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Hugging Face、オープンソースのロボットReachy 2でロボティクスの民主化を目指す

原文リンク(2025-05-10)

Hugging Face社は、ヒューマノイドロボットReachy 2を開発したフランスのスタートアップ企業Pollen Robotics社を買収。この買収は、ロボットの設計をオープンソース化し、開発者がそのコードを修正・改良できるようにすることで、ロボティクスをより身近にすることを目的としている。

Reachy 2は、直感的な人間とロボットの相互作用を目的に設計されたフレンドリーなオープンソースのヒューマノイドロボットである。Orbitaジョイントシステムと7自由度の腕を通じて表現豊かな動きを特徴とし、最大3kgの物体を操作できる。全方向ホイールとLiDARを使用してナビゲートし、VRテレオペレーションによりユーザーは一人称視点で遠隔操作が可能である。最新のAIフレームワークと完全に互換性があり、研究開発に最適で、Pollen Robotics社が提供する包括的なオープンソースリソースによってサポートされている。すでにコーネル大学やカーネギーメロン大学などの機関で使用されている。

ハードウェアのオープンソース化とは、設計図や部品の詳細、3Dモデルを公開することで、開発者が部品をより簡単に製造し、必要に応じて改良できるようにする取り組みを指す。この買収は、オープンソースAIやロボティクスへの関心が高まるという広範なトレンドに沿った物である。例えば、Meta社やOpenAI社などの企業は近年、自社のオープンソースAIモデルを公開しており、最先端技術へのアクセスを民主化しようとする動きが広がっている。

この動きは、AIブームとともにロボティクスへの関心が急増している中で行われた事であり、AIの進歩がハードウェアの能力を向上させていることが背景にある。特に学術界のロボティクス研究者たちは、オープンソースのアプローチを支持しており、それが技術の進歩を加速させ、ハードウェア開発における創造性を促進すると主張している。

オープンソースのアプローチは、ロボティクスの進展をより透明にし、マーケティングの誇大広告でよく見られる誤解を避けることが期待されている。Clem Delangue氏は、物理的なロボティクスにおける信頼と透明性の重要性を強調し、オープンソース技術の説明責任の側面に言及した。

ごまかすことも隠れることもできない

コミュニティの反応は、この買収に対する評価を知る手がかりとなる。AI愛好家のBoardy Boardman氏は次のようにコメントした。

オープンソースのロボティクスは未来です。Hugging Face社が機械学習モデルだけでなく、ロボティクス分野にも拡大しているのを見るのは素晴らしい。このような民主化がロボティクス分野には必要です。

ソフトウェアアーキテクトのVishal Gargco氏は次のようにコメントした。

これはオープンソースロボティクスにとって大きな一歩です。Reachy 2のようなロボットを研究室や研究者に提供することで、AIとロボティクスの分野におけるさらなる可能性が広がるでしょう。

この買収は、Hugging Face社がAIモデルを超えてハードウェア分野にまでオープンソース技術を推進する役割を拡大していることを示している。それにより、ロボティクスの新たな能力が解き放たれる可能性がある。同社の既存のオープンソースロボティクスコードの利用が急増しており、ロボティクスへの関心の高まりと、よりアクセス可能で協力的な開発を求める動きが反映されている。

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