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Docker Desktop 4.40がModel Runnerを導入、LLMをローカル実行しAI機能を拡張

原文リンク(2025-04-28)

2025年3月31日にリリースされたDocker Desktop 4.40は、AI開発ワークフロー拡張とエンタープライズ向けコンプライアンス機能の強化を目的とした一連の新機能を導入している。

注目すべき追加機能は、 現在Apple Silicon搭載のmacOS向けにベータ提供されているDocker Model Runnerだ。この機能により、開発者はDocker Desktop内のDocker HubからAIモデルを直接プル、実行、管理できるようになり、AIモデルをコンテナ化アプリケーションに統合するプロセスが効率化される。

従来、AIモデルをアプリケーションに統合するには、手動でのセットアップや環境設定が必要であり、モデルの実行やテストには外部のプラットフォームやツールを使用することが多かった。Model Runnerは開発者がコンテナを実行するのと同じように簡単にAIモデルをプルし、実行し管理できるようにすることでこれを変える-Docker Hubから直接的に、おなじみのDockerワークフローを使って。

この機能は、モデル開発とアプリケーションデプロイメントのギャップを埋めるという意味で重要だ。開発者は、クラウドベースの推論APIや重いローカルセットアップに依存することなく、制御された環境でモデルをテストすることができる。これはより多くの実験と日常の開発ワークフローへのAIの緊密な統合を促進し、特にモデルをローカルに組み込んだりファインチューニングしたりする必要があるAI強化アプリケーションの構築に役立つ。

Model Runnerは主要なモデルフォーマットに対応し、標準的な入力でモデルを実行できるため、推論タスクを実行するための汎用ツールとなっている。画像認識であれ、テキスト生成であれ、その他の予測機能であれ、開発者はモデルをツールチェーンの第一級市民として扱えるようになった。時間の経過とともにプロトタイピングからデプロイまで、DevOpsプラクティス全体でよりシームレスなAI統合が進むことが期待される。

今回のリリースの一環として、Docker AI AgentはModel Context Protocol(MCP)をサポートするようにアップグレードされ、クライアントとしてもサーバとしても機能するようになった。この統合によりAIエージェントは外部ツールやデータソースとシームレスに連携できるようになり、さまざまな開発シナリオでの利便性が向上している。開発者はAIエージェントを通じて、シェルコマンドの実行、ローカルファイルの管理、Git操作などのタスクを直接実行できるようになっている。

AI Agentの機能を補完する形で、Docker Desktopの新しいAI Tool Catalog拡張機能は、さまざまなMCPサーバーを検出し接続するための集中管理プラットフォームを提供する。この拡張機能は追加のAIツールやモデルをDockerエコシステムに統合するプロセスを簡素化し、よりモジュール化されたカスタマイズ可能な開発環境を促進する。

エンタープライズユーザ向けにDocker Desktop 4.40ではSettings Reporting、割り当てられた設定ポリシーにユーザーが準拠しているかを管理者が包括的に把握できる機能が追加された。この機能強化はバージョン4.36で導入されたDesktop Settings Management機能を基盤としており、開発チーム全体にコンプライアンスとセキュリティ標準を強制するための強化版ツールを組織に提供する。

全体的にDocker Desktop 4.40はAI開発ツールのDockerエコシステムへの統合をさらに推進するとともに、エンタープライズユーザのコンプライアンスニーズにも対応している。

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