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アジャイル企業と従業員エンゲージメント

原文(投稿日:2020/02/14)へのリンク

Business Agility Instituteは、企業従業員のエンゲージメント(engagement)調査を要約した白書を公開した。白書では、従業員エンゲージメントレベルの高さが、優秀な人材の獲得や定着率から、イノベーション、利益率、生産性の向上に至るまで、変化の激しいマーケットにおける成功と直接的な相関関係にある、と結論付けている。さらに白書では、アジャイル成熟度の高い企業が、Glassdoor(訳注:匿名による企業評価を行うソーシャルサイト)でのレートにおいて25パーセント高い(4.1対3.3)ことも示されている。

Business Agility Instituteの創業者でCEOのEvan Leybourn氏は、今回の調査について次のように述べている。

成熟したアジャイル組織は、他の組織よりも従業員エンゲージメントが高いのでしょうか?当然のようにも思えますが、これまで、いかなる面においても、この仮説を実証するデータが示されたことはありませんでした。そのようなことから、この一見当然のような疑問に対して、単に答えるだけではなく、従業員エンゲージメントの意味までも問うような、徹底的な調査プログラムに着手したのです。Business Agility Instituteは今回、世界中から参集した7人の研究者によるチームを編成し、従業員エンゲージメントが重要な理由、定着率や仕事に対する満足度、個人的な所有意識やプライドを、現在および将来の従業員に対して高める方法について、6ヶ月にわたって徹底的に調査しました。

報告書では、従業員エンゲージメントの高さによるメリットを示すものとして、Gallopの調査結果を引用している。

  • 生産性の17パーセント向上
  • 収益性の21パーセント向上
  • 顧客満足度の(customer metrics)10パーセント向上
  • 欠勤率の41パーセント低減
  • 離職率の高い企業では、離職率の24パーセント低減
  • 離職率の低い企業では、離職率の59パーセント低減
  • 社内盗難の28パーセント低減
  • 従業員事故の70パーセント低減
  • 品質事故(不良)の40パーセント低減

白書では、従業員エンゲージメント向上のためにリーダが実行可能なことに関するアドバイスや、エンゲージメントを促進する上で実行可能なプログラムなども提供されている。報告書全体には、こちらでアクセスすることができる。

Riseによる同様な調査"25 Fascinating Statistics About Employee Engagement"では、次のようなポイントが取り上げられている。

  1. 企業の36パーセントはエンゲージメントを最大の課題と捉えている(Globoforce)
  2. 企業の78パーセントは従業員のエンゲージメント戦略を、50パーセント近くが成功度の測定方法を文書化している(Maritz Motivation)
  3. 従業員エンゲージメントの高い企業のパフォーマンスは、低い企業を202パーセント上回っている(Business2Community)
  4. 仕事や新たな機会を求めるエンゲージメントの高い従業員が37パーセントであるのに対して、エンゲージメントを持たない従業員のそれは56パーセントであり、仕事に否定的な従業員では73パーセントに達している(Gallup)
  5. 仕事に熱意を持たない従業員は、企業において年4,500~5,500億ドルのコストとなっている(The Engagement Institute)

Forbesが要約した"10 Shoking Workplace Stats You Need To Know"という記事は、マネージャの従業員に対する理解のなさと、それが多くの場合において従業員の反発を招いているという点が中心となっている。リストの10番目は次のようなものだ。

従業員が優れた仕事を行うよう動機付ける上で、マネージャにできる最大のものは何か — 従業員のことばに従うならば、それは彼らを認めることです。人々に最高の仕事を行うようにインスパイアする手段として、他の何ものも — 給与の高さ、昇進、自律性、トレーニングさえも — それには及ばない、ということが、世界規模の研究で証明されているのです。

IBMの白書では、従業員エクスペリエンスの評価方法と組織の成果に与える影響について注目している。

私たちは今、認知の時代(cognitive era)に入ろうとしています。仕事をするものにとって、仕事がより価値のあるエクスペリエンスになり得る時代です。

その時代におけるIBMの指針は、次のようなものです。

  • 帰属意識 — 自分がチーム、グループ、組織の一部であるという感覚
  • 目的意識 — 仕事をする理由の理解
  • 達成感 — 仕事が完成した、成し遂げたという意識
  • 幸福感 — 仕事の内外で感じる喜び
  • 活力 — 仕事におけるエネルギ、熱意、興奮の存在

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