インフラストラクチャ・ツール会社Platform Engineering Labsはformae、オープンソースのインフラストラクチャ・アズ・コードプラットフォームをリリースした。これは既存のインフラストラクチャ・アズ・コードツールにおける根本的な制約に対処しようとしている。プレスリリースによればニューヨークに拠点を置く同社は、2025年10月22日にこのローンチを発表し、formaeを約10年ぶりのインフラストラクチャ・アズ・コードにおけるメジャーイノベーションと位置付けている。
このプラットフォームは多くのプラットフォームエンジニアリングチームにとって馴染みのある問題:広大なクラウド資産、コードとライブ環境間のドリフト、脆弱なツールチェーンに取り組んでいる。Platform Engineering Labsの共同創設者兼CEO Pavlo Baron氏によると、このツールはこれらの課題に対するダイレクトな経験から生まれている:
私たちは自分たちの痛みからformaeを作りました。これは理想化された計画からではなく、現実から始まる最初のプラットフォームです。どんなクラウド環境のもっとも混沌とした真実さえも受け入れ、それを進化させる安全で信頼できる方法を提供します。
formaeには2つの操作モードがある。まず「リコンシル」モードがあり、これは望ましい環境状態を実際のプロダクションと一致させるものである。次に「パッチ」モードがあり、これはオペレーターが段階的な変更を適用できる。このプラットフォームは現実そのものをコードでバージョン管理された状態として扱うことで、明示的な状態ファイル管理を排除する。変更はクライアントから状態管理を切り離すエージェントベースのアーキテクチャを通じて管理される。
formaeは既存のインフラストラクチャの自動発見とコード化を通じて差別化を図っている。このプラットフォームはTerraform、OpenTofu、Pulumi、手動のクラウドコンソール操作、またはレガシースクリプトを通じて作成されたかに関係なく、クラウド資産全体のすべての稼働リソースをマッピングする。このアプローチはエンジニアが計画から始め、リソースを作成したツールに応じて別々の状態データを維持する必要がある従来のインフラストラクチャ・アズ・コードツールとは対照的である。
このプラットフォームは、TerraformやOpenTofuで使用されるHashiCorp Configuration Languageではなく、Appleがもともと開発したConfiguration-as-Code言語であるPKLを使用している。この選択は賛否両論を呼んでいる。System InitiativeのCEO兼共同創設者 Adam Jacob氏がLinkedInに、PKLの選択は「外部DSLに対してどう思っているかにより良いか悪いかが決まるだろう。」と書いている。
Jacob氏はまた、formaeの技術的アプローチに対して慎重な称賛を示している。彼はインベントリとリソース宣言の分離を「スマート」と称賛しており、これはチームが必要に応じてインベントリをクエリし、宣言を生成可能にするためである。また、ドキュメントの品質と開発者の抽象化を構築するための明確な設計も称賛している。
プレスリリースでcodecentricのプラットフォームエンジニアリングリード Marc Schnitzius氏は、プラットフォームの設計哲学をハイライトした:
formaeは開発から運用に複雑さを移すだけではありません - 現代のクラウドネイティブ環境において双方の複雑さを抽象化することにより、開発者と運用チーム両方の認知負荷を軽減するのに本当に役立ちます。
formaeはTerraformやOpenTofuが成熟したエコシステムと広範なマルチクラウドサポートを持ち、Spaceliftなどの他のツールが追加のワークフロー自動化を提供する慌ただしい市場に参入している。formaeは自動検出を利用し、インフラストラクチャ更新を最小限に抑えることで、Terraformのワークフローリスクに対処しようとしている。プラットフォームの成功は、おそらく自動検出とコード化アプローチが既存ツールの親しみやすさとコミュニティサポートよりも価値があるかどうかにかかっているだろう。
このツールはPlatform Engineering LabsのFunctional Source Licenseの下で公開されている。これはformaeをユーザーにとってアクセス可能で安全にする一方で、会社を持続させるビジネスモデルを作成することを目的としている。オープンソースリリースはアーリーアダプターが予算に関わらず実験して採用できるようにし、コミュニティメンバーがプロジェクトに貢献できるようにする。
このプラットフォームはGitHubで利用可能であり、コミュニティディスカッションはDiscordで開催されている。Platform Engineering Labsはその使命をプラットフォームエンジニアリングにおける不要な労力の排除、人為的エラーの削減、信頼あるエンジニアの貢献を可能にすることと宣言している。紹介ブログ記事でも詳細が提供されている。