Red Hat JBoss Web Server (JWS) はWebアプリケーションや大規模Webサイトを構築、デプロイ、保守できるようApacheのWebサーバとサーブレットエンジンのTomcatを組み合わせたものである。JBoss Web Serverのバージョン5がリリースされ、Tomcat 9をサポートし新機能と拡張をいくつか導入した。
開発者はJWSのバージョン4がスキップされていると思うかもしれない。バージョン4はRed Hat OpenShift Application Runtimes (RHOAR) 用のSpringBootのランタイムにApache Tomcat 8.5を組み込んだバージョンとしてのみ配布されており、スタンドアロンバージョンはリリースされていない。
バージョン5のJWSにはRed Hat Enterprise Linux (RHEL) 用のTomcat 9が入っている。他のプラットフォーム向けもすぐにリリースされる予定だ。いくつかのコンポーネントがバージョン5のJWSに統合され、サブスクリプション契約に従って開発環境と本番環境での利用が完全にサポートされる。
JWSには主要なコンポーネントがいくつかある。
- Javaサーブレット仕様準拠のApache Tomcatサーブレットコンテナ。
- Tomcatの安定性、パフォーマンス、統合を改善するApache Tomcatネイティブライブラリ。
- JBoss Web Server用Tomcat-vault拡張。パスワードとその他機密情報を安全に保管するために使用する。
- Apache TomcatとApache HTTP Serverのmod_proxy_cluster間でのやり取りを可能にするmod_clusterライブラリ。
主要なコンポーネントに合わせて、新機能がいくつかある。
- HTTP/2のサポート
- JSSEコネクタ (NIOとNIO2) でのTLSをサポートするOpenSSLの利用をサポート
- Tomcat-nativeインストール時NIOコネクタがHTTP/1.1接続のデフォルトに
- TLS仮想ホスティング (SNI) のサポート
新機能に合わせて、拡張がいくつかある。
- .zipアーカイブからインストールするRed Hat Enterprise Linuxユーザ向けのシステムデーモン統合スクリプトの提供
- Tomcat-vaultのインストールプロセスの改善
- Tomcat-vaultのvault.propertiesファイルをJWS_HOMEの外に保存可能に
- managerとhost-managerのwebアプリケーションの挙動変更
- mod_clusterでコネクタの指定が必須となる変更
- 複数のpropertiesファイルを設定可能に
- Log4jの非サポート化
- JBoss Web Server Plusに対する変更
- JBoss Web Server 5.0のMavenリポジトリに組み込みTomcatサーバを含める
JBoss Web Server 5はJBoss Web Server 5.0のMavenリポジトリやコンテナカタログからZIPもしくはRPMフォーマットで取得できる。協力したい開発者はRed Hat開発者プログラムから参加でき、関連するチートシートや書籍、プロダクトのダウンロードにアクセスできる。読者は今後ともInfoQのJavaホームページにアクセスしJava関連の最新ニュースを見逃さないでほしい。
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