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AWSがマルチリージョン・フェイルオーバーをシンプル化、ARC Region Switchで

原文リンク(2025-08-14)

AWSはAmazon Application Recovery Controller(ARC) Region Switch、組織がRegion Switchをプラン、実践、オーケストレーションするためのフルマネージドで高可用性の機能を最近導入した。

従来、フェイルオーバーを管理するには、ユーザーがコンピューティング、データベース、DNSなどの異なるAWSサービス間でタスクを同期させるために複雑なスクリプトを作成し、維持する必要があった。ARC Region Switchの導入によりこの労働集約的なプロセスは中央集権的で高い可用性を持つソリューションに置き換えられた。AWSのプリンシパル・デベロッパー・アドボケート Sébastien Stormacq氏が指摘したように:

アプリケーション運用をあるAWSリージョンから別のリージョンに切り替える必要があるときに、AWSサービスおよびアカウントに跨ってリカバリタスクをコーディネートし、自動化するための集中管理されたソリューションを提供します。

ARC Region Switchは以下を含め、Region Switchのためのステップを定義するさまざまな実行ブロックの入った詳細リカバリプランを作成できるようにする:

  • ARCルーティングコントロール:DNSヘルスチェックを使用してトラフィックをリダイレクトする
  • Amazon Auroraグローバルデータベース:データベースのフェイルオーバーまたはスイッチオーバーを実行する
  • Amazon EC2、Amazon EKS、Amazon ECSスケーリング:ターゲットリージョン内でコンピューティングリソースを指定割合でスケールする
  • カスタムアクション:AWS Lambda関数を使用してカスタムリカバリステップを統合する
  • マニュアル承認:チームレビューのためにリカバリーワークフローにチェックポイントを追加する

(出典:AWSニュースブログ記事

ARC Region Switchの重要機能の一つはそのプロアクティブな検証で、リカバリプランが有効であることを保証し続けるためにリソース構成とAWS IAM権限を30分ごとにチェックし続ける。企業全体のプランのステータスを監視するためのグローバルダッシュボードも提供する。

コストと信頼性の面では、このサービスはユーザーがスタンバイリソースをどう準備するかにフレキシビリティを提供する。リカバリ中にターゲットリージョンで目標とするコンピュータ容量割合を設定することができ、コストとパフォーマンスのニーズをバランスさせることができる。

この機能に対するコミュニティの反応は好意的である。長年のディザスタリカバリーアーキテクトはこのサービスが「クロスリージョンDRの運用手順を非常に簡単にするだろう」とReddit スレッドで述べている。この印象はサービスの主要な革新について述べたLinkedInのコメントによって強化された:「継続的な検証を備えた、完全にオーケストレーションされ、自動化されたフェイルオーバーサービスです。ARCは常に準備状況を確認し、高リスクのマニュアル危機対応を自信を持って実行できるワンボタン操作の訓練に変え、フェイルオーバーに対する恐怖を取り除きます。」

AWSはARC Region Switchで統合された管理ソリューションを導入したが、Google CloudおよびMicrosoft Azureもマルチリージョンのフェイルオーバーのための類似機能を提供している。単一サービスではなく、これらのプロバイダーは同等の結果を達成するために構成できる強力なツールセットを提供している。例えばAzureはオーケストレーションされたフェイルオーバーのためにSite Recoveryのようなサービスを、グローバルトラフィックルーティングのためにFront DoorTraffic Managerを用いる。同様に、Google Cloudの顧客はCloud DNSとフェイルオーバーポリシー、Global Load Balancerを組み合わせて、障害時にトラフィックをリダイレクトするマルチリージョンリカバリ戦略を構築する。

現在、ARC Region Switchはすべての商用AWSリージョンで利用可能であり、プランごとに月額70ドルで提供されており、各プランには最大100の実行ブロックを含めることができる。ユーザーは最大25の子プランをオーケストレーションするための親プランを作成することもできる。

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