Adoptium Working Groupは、初のEclipse Temurin Java SEバイナリをリリースした。Adoptiumは、6か月ごとにTemurinバイナリを提供し、3か月ごとにメンテナンス/セキュリティの更新を提供する。ロングタームサポート(LTS)リリースは少なくとも4年間サポートされる。
TemurinビルドはTCK認定を受けており、さまざまなアーキテクチャで利用でき、Linux、Windows、macOS、AIXオペレーティングシステムをサポートする。Dockerイメージは、Docker Hubから入手できる。Javaランタイム環境(JRE)は、Java 8および11でのみ使用可能だ。Jlinkを使ってカスタム最適化ランタイムを作成することが推奨されている。
以前はAdoptOpenJDKとして知られていた独立した組織は、2020年6月にEclipse Foundationに参加した後、その名前をEclipse Adoptiumに変更した。Adoptiumワーキンググループは9か月後に正式に設立された。現在のAdoptOpenJDK WebサイトとAPIは引き続き利用できる。ただし、新しいAdoptium WebサイトとAPIを使用することをお勧めする。新しいWebサイトとAPIは、スムーズな移行ができるように、AdoptOpenJDK APIとまったく同じになっている。
Adoptium Working Groupの創設組織には、Alibaba Cloud、Huawei、IBM、iJUG、Karakun AG、Microsoft、New Relic、Red Hatが所属している。各組織からの2人の代表者によってAdoptium運営委員会が構成される。
Adoptiumへの移行には、AdoptOpenJDKをAdoptiumトップレベルプロジェクトの下の複数のサブプロジェクトに分割することが含まれていた。
- Eclipse AQAvitは、AdoptOpenJDK品質保証(AQA)テストスイートを使った単体テストにフォーカスしている。
- 「runtime」のアナグラムであるEclipse Temurinは、エンタープライズレベル、クロスプラットフォーム、オープンソースライセンス、JavaSE用のTCKテスト済みの高品質のJDKバイナリの構築とリリースにフォーカスしている。
- Eclipse Temurin Complianceは、Oracle独自のJava互換性キット(またはJava SEの場合はTCK)とJavaアプリケーションを監視および管理するためのEclipse Mission Control、および実験用のEclipse Adoptium Incubatorによって提供される資材とリソースへのアクセスを管理する。
ランタイムは、Eclipse AQAvitテストスイートでテストされる。Eclipse FoundationにライセンスされているOracleのJava SE TCKによって認定され、Java仕様との互換性が判断される。TCK契約の一環として、AdoptiumはOpenJ9またはGraalVMベースのランタイムをリリースすることを許可されていない。IBMは現在、OpenJ9ランタイムを新しい名前Semeruで配布している。
今のところ、AdoptOpenJDK APIは、hotspotビルドあるいはopenj9ビルドをそれぞれ要求されたときに、TemurinビルドとSemeruビルドの両方を提供する。AdoptOpenJDKからアーカイブされたリリースはAdoptiumに移行されない。AQAvitとJCKでテストされたリリースのみがサポートされているためだ。