NGINXは、NGINXデータプレーンを管理するためのコントロールプレーンソリューションであるNGINX Controller 3.0のリリースを発表した。3.0リリースでは、コントローラの完全な再設計により、コントローラが「アプリ中心のエクスペリエンス」に移行し、アプリケーションレベルでインフラストラクチャとインタラクションできるようになる。3.0リリースには、完全な設定API、ロールベースのセルフサービスポータル、組み込みの証明書マネージャーが含まれる。
NGINXコントローラは、NGINX Plusインスタンスのフリートを管理するための集中型オーケストレーションおよび分析プラットフォームを提供する。NGINX Plusは、統合されたロードバランサ、サーバ、コンテンツキャッシュである。Controllerの以前のリリースでは、NGINX Plusインスタンスの基盤となるフリートの管理はインフラストラクチャ中心の方法で行われてきた。これには、目的に関係なく各インスタンスに対して構成、監視、運用する必要があった。
このリリースでは、注力するポイントが、アプリケーションのコンポーネントを1つの単位として管理・運用できることに移行した。この改善は、NGINXとのマージ前に、すでにF5で開始されていた取り組みに基づいている。F5ネットワークでNGINXのSVP兼GMであるGus Robertson氏が次のようい述べている。
以前のControllerリリースを軽視しているように見えるかもしれませんが、実際には、インフラストラクチャ中心のアプローチは業界のすべてのソリューションに共通です。ほとんどのアプリサービスは、アプリの前に配置された「bumps on the wire」として設計されたハードウェアおよびソフトウェアプラットフォームをルーツとしています。
Roberston氏は続けて、現在のアプリケーション設計には、さまざまなテクノロジーソリューションを含むより多くの分散アーキテクチャを含んでいると述べている。さらに、アプリケーションの管理と運用には複数のチームが必要である。Controllerは、複数のチームにまたがるアプリケーションのサポートにおけるハンドオフと課題を減らすことを目的としている。
Controllerはクラウドにとらわれないソリューションであり、デプロイメントを効率化するためにいくつかのツールと統合します。例えば、AnsibleおよびDatadogとの統合がある。CI/CDツールの統合により、Controllerはカナリアリリースやblue/greenデプロイなどの一般的なデプロイパターンをサポートする。組み込みの証明書マネージャは、必要なセキュリティ証明書を管理するためのシングルポイントを提供することを目的としている。
アプリケーションのユーザーインターフェイスを使用すると、アプリケーションを構成するさまざまな統合やコンポーネントを設定できる。このインターフェイスは、アプリケーションの状態を監視し、問題のトラブルシューティングを行い、管理用の新しいポリシーを作成するための単一のペインも提供する。インターフェースはロールベースのアクセス制御により構成可能で、チームによる構成可能なワークフローが可能となる。
NGINXコントローラには、API Management Moduleが用意されている。ルートを定義し、本番環境やステージングなどの1つ以上の環境への公開を可能にするインターフェースを通してAPIの設定ができる。クライアント、コンシューマ、リソースごとに最大リクエストレートを指定することで、レート制限を設定できる。リアルタイム監視とアラートは、付属のダッシュボードと、付属のREST APIを介してサードパーティの監視ツールと統合することで提供される。
NGINX Controllerは、資格のある顧客向けのマネージド無料トライアルとして利用できる。各リリースで行われた変更の詳細については、Controllerのドキュメントを参照してください。