Microsoftは先頃、Microsoft Healthcare Botを発展させて、新たな機能を備えたAzureサービスとしたAzure Health Botを発表した。仮想的な医療アシスタントの開発を目的とするAzure Health Botには、自然言語機能を備えた医療データベースが組み込まれている。
Microsoft Healthcare BotからAzureプラットフォームに移行することで、Microsoftは、ユーザや企業がさらなるツーリングやセキュリティ、コンプライアンスに関するオプションを統合することを期待している。
新サービスがターゲットとするのは、臨床や手術に関わるユースケース用にbotをカスタマイズして、医療分野における新たな対話型ツールを構築したいと考える開発者たちだ。ヘルスケア機能を備えた仮想ヘルスアシスタントの構築、コンプライアンス要件に合致するプライバシおよびセキュリティ機能のサポート、EMRデータとの統合といったものを、Azure Health Botは備えている。
出典: https://azure.microsoft.com/en-us/blog/introducing-azure-health-bot-an-evolution-of-microsoft-healthcare-bot-with-new-functionality/
HSE Irelandで暫定CIOを務めるFran Thompson氏は、Azure Health Botでテンプレートを使うことのアドバンテージを強調する。
スクラッチから作り上げたいとは思いませんが、堅牢かつスケーラブルで、高度にセキュアなプラットフォームが必要なのです。Microsoftと共同で開発したヘルスボットは、稼働開始から数週間と経たずに30,000件の問い合わせを処理するスタートを切りました。
Azureサービスで利用可能なテンプレートとして、インフルエンザワクチン接種、トリアージとハンドオフ、メンタルヘルスのスクリーニングなどに加えて、特にCOVID-19に対応するものとしてワクチンの適格性やCOVID-19トリアージなどがすでに用意されている。ProvidenceのDigital Innovation Groupでチーフプロダクトオフィサの職にあるMaryam Gholami氏は、Mediumに寄稿した記事の中で、Providenceがインフルエンザシーズンのサポート技術をシナリオテンプレートとして提供した経緯について説明している。
これによってMicrosoft Azure Health Botのユーザは、インフルエンザシーズンサポートを自身のチャットボットに、短期間で導入できるようになります (...) これで私たちは、Microsoft Azure Health Bot Serviceのカタログギャラリでシナリオテンプレートを公開した最初の医療機関になりました。このシナリオは、他の医療機関も無償で使用することができます。
Microsoft Healthcare BotからAzure Health Botへのマイグレーションは、ダウンタイムなしで実施することができる。MicrosoftはAzure Health Botへの以降をユーザに推奨する一方で、既存のサービスについても最低あと1年間はサポートする予定である。
KPMGのAzure DevOpsエンジニアであるDanko Valkov氏は、新たなサービスを肯定的に受け止めている。
Covid 19テンプレートはその支援機能が有用である上に、看護師の状況も改善しようとしているのです!すばらしい!これからも頑張ってください!
Azure Health Botは現在、East USとWest Europeの2リージョンで提供される。HIPAA標準でプライバシ保護されており、シナリオを複数言語に翻訳可能なローカライゼーションツールが含まれる。毎秒10メッセージと200 MCU(Medical Content Consumption Unit)に制限された3,000メッセージの無償月次プランに加えて、月501米ドルから始まる従量制の標準プランが提供されている。MCUは、Microsoftがラインセンス供与するサードパーティの医療コンテンツを使用するための、追加コストの単位である。