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QCon London 2025:エンタープライズにおけるハイブリッドクラウドネイティブネットワーキング – アセンブリが必要

原文リンク(2025-04-17)

QCon London 2025の実用的で洞察に満ちたセッションで、Solo.io―クラウドネイティブネットワーキングに深く関与している企業―のCTOであり、影響力のあるIstio service meshの共同開発者 Louis Ryan氏が、ハイブリッドクラウド環境における堅牢なネットワーキング構築の複雑な現実について、実践的かつ洞察に満ちたセッションを行った。「マルチクラウドとハイブリッドクラウドアーキテクチャ」という非常に関連性の高いトラックの一部であり、Ryan氏の講演「エンタープライズにおけるハイブリッドクラウドネイティブネットワーキング – アセンブリが必要」にはアーキテクトやプラットフォームエンジニアが集まった。

Ryan氏はその困難さについて率直に語った。「一般的な企業において "有用な"ネットワークを提供することは常に難題であったが、その難しさは増すばかりです。」と彼は述べ、コンテナ化の成長痛、レジリエンスとコンプライアンスのためのマルチクラウドへの戦略的な推進、さらにはワークロードをオンプレミスに戻す必要性が時折生じることを強調しました。

Ryan氏は、シームレスな接続性という単純化されたビジョンを提示するのではなく、多くの企業が直面している混沌とした現実:レガシーシステムの寄せ集め、異なるクラウドプロバイダー、急速に普及するクラウドネイティブ技術、を基盤としたプレゼンテーションを行った。彼の核心的なメッセージは、明確な行動を促す呼びかけだった:ネットワーキングはもはや後回しにできない。アーキテクトやプラットフォームチームは、アプリケーションと同様に意図的な設計原則をもってネットワークにも取り組まなければならない。

このセッションで強調されたのは、機能的なハイブリッドネットワークを構築するには、単に適切なツールを選べばいいというわけではないということだ。オンプレミスのデータセンター、パブリッククラウド、エッジ環境にまたがる、信頼性が高く、観測可能でセキュアな通信経路を確立するために、思慮深く意図的にコンポーネントをアセンブリする必要がある。サービスメッシュ、ゼロトラストセキュリティモデル、モダンプロキシなどの技術の力を認めつつもRyan氏は、重要な成功要因は特定の組織の要件に対応するために、チームがこれらのコンポーネントをどれだけ効果的に統合するかにかかっていると強調した。

豊富な経験をもとにRyan氏は、中央プロキシが全てのインバウンドおよび内部トラフィックを処理する一般的な「ヘアピン」パターンを説明した。このパターンはある程度の集中制御と可視性を提供する一方で、パフォーマンスのボトルネックや単一障害点を引き起こす可能性がある。

最後にRyan氏は、ハイブリッドクラウドネイティブネットワーキングの複雑さを克服するための重要なポイントを挙げてセッションを締めくくった:

  • 複雑さが標準:エンタープライズにおけるハイブリッドおよびマルチクラウドネットワーキングは本質的に複雑であり、この現実から逃れるための簡単なパッケージ化されたソリューションはない。

  • 意図的なアセンブリがキー:一貫性があり効果的なネットワーキング戦略を構築するためには、チームは単に個々のツールを採用するだけでなく、それらをどのように意図的にアセンブリし、統合するかにフォーカスしなければならない。

  • ネットワーキングをファーストクラスの懸念事項に:ネットワーキングはアーキテクチャ設計プロセスの初期段階から常に考慮されるべきであり、二次的な懸念事項として扱ってはならない。

  • 信頼性、オブザーバビリティ、セキュリティにフォーカスする:優先目標はすべての環境にわたり深い可観測性を持ち、強力なセキュリティポリシーを一貫して適用できる、信頼性の高いネットワーク経路を設計することである。

  • 既存のツールを批判的に評価する:エンタープライズは現在のネットワーキングツールを批判的に評価し、より広範なハイブリッド戦略の中でどのように効果的に構成できるかを理解しなければならない。

Louis Ryan氏のキー・メッセージはQCon Londonの聴衆に強く響いた:ハイブリッドな世界におけるエンタープライズネットワーキングの未来は、神話的な「銀の弾丸」を発見することではなく、組織固有のニーズと制約に合わせて適切なコンポーネントを意図的かつ戦略的にアセンブリすることである。

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