。Windows 8のタッチ操作中心のデザインを拡張したUWPは、Windows 10の動作するすべてのデバイス — 従来型のデスクトップ、タブレット、Xbox One、HoloLens — に展開可能な、共通アプリケーションパッケージを提供する。WPF(Windows Presentation Foundation)とWinFormをベースにしたアプリケーションの新たな代替品を模索する開発者は、UWPのタッチを優先したデザインに対して、いくつかの面で不足する部分を感じている。

エンタープライズソフトウェア開発のベテランであるDean Chalk氏は先日、現在の状況とMicrosoftが見落としている部分を適確に捉えた記事を執筆した。“Microsoft and The UWP for Enterprise Delusion”と題された氏のプレゼンテーションには、UWPが従来の基幹業務デスクトップアプリケーションの構築を念頭に置いて設計されていないため、そのような役割には不向きである、という氏の中心的なテーマが示されている。

最初にChalk氏が指摘したのは、ビジネスアプリケーションがモバイル優先の考え方に不向きであるということだ。従来のワイドスクリーンモニタ、マウス、キーボードによる生産性を、iPhoneのオンスクリーンキーボードで凌駕するのは至難の業だ。ユーザビリティだけの問題ではない。デスクトップアプリケーションは、タッチベースのインターフェースのサポートが必須であるスマートフォンアプリに比較して、はるかに豊富な情報を提供できるのだ。

Chalk氏の説明によれば、タッチベースアプリケーションの問題のひとつは、デスクトップ機器では人間工学的なアプローチではないという点にある。キーボードとマウスを使う入力の方がはるかに正確で、速く、物理的な疲労も少なくてすむ。複雑な金融アプリケーションの開発者としての経験から、氏は、画面上のあらゆるピクセルの重要性を強調する。タッチフレンドリなコントロールのために貴重な物理的資産を使うのは、氏の経験した開発では無駄であり、場合によっては無意味でさえある。

プレゼンテーションの背景として氏は、MSILやBAMLを使用してCLR(Common Language Runtime)をターゲットとする従来型のWPFアプリケーションが、非常にデバッグしやすいことにも言及した。UWPのアプローチと比較した場合、バグの発見やアプリケーションフローのデバッグの方がずっと容易なのだ。UWPのアプリケーションはマシンコードにコンパイルされ、COMパッケージの一部となるため、複雑さが大幅に増加する。場合によっては、デバッグがほとんど不可能に近くなることもある。

Chalk氏の記事で注目すべきなのは、そこに寄せられているコメントだ。最近までMicrosoftでプログラムマネージャをしていたTim Sneath氏は、現在はGoogleでFlutterに関わっている。氏はChalk氏の見解に同意し、WPFがWindows XP時代に登場したDirectX 9上に構築されている点を指摘している。Sneath氏はコメントに、Microsoft在籍中のデスクトップアプリケーションに対するアプローチが行き詰まったと考えており、自身がGoogleのFlutterアプリSDKに移行する理由になったと書いている。Windows開発者にとっては残念なことに、FlutterはiOSとAndroidアプリをターゲットとしているため、デスクトップアプリケーションの開発を続ける上ではほとんど役に立たない。

Redditでの議論では、評価はさらに分かれており、コメント寄稿者の多くはChalk氏の見解に反対する意見を述べていた。氏の意見に反対して、企業ユーザの多くがモバイルアプリを希望しているという意見のある一方で、Webベースの秘術で十分だという意見もあった。

 
 

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