ChromiumベースのWebブラウザのBraveが先日、1.0リリースを発表した。Braveはパフォーマンスとセキュリティだけでなく、広告のブロックやWebトラックに対するプライバシの向上を目指していて、プライバシを尊重する広告にユーザがオプトインした場合の広告利益をWebサイト公開者と共有することで、ユーザに報酬を提供する。
Web開発者の面からは、Chromeやその他のChromiumベースのブラウザと同じようにサポートすることが可能である。Brave 1.0ではChromiumバージョン78が使用されている。ただしWebサイトの開発においては、注意すべき差異がいくつかある。おもにBraveのセキュリティと、セキュリティのためのプライバシ機能に関わるものだ。基本的には、Webサイト間のトラッキングを使用しないサイトでない限り、Braveでも問題なく動作するはずである。
Braveはクロスサイトトラック、侵略的広告(invasive ads)、フィンガープリンティング(クッキーを使わないクロスサイトトラッキング)、トラッキングクッキーをデフォルトでブロックする。さらに、Google Safe Browsingや他のプライバシ保護機構によって、既知のマルウェアやフィッシングをブロックする。これらのブロックにより、同じテスト環境においては、一般的にFirefoxやChromeよりも高速なページロード、少ないメモリ使用量、少ないデータ量、低い電力使用量を実現している。
また、HTTPSが使用可能な状況ではすべての接続を自動的にアップグレードして、セキュリティとプライバシを向上する。
一般的なブラウザにおけるプライベートブラウジングとは、ブラウズの履歴やセッションを分離するという意味だが、BraveではTorを使用したセキュアブラウジングをサポートしている。Tor匿名ネットワークにトラフィックを転送することで、参照したサイトからの履歴を隠蔽することができる。iOS上では、プライベートブラウジングオンリーオプションを提供しており、Face IDやTouch IDを使ったロックによるスヌーピングの防止が可能になっている。
エンドユーザ向けには、Basic Attension Tokenを提供するBrave Rewardsにより、Braveが非侵略的であるとみなした広告を見たユーザに報奨する仕組みがある。サイトユーザにも、Braveの広告エコシステムに参加することで報奨が提供される。
BraveはmacOS、Windows、Linux、iOS、Androdで使用することができる。Chromiumベースの他プラットフォームの実装とは違い、iOS上では他のすべてのWebブラウザと同じく、iOS上の組み込みSafariエンジンを拡張している。Brave Webブラウザはオープンソースソフトウェアで、Mozilla Public License 2.0下で使用することができる。コントリビューションはBrave GitHubリポジトリで、Braveコントリビューションガイドラインに沿って受け入れられている。