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GitLab 2020 Remote Work Reportに見るリモートワーク導入の理由

原文(投稿日:2020/03/10)へのリンク

GitLabは先頃、"2020 Remote Work Report"をリリースした。リモートワーカと雇用側の両方の視点から、リモートワークの全容が詳細に報告されている。3,000人を越える、さまざまな業界のさまざまな立場からの回答に基づいたこのレポートは、将来のリモートワークがどのようなものになるのか、その未来像を垣間見るためのものでもある。

GitLabの調査では、リモートワークに対するさまざまなアプローチについて述べられている。大部分のケースにおいて、リモートワークは、オフィスワーク(co-located work、共同作業)とのさまざまな程度での併用を前提とした、追加的な選択肢として扱われている。その一方で、回答者の25パーセントは、オフィスを持たない完全リモートの企業で、自身のタイムゾーンに従って勤務している。逆に12パーセントのケースでは、完全リモートの企業に勤務しているものの、共通の作業スケジュールに従っている。

GitLabの調査で最も興味深い結果のひとつは、リモートワークの方が生産性と効率性に優れていると考える従業員の数の多さだ。特にスケジュールの柔軟性、通勤が不要であること、不安や職場の力関係の煩わしさが少ないこと、などが評価されている。意外なのは、リモートワークのためにオフィスワークの仕事を辞めると答えた回答者が62パーセントであり、リモートワークが選択できなくなった場合にはリモートワークを止めると答えた回答者が32パーセントであることだ。

回答者の52パーセントの意見によると、リモート企業はプロセスや価値、企業の方向性に対する共同貢献を促進する上でも優れている。コミュニケーションに関しては、回答者の50パーセントが、ミーティングによるコミュニケーションよりも共有ドキュメントの使用を選択している。

GitLab 2020 Remote Work Reportには、ここでは紹介できないほど多くの情報が含まれている。InfoQでは調査の詳細を知るべく、GitLabのリモート責任者であるDarren Murph氏に話を聞いた。

InfoQ: このレポートでは、リモートワークの将来的な成長に対する楽観的な見方が示されていますが、リモートワークの問題点について、詳しく説明して頂けますか?

Murph: リモートワークには欠点もあります。ですが、リモートワークの社会を変えるようなインパクトは、その不便さや障害をはるかに越えるものだと、GitLabでは考えています。特に、通勤による個人的および環境的な無駄と比較した場合、それが最も顕著です。

社員間のつながりを維持する方法の確立について、企業が十分な検討をしなければ、リモートワークの設定がコミュニケーションスキルの崩壊を引き起こす可能性があります。言い換えれば、従業員が最大の成果を得るためのリモートインフラストラクチャと文化を構築する責任は、おもに雇用側にある、ということです。リモートワークの欠点の大部分は、この面における企業の不備や不足に根ざしています。

生活や睡眠の場で仕事をすることを難しいと感じる人もいます。それは、仕事をする場所の存在が、普段の生活から仕事へとコンテキストを切り替える手段のひとつになっているからです。このためにGitLabでは、コワーキングや外部オフィスの費用を弁済する予定です。

タイムゾーンの違うチームメンバは、ミーティング時間に妥協を強いられるかも知れません。また、家にいるということが、仕事をしなくてよいという意味ではないということを、家族に説明するという難しさもあります。

問題点に関する詳細なリストが、GitLabハンドブックに紹介されています。

InfoQ: 企業全般において現在、リモートワークの普及を妨げている原因は何でしょう?それを変えることは可能なのでしょうか?

Murph: 習慣、リモートチーム管理に関する教育不足、信頼の欠如などです。実際の成果よりも着座時間を重視する、時代遅れの規範というものもあります。より多くの上級リーダが"目標の達成に場所は関係ない"ことを理解し始めると同時に、家族やコミュニティの重要性が増す時期に人生が差し掛かることで、リモートワークは定着し始めるでしょう。

さらに、危機が世界を覆い、不動産コストの上昇によって特定地域がビジネスに不適切になれば、起業者はリスク回避の手段としてリモートワークを認識するはずです。そうなれば、今度はオフィスワークを続ける企業が、不動産に資金を投資していくつかの地域に留まることに固執する理由を、投資家に対して正当化する必要に迫られるでしょう。

InfoQ: GitLabがプロダクトとして直接的に関わる分野であるDevOpsについてですが、GitLabとしては、DevOps中心の企業全体でリモートワークを可能にする方法として、どのようなものを考えているのでしょうか?

Murph: GitLabはリモートチームによってリモートチームのために開発されたプロダクトなので、非同期的な作業に適しています。このため、GitLabを採用する企業の多くが、同時に非同期ワークフローも採用しています。リモートチームとして成功する上で、これは重要なステップです。これによってチームは、より俊敏に行動し、より包括的にコミュニケーションし、より詳細かつ正確にアップデートを共有することができるのです。効率的なコミュニケーション方法であり、企業内の分裂やサイロ化を低減します。

リモートワークに興味があるならば、GitLab 2020 Remote Workの全レポート(PDF)は一見の価値がある。

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