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CiscoがJARVISを発表:プラットフォームエンジニアリングチームのためのAIアシスタント

原文リンク(2025-05-24)

Ciscoのイノベーション部門Outshiftがプラットフォームエンジニアリング・ワークフローを効率化するために設計されたJARVIS 、AI搭載アシスタントを発表した。JARVISは会話型インターフェースを提供、複雑なタスクを簡素化し、実行時間と認知負荷を減少させる。

CiscoはJARVISをプラットフォームエンジニアリングチームの一員として開発した。JARVISは40以上のツールと統合でき、他のタスクの中でもインフラのプロビジョニング、新しいアプリケーションのCIへのオンボーディング、重要文書の取得を自然言語の指示でシームレスに実行することができる。CiscoのチームはJira、Webex、Backstageなど、日常的に使用しているツールを使ってJARVISとコミュニケーションを取る。チームはJiraのチケットをJARVISに割り当て、JARVISがその作業を実行する。

結果は顕著である。LangChain氏のブログ投稿では、「以前は1週間かかっていたCI/CDパイプライン設定などのタスクが今では1時間以内に完了できる」と報告されている。NetworkWorldのブログ投稿によると、「エンジニアはイノベーションではなく、反復的な作業に最大70%の時間を費やしている。JARVISはこれらのワークフローを自動化し、日単位のプロセスを分単位のプロセスに変える」と述べている。

JARVISは複数の技術を組み合わせたハイブリッドAIアーキテクチャによって動作している。LangGraphを使用して構築され、JARVISの主なエンジンは開発者のリクエストを最適に解釈する自然言語処理能力を提供する大規模言語モデル(LLM)だ。しかし、LLMによって生成されたレスポンスは、直ちには信頼されない。JARVISは正確性と信頼性を確保するために3つのセーフガードを追加実装している。第一に、シンボリックロジックによるルールベースの検証を用いて、出力が命名規則などの事前定義された基準に準拠していることを確認する。第二に、明確に定義され、繰り返し可能なワークフローを強制し、AIが即興で作業を進めることを防ぐ。最後に、エージェント監督を導入し、1人のエージェントが別のエージェントの作業をレビューし検証することで、さらなる品質管理の層を追加する。

ナレッジに関する質問に答えるために、JARVISはretrieval-augmented generation(RAG)を活用し、AIエージェントがwikiやコードベースなどの外部の構造化データソースから情報検索することで、インメモリの知識を補完することができる。

現在、JARVISはCisco内部でのみ使用されている。しかし、同社はBackstageとの統合やスタンドアロンエージェントなどの主要コンポーネントをオープンソース化する計画を発表している。このプロジェクトは、共通プロトコルを介して通信しコラボレートするインテリジェントソフトウェアエージェントのInternet of Agentsイニシアチブにも貢献している。

マイクロソフトの共同創設者ビル・ゲイツ氏は、JARVISのようなAIエージェントが未来の一部になると考えている。2024年のブログ投稿で彼は「エージェントは、コンピュータとのインタラクション方法を変えるだけではない。ソフトウェア業界を一変させ、コマンド入力からアイコンタップへの移行以来の最大のコンピューティング革命をもたらすだろう」と述べている。

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