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Appianの調査から見えた、IT開発業務の”最悪な部分”

原文(投稿日:2019/05/23)へのリンク

クラウドコンピューティング企業のAppianは先頃、IT開発者の仕事に対する満足度を評価するための調査を実施し、その結果を発表した。調査によると、IT業務の最も悪い面は、アプリケーションの問題に対するトラブルシューティングに費やす時間、時間的制約と期限によるプレッシャー、反復的なコーディング作業に費やす時間の3つだ。

Appianの調査からは、IT開発者の求人が増えているアプリケーション分野である、新興技術とレガシシステムとの統合を目的とするアプリケーションに関しても、その概要が見て取れる。この分野での取り組みは、顧客のエクスペリエンスとエンゲージメントの向上、内部プロセスの最適化、技術革新の実現などを目的とするものが多い。

Appian自身がローコード(low-code)開発ソリューションのプロバイダということもあって、回答者の80%が、ローコードによって繰り返し作業を自動化し、作業時間をより高次のプロジェクトに振り当てることで、作業の満足度を向上することができる、と答えている。それを達成する上でローコードが有効である理由を知るべく、InfoQは、同社プロダクト担当副社長であるMalcolm Rossに話を聞くことにした。

御社の調査によると、調査対象となったIT開発者の大部分が、ローコードプラットフォームは彼らの仕事に良い影響を与えることができる、と考えています。ローコードのメリットと、IT開発者がそれをどのように利用すればよいか、簡単に説明してください。

Appianの先日の調査によると、IT開発者の80%近くが、ローコードによって仕事の満足度の重要な面を改善できる、と言っています。それには正当な理由があります。今日の競争の激しいビジネス環境において必要とされるアプリケーションの開発には、広範なコーディングの知識と労力を必要とします。組織が管理できる以上の時間とリソースを必要とする場合も少なくないのです。開発の世界において、ローコードプラットフォームが非常に重要になっているのはそのためです。ローコードは立ちはだかる障壁を取り除くために不可欠なのです。

ローコードは、大規模なコーディングの必要性を低減し、視覚的なドラッグアンドドロップツールに置き換えることで、開発プロセスを簡素化し、ITと直面するビジネスニーズとの対応関係を強くします。従来のようなコード集約型のプロセスを取り除くことで、開発者は、より革新的で前向きなプロジェクトに集中することができます。事実、Appianの調査では、80%近い開発者が、ローレベルコードを採用することによって、より高いレベルのプロジェクトで作業する時間を確保できると考えているのです。また80%が、コーディングフォームやビジネスルールなど、反復的な開発作業の自動化にローコードが役立つと認めています。これが最終的には、より速い開発、より強力でインテリジェントなアプリケーション、より低いコストにつながるのです。

ローコードプラットフォームが実現するものは、高い評価を得ているようですが、大規模な組織においては、ローコードは拡張性がないと考える人や、ローコードプラットフォームのメリットには実現性がないとする人もいます。こういった主張には、どのように反論しますか?彼らの指摘への反証となる、重要なユースケースはあるのでしょうか?

ローコードについての、多くの人の考えとは違うも知れませんが、企業レベルのローコードは、大規模なIT組織が、広範なイノベーションを促進しつつ、拡大し、複雑化するビジネスニーズを完全に満たすことを可能にします。すべてのプラットフォームに当てはまるわけではありませんが、今日の大手エンタープライズクラスのローコードプラットフォームは、複雑なプロセスや巨大なデータセットを、高度なセキュリティと拡張性、信頼性を持って管理することができます。事実、昨今のデジタル市場において見られるような、新しいアプリケーションやソフトウェアやサービスに対するアクセスの急速な拡大は、ローコードが業界にもたらした拡張性の証明であり、その影響によるものです。

低コストで迅速、かつ容易な開発を可能にするエンタープライズローコードのおかげで、セキュリティや品質、信頼性を犠牲にすることなく、いかなる規模のプロジェクトやプログラムやビジネスにも、アプリケーションを拡張することができます。

ITの世界では最近、DevOpsとコンテナ化による革命が起こりましたが、この2つの傾向は、今後どのように共存していくと思いますか?2つの間には、何らかの相乗効果やレバレッジがあるのでしょうか?

コンテナ化はアプリケーションをデプロイする現代的な手法であり、ローコードはアプリケーションを開発する現代的な手法です。この2つは完全に共存します。実際にAppianでは、Dockerコンテナでのプラットフォームの実行を容易にすることで、Appianサーバの拡張性を向上し、より高い負荷に対応できるようにしています。ローコードをコンテナと組み合わせることで、このメリットが拡大され、合理的で費用対効果の高い開発プロセスが実現します。これが最終的に、ビジネスニーズの高まりを満足する、より強力なアプリケーションになるのです。ローコードは、DevOpsの開発アプローチを促進する上で有効なテクノロジです。”ビルディングブロック”が用意されれば、短期間のアプリケーション開発が可能になると同時に、カスタムコーディングされたアプリケーションよりもはるかに簡単に、すべてのプラットフォームに対して同時に、変更を加えることが可能になります。

IDGが実施した、Appianの”Impact of Low-code on IT Satisfaction”調査は、Appianのサイトからダウンロードすることができる。

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