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効率性と効果性 - アジャイルは争いであってはならない

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原文(投稿日:2019/09/14)へのリンク

自分の提唱する"アジャイル"が、組織やマネージャの望む"アジャイル"とはまったく違う、と感じたことはないだろうか?もしそうなら、立ち止まって再評価をする必要がある — Agile Business Day 2019で行った講演の中で、Tony O'Halloran氏はこう主張した。基本的な目標にミスマッチがあると、チェンジエージェント(change agent)たちの間にストレスと不安が生じ、あなたはプロフェッショナルとして、孤立した立場にひとり置かれることになる。チェンジエージェントは、彼らが協力する人々と共に、自分たちが目標とする"アジャイル"に対するビジョンを共有し、有効性(effectiveness)と効率性(efficiency)の優先順位を明確にする必要がある、とO'Halloran氏は提唱する。

効率性と有効性は大きく異なる2つの要素であって、作り上げようとする環境を語る上で、この2つを同列に語ることはできない、とO'Halloran氏は言う。

速さのみに目を向けるのであれば、効率性が優先されますが、イノベーションや創造性を重視し、正しいことを確実に行おうとするならば、効率を犠牲にしてでも有効性に目を向ける必要があります。

どちらも重要であるが、場合によってはいずれかを犠牲にする道を選ぶべきだ、と氏は示唆する。"私としては、有効性が効率よりもはるかに重要です"、と氏は言う。"間違った道を盲目的に疾走するよりも、正しい道をジョギングしたいのです。" 自分が優先したいものに行動が則していなければ、将来的にはさらなる不一致に直面することになる、と氏は言う。

チェンジエージェントは、自身が変革に敵対している、あるいは、変化を促すことで組織に軋轢を起こしている、と感じることが少なくない。"人々が進もうとしている場所に到達するのを支援することよりも、方向性について人々と議論したり、説得したりするために多くの時間を割いている、と感じるというのは、あまり気分のよいものではありません。"

チェンジエージェントがこのように感じるならば、立ち止まって再評価する必要がある、とO'Halloran.氏は言う。自分たちが人々の活動をサポートしているのか、それとも望まない場所に引っ張っているのかを、自らに教えるべきである、という提案だ。

軋轢を感じるということは、通常、何かが間違っているということの兆候なのだ、と氏は言う。

それは主として、Ester Derbyの前向きな生産的変化のための7つのルールのひとつである、"一致のための努力"が守られていないためです。自分が行くところと、他の人たちの行きたいところの間で、何かがずれています。

O'Halloran氏によれば、方向性の共有は、単に"チームの問題"ではない。氏がチェンジエージェントに対して提案するのは、一緒に活動する人々と、活動の目標としたい"アジャイル"に対する共通ビジョンの構築である。"考えが同じでないのであれば、それも構いません — その両方を学んで、両方の情報に基づいて次の決断をすればよいのです"、と氏は言う。"連携してさえいれば、活動の可能な共通基盤を持つことができます。"

Agile Business Day 2019での講演を終えたTony O'Halloran氏に話を聞いた。

InfoQ: アジャイルコーチが"変化を押し付けている"と感じることがあるのはなぜでしょう?

Tony O'Halloran: アジャイルコーチやスクラムマスタだけだとは思いません — チェンジ・エージェントであると考えられる人すべてに当てはまることなのですが、それは、よりよい働き方や組織のあり方を求めて、何かをしようという意志をもっている、ということの現れなのです!

このような軋轢の感覚を生み出す一般的な原因は、アジャイルが何らかを得られる手段だと見た経営陣が、それを"バイイン"して、短期間で実施しようとすることにあります。そのために彼らは、外部の支援を得ようとします。スクラムマスタを雇って、いくつかのチームをキックオフするのです。それによって、いくらかの成果が現れます。そうすると彼らは、"業務完了!"と成功宣言をするのです。それ以降は"速度による管理"が行われます — すなわち、スループットや速度が、成功の唯一の尺度とみなされるようになります。

しかし、私たちが皆で議論し、本を読み、カンファレンスに行く"アジャイル"には、もっと多くの意味があるのです!組織の内外において、学習、フィードバックループ、真のコラボレーションを促進したい、と私たちは考えています。この目標の不一致が、アジャイルチェンジエージェントに見られるストレスと不安の原因なのです。

InfoQ: アジャイルフルーエンシ(fluency)モデルとは何ですか、さまざまなタイプのアジャイルをどのように反映しているのでしょうか?

O'Halloran: アジャイルフルーエンシモデルは、チームが学習を通じて実行可能なさまざまな手順について説明するために、Diana LarsenとJames Shoreによって考案されたものです。最初にチームが専任として結成され、フレームワークの運用を開始します。その後、フィードバックループの短縮へと進み、そのフィードバックループを使って市場の求めるものを提供可能にして、組織デザインや代替ガバナンス構造といった最先端領域へと進展していくのですが、実際には、大部分のチームが道半ばで止まってしまうのです。

注目すべきなのは、これら中間ステップがいずれも"間違い"ではない、そこで価値を高めることは可能だ、という点です。

さらに重要なのが、それらすべてが"アジャイル"と呼ばれているにも関わらず、すべてがまったく違うことを意味している、という点です。

先ほどの例の会社では、そのモデルの"フォーカス(Focusing)"ステップにチームを導くことに照準を合わせていました。私たちすべてが書物で読み、議論で話題とする"アジャイル"は、そのモデルでは"アジャイルの約束(Agile's Promise)"と呼ばれるもの — 最適化ステップ以降のことです。アジャイルを行うこと(フォーカス)と、アジャイルであること(最適化およびそれ以降)には、実は明確な区別があるのです。

これが組織モデルではないことは間違いありませんが、"チームをどこに向かわせたいか"という議論をサポートする、というレベルでは価値があると思います。成功するために、ある特定のレベルに向かって努力する必要がある、ということが分かっているならば、それをサポートする方法は自明ですし、そのための障害があるかどうかも分かります。これらのレベルのいずれかに切り替えることが、組織的な意味を持つことは間違いありません — それらはすべて、何らかの形での資金調達、バイイン、あるいは構造的変更を必要とします。

InfoQ: 組織が持ちたいと願っているアジャイルフルーエンシのさまざまなレベルを組織に実現することで、組織にはどのような効果がもたらされるのでしょうか、また、それに関与するアジャイルコーチには、どのような影響があるのでしょうか?

O'Halloran: これまで説明したような目的のミスマッチが引き起こす軋轢は、結果として非常に有害なものになる可能性があります。無理強いしたり、議論したり、説得したりすることで、結果として孤立感を感じるようになります。おそらくはあなたの影響力が低くなり、"周りの状況に不満ばかり言っている人"と見なされることになるのです。孤独です。このような気持ちは、アプローチを変えたり職を変えるきっかけになるに違いなく、積極的なアジャイル変革を進めたい人にとって受け入れられる規範ではありません。

私はこれを、自分自身で経験しました。数年前にある会社(名前は言いません!)でコーチとして働いていた頃、チーム全員がいくつかのフレームワークなどを使用して、コラボレーションも非常にうまくいって、多くの成果を上げたのですが、指示されたものを、言われたとおりに開発するだけだったのです!もっと顧客に近付きたい、継続的デリバリと実験を行いたいと思い、そこに到達するために必要なスキルやテクノロジや能力向上への投資をビジネスがサポートしてくれるよう、強くプッシュしたのですが、結果的にすべての抵抗と提案が失敗に終わりました。アジャイルの意味やチームが到達したい目標について、考え方が一致していなかったのです。

InfoQ: プッシュせずに変革を支援するには、何をすればよいのでしょうか?

O'Halloran: ムーブメントの構築です。人々が参加したくなるような、魅力的な変革を作り上げるのです!ボトムアップやトップダウン、あるいはミドルアウトではなく、これらのすべてを用いて、どこへ到達しようとしているのかを明確にしてください。プッシュして勧めるのではなく、サポートして支援するのです。

さらに重要な点は、私たちがどこかにいるだけで変革の力になれる、ということです。エネルギを何時間も費やすために選択した場所が、ハムスターがホイールを速く回すだけの場所ではなく、人々が素晴らしく効率的な存在になれる場所であることを確認してください。

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