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Amazon、自動的にコストを最適化するS3ストレージクラスIntelligent-Tieringを導入

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原文(投稿日:2018/12/05)へのリンク

AmazonはIntelligent-Tieringという新しいS3ストレージクラス発表した。これは使用パターンに基づいて最も費用対効果の高いストレージ階層を自動的に選択することで、ストレージコストを最適化する。S3にあるデータへのアクセス頻度が低い顧客にとって、この新しいクラスはコストを削減するのに役立つ。

AmazonはAWS re:Invent 2018において、顧客がストレージインフラストラクチャをスケールし、コストを最適化する機能を提供するため、複数の新しいAmazon S3機能を発表した。Amazon S3 Intelligent-Tieringは新しいAmazon S3ストレージクラスで、アクセスパターンが未知あるいは変動するデータのストレージコストを自動的に最適化する。また、データを最も費用対効果の高いストレージ階層へ自動的に移動することで、動的な階層化も提供する。したがって、アクセストレンドが変動するデータを持つ顧客は、この新しい階層を用いることで恩恵を受けることができる。

S3 Intelligent-Tieringを使うことで、顧客は2つのアクセス階層を組み込んだ新しいストレージクラスが手に入る。どとらも標準ストレージクラスと同等の低レイテンシーを提供する。加えて、S3 Intelligent-Tieringはアクセスパターンを監視し、30日間連続してアクセスされていないオブジェクトを低頻度アクセス階層に移動する。ユーザーが低頻度アクセス階層にあるデータにアクセスすると、ストレージサービスは自動的にデータを高頻度アクセス階層に戻す。

通常、S3 Intelligent-Tierの利用は、データアップロード時に新しいストレージクラスを選択することから始まる。次に、ユーザーはS3 Storageの管理から、そのデータに対してIntelligent-Tieringを使用するためのライフサイクルルールを設定する。


 
AWSチーフエバンジェリストのJeff Barr氏によると、Intelligent-Tieringに関して考慮すべきことが少しあるという。

  • オブジェクトサイズ – Intelligent-Tiering はどのようなサイズのオブジェクトにもご利用いただけますが、128KBよりも小さいサイズのオブジェクトは、低頻度アクセス階層には遷移しません。そして高頻度アクセス階層での料金レートが適用されます。
  • オブジェクトの保存期間 – 30日以内に削除されるようなオブジェクトには不向きです。すべてのオブジェクトは、最低30日間の料金が適用されます。
  • 耐久性と可用性 – Intelligent-Tieringストレージクラスは99.9%の可用性と、99.999999999% の耐久性で設計されており、99.0%の可用性をSLAとしています。
  • 価格設定 – 他のストレージクラスと同様、月額でのストレージ容量、リクエスト数、データ転送量に応じた料金となります。高頻度アクセス階層にあるオブジェクトのストレージ容量課金はS3 Standardと同じレートで、低頻度アクセス階層にあるオブジェクトのストレージ容量課金はS3 Standard-IA(標準-低頻度アクセス)と同じレートとなります。Intelligent-Tiering を利用すると、わずかですが、月額のオブジェクトごとのモニタリングと自動化の料金があります。このことは、オブジェクトのサイズが大きくなるほどより経済的になることを示唆しています。先ほども述べました通り、S3 Intelligent-Tieringは、アクセスパターンによっては高頻度アクセス階層に自動的にデータを戻しますが、データ取り出しの料金はありません。
  • S3へのクエリ – Queries made using S3 Selectによるクエリを実行してもストレージ階層を変更するこはありません。Amazon Athena やAmazon Redshift Spectrumは、通常のGETオペレーションを使ってデータアクセスをしており、遷移のトリガーとなります。
  • API及びCLIのアクセス – ストレージクラス INTELLIGENT_TIERINGをS3 CLI及び、S3 APIから利用できます。

Amazonのパートナーの1つでクラウドデータ管理会社のRubrikは、オンプレミスからクラウドへデータを保護・管理する単一ソリューションを顧客に提供する。Rubrikは新しいAmazon S3 Intelligent-Tiering Storageをサポートすることで、顧客にクラウドアーカイブストレージコストをさらに最適化する追加オプションを提供する。Rubrik共同創業者でCTOのArvind Nithrakashyap氏は次のように述べている

Rubrikの顧客の多くは、S3を活用することで、データのアーカイブと災害復旧のニーズをサポートしています。しかしながら、アプリケーションデータをクラウドストレージ層にマッピングして管理するのは課題です。新しいS3 Intelligent-TieringストレージクラスとRubrikの統合は大きなステップであり、Rubrikのデータコントロールプレーンを介してシームレスに管理・アクセスしながら、企業が使用と経済により適切なストレージクラスを活用できるようになります。

Amazon自身もS3 Intelligent-Tieringから恩恵を受けることができる。イリノイ州エバンストンを拠点とするソリューションプロバイダーで、AWSチャネルパートナーであるReadyNetworksの創業者CEOのSam Barhoumeh氏は、CRNの記事で次のように語っている。

これにより、Amazonは価値のあるストレージを、それを必要としているデータのために解放します。そして、お金をかけたくない人は、プレミアムストレージの構築に要する費用を節約できます。

新しいストレージ階層は全てのAWSリージョンおよびAWS GovCloud (US)で利用できる。また、S3 Intelligent-Tieringストレージクラスの詳細については、Amazon S3ストレージクラスのページを参照して欲しい。

 
 

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