Google Cloud Next'21バーチャルイベント中に、GoogleはAnthos for Virtual Machines(VMs)のプレビューを発表した。さらに、同社は新しいAnthos Multi-Cloud APIを導入した。これは、第4四半期に一般提供される予定だ。
Anthosは、Google Kubernetes Engine (GKE)実行されるハイブリッドクラウド・ワークロード管理サービスである。VM向けサポートにより、顧客はKubernetesでの標準化ができる一方で、仮想マシンに簡単にコンテナ化できないような一部のワークロードを実行できる。また、Multi-Cloud APIは、顧客がAWSとAzureのクラウド環境でKubernetesクラスタを管理する助けとなる。顧客は、コマンドラインインターフェースまたはGoogle Cloud ConsoleからこのAPIを実行できる。
AnthosのVMサポートにより、顧客は次のいずれかを実行できる。
- vSphere VMを接続するか、VMをそのままシフトする - アクティブなVMware環境がある場合、AnthosコントロールプレーンはvSphere環境に接続し、vSphere VMを接続できるようになった。この接続により、クラスタ全体に一貫したセキュリティとポリシーを適用し、サービスの状態とパフォーマンスを可視化し、VMとコンテナの両方のトラフィックを管理できる。
- あるいは、Kubernetes向けのオープンソース仮想化APIのKubeVirtを使ってVMをそのままAnthosに移動する - 共通の共有Anthos環境上のアプリケーションコンテナとVMの両方に存在するアプリケーションを構築、変更、デプロイできるようになる。これは、オープンソースの仮想化を望む、ベアメタルでAnthosを実行している組織にとってよい選択肢だ。
Google Application Modernization Platformの副社長であるJeff ReedとChen Goldbergは、Googleのブログ投稿に次のように書いている。
多くの顧客がコンテナ化に移行しているのを見てきましたが、仮想マシン(VM)から完全に移行する準備が整っていない顧客もいます。彼らは、コンテナとVMの両方に存在するアプリケーションを、開発者が共通の共有環境で構築、変更、デプロイできる統合開発プラットフォームを望んでいます。
さらに、Constellation Research Inc.の主席アナリスト兼副社長であるHolger Mueller氏は、InfoQに次のように語っている。
GoogleはAnthosで素晴らしい成功を収めています。そして、市場に対して各競合他社のクラウドのサポートを推し進める方向をさらっと示しています。現在、Anthosの機能が広範囲に推進されています。企業がVMで運用する上で、最も重要なのはVM機能の追加です。GoogleがAnthosをVMの新たなホームにすることができれば、Google CloudがAmazon AWSとMicrosoft Azureとのギャップを埋める助けになるでしょう。
最後に、Anthosに関連して、同社はAnthos Config ManagementとAnthos Service Meshh for Google Kubernetes Engine(GKE)を、従量課金制のスタンドアロンサービスとして一般提供(GA)することも発表した。