.NET AI Chat Web Appテンプレートの第2プレビューがリリースされ、いくつかの機能強化が導入された。今回のアップデートでは.NET AspireのサポートとQdrantベクトルデータベースとの統合が含まれており、このテンプレートを用いてクラウドネイティブアプリケーションを作成できるようになった。
.NET AI テンプレートは、Microsoft が AI 開発をシンプル化するための取り組みの一環であり、Visual Studio、Visual Studio Code、.NET CLI を通じてスキャフォールディングやガイダンスを提供する。これはカスタムデータと対話できるAI搭載チャットアプリケーション開発を迅速化するよう設計されている。このリリースでは、.NET Aspireを使用する開発者向けに仕上げられた新機能を追加しながら、チャットアプリケーションで一般的に使用されているRetrieval Augmented Generation (RAG)パターンを引き続き採用している。
プレビュー2での注目すべき追加機能は.NET Aspireのサポートであり、高度なAI機能を可能にし、改善された統合オプションを提供することで、開発ツールキットを強化する。さらにQdrantベクトルデータベースを搭載することで、.NET Aspireと組み合わせてベクトルデータを利用したスケーラブルなアプリケーションを作成できることを示している。
プレビュー2には、Visual Studio Codeの設定オプションも導入されている。新しいプロジェクトをC# Dev Kit 拡張機能を使って作成する際、開発者はモデルサービスプロバイダやベクターストアなどの設定することができ、テンプレートの柔軟性がさらに向上している。
このテンプレートの主な機能にはサンプルPDFやRAGパターンによるカスタムデータを使用したチャットベースのUIインタラクションを作成する機能が含まれる。開発者は、迅速なプロトタイピング用にローカルベクトルストアや、より複雑なユースケース向けのAzure AI Searchのいずれかを選択できる。このテンプレートではチャットインタラクション、引用追跡、フォローアップ提案など、特定のプロジェクト要件に合わせて生成コードをカスタマイズすることもできる。
今回のアップデートでは.NET Aspire Orchestrationが導入され、ローカルおよびクラウドベースのAIモデルとの強力な統合が容易になった。Use .NET Aspire Orchestrationオプションは、さまざまなAIサービスやベクターストアプロバイダーとの統合を構成するためのAppHostプロジェクトを含む新しい.NET Aspireソリューションを生成する。
開発者は.NET Aspire Community Toolkit Ollamaパッケージを介して統合された、Dockerで利用可能なOllamaコンテナイメージを使用してローカルモデルをホストできる。
GitHub Models、OpenAI、Azure OpenAIのサポートも含まれており、Azureのセキュア環境またはOpenAI APIを通じて、高度な言語モデルへの直接接続を提供する。開発者は Azure AI SearchとQdrantベクトルストアによって強化されたセマンティック検索機能を活用し、ベクトル化データのインデックス作成やクエリもより効果的に行うことができる。
Preview 2 を始めるには、開発者は以下のコマンドを実行してMicrosoft.Extensions.AI.Templatesパッケージをインストールする:
dotnet new install Microsoft.Extensions.AI.Templates
マイクロソフトはコミュニティからのフィードバックに基づいて、.NET AIテンプレートの改良を続けている。ソースに記載されているように、今後のリリースには、ConsoleとMinimal APIテンプレートのサポート、Azure AI Foundryとのよりさらなる統合、Semantic Kernelチームとのより緊密なコラボレーションが予定されている。最終的には、レポートされているようにこのテンプレートは.NET SDKにデフォルトで同梱される予定である。