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リーンによってITチームの業務にプライドを取り戻す

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原文(投稿日:2019/11/28)へのリンク

より強いチームワーク、日々の業務に対するより明確なビジョン、業務に集中することのできるチーム、優れた業務を行うことに対する高い意識 — ActaのITチームがリーンの導入によって得たメリットとして、Mélanie Noyel氏はこのようなことを挙げた。氏はLean Digital Summt 2019で、リーンによるITチームの日常業務の改善について講演した。

同社のITチームは、開発を担当する2人と、システムおよびネットワークを担当する3人で構成されている。その日常業務はプロジェクト、カスタマサポート、18のビジネスアプリケーションの開発とメンテナンス、種々のITトレーニングに分類される。

2018年初めの状況は悲観的なものだった、とNoyel氏は言う。

サポート業務に忙殺されていて、カスタマの満足度は低く、プロジェクトは長引き、トップマネジメントからは組織の変更を求められていました。このような状況にあって、どうすれば抜け出せるのか分からなかったのです。

Actaでは既にリーンの経験があったので、ITチームではLean IT Academyとして、社内で月1回会合(rendez-vous)を開き、ITプロダクトの開発と管理にリーン思想を適用する方法を学ぶことにした。"通常と違うのは、思想よりも現場(Genba)を重視したことです"、と氏は説明する。

それまでの私たちは、次から次へと発生する問題に日々対処し続けるだけで、本当の意味での広いビジョンに欠けていました。現在は、ユーザの意見に注目した目標を定義し、それを視覚化することで、チーム全体が目標を把握し、同じ方向に向かっています。

チームメンバは自らの成果に誇りを持ち、成功から自信を持つことができている、とNoyel氏は言う。

最初のPDCAで、各チームメンバは、自分たちが大きな問題にも取り組んで解決することができる、ということを理解しました。それからは、満足したユーザから肯定的なフィードバックを受けるようになったのです。他のサービスでも同じことを実現したいと思っています。現在は定期的に成果を発表するようにしています。今回のLean Digitak Summitもその一環で、チームのプライドに対する大きな報奨になっています。

Lean Digital Summut 2019での講演を終えたIT責任者のMélanie Noyel氏に話を聞いた。

InfoQ: リーンを始めようと思ったきっかけは何ですか?

Mélanie Noyel: チャンスだと思ったからです!当社では、リーンの考え方は以前から知られていました。実際にActaは、"Lean Institute France"の後援で、リーンエンジニアリングやリーンマニュファクチュアリングの指導を受けています。ITもその一部として改善すべき状況であったので、新たなコーチングの形式としてLean IT Academyの検討を始めていました。行動を始めてアイデアを得るには、ちょうどよい機会だと思ったのです。

InfoQ: リーン転換をどのように進めたのか、それによって何が変わったのか、例を紹介して頂けますか?

Noyel: 最初にあげられるのは、システムの安定性です。それを評価する基準のひとつが、週内でサポートに要した時間の長さです。1年で半減するというのが、私たちの目標でした。毎日の作業を終える前に、15分毎に1個の箱を塗り潰すことで、サポート時間を視覚化しました。翌日朝のスタートアップミーティングで、それについて議論するようにしたのです。何が時間を浪費させているかを理解して、PDCAサイクルを起動し、根本原因の発見と解決を行うことが目標です。サポート時間を半減するという目標はすでに達成しましたが、継続的に削減するという、もっと難しい問題があります。

スタンドアップミーティングの実施も、大きな変化としてあげられます。日々の業務をオーガナイズして物事を決定するために、毎朝情報交換を行う場として、この時間を利用しています。プライオリティを共有する手段になっています。

何よりも、私自身の考え方が変わりました!誰が何をするのかを決める必要がなくなり、大きな目標に全員が向かっているという確信が持てるようになったのです。障害時の対処も、以前よりずっと簡単になりました。

InfoQ: ActaモバイルITチームがリーンに転換したことで、日々の作業にはどのような影響がありましたか?

Noyel: 以前とはまったく違うものになったと思います!今は社内の他の部署が、私たちを目標にし始めています。私たちの印象が変わったからに他なりません。他のチームが私たちのことを、ソリューションプロバイダとして、より組織化された、魅力的なチームだと思うようになったのです。効率的で、仕事に誇りを持った、団結力のあるチームというイメージも与えています。私たちが楽しく仕事しているのを、羨ましく思っているのです!

InfoQ: どのようなメリットがありましたか?

Noyel: ITシステムの信頼性が向上し、アプリケーションはより速く、直感的なものになりました。2つのタイプのユーザにも満足してもらっています。社内ユーザ(他チームやワークショップのオペレータ)には、彼らのプロフェッショナルとしての仕事を支える上で信頼を得ていますし、社外ユーザ(当社の製品を購入した人たち)には、ITに関わる問題で影響を与えることがなくなりました。ですが、最も大きなメリットは、チームのメンバにとってのものです!より親密になり、以前よりも大きな課題に取り組めるようになりました。

InfoQ: 今回の経験から、どのようなことを学びましたか?

Noyel: とにかく始める、ということです!よいか悪いか分からないことでも、まずは試してみましょう。試して何が変わるか観察し、採用して、もう一度試すのです。

例えば私たちは、日毎に違う人をサポートするテストをしました。スキルや可用性、その日の作業計画など、たくさんの問題が起きたのですが、そこから学んだこともたくさんありました。マネジメントも改善やスキルの展開、サポートにアサインされた人の可視化など、そこから得た改善点も数多くあったのです。

このようなダイナミックな改善を続けて、成功を祝し、失敗を犯すことを恐れないでください。リーン思想を本当に会得できるのは試した人だけだ、と私は思っています。

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