開発ワークフローを効率化する取り組みとして、Grafana LabsのDaniel Fitzgerald氏が、GitLabのCI/CDイベントをサーバーレスアーキテクチャ経由でGrafanaのオブザーバビリティスタックに連携する新しいオープンソース・ソリューションを公開した。この統合によりプッシュ、マージリクエスト、パイプライン完了といったGitLabのWebhookイベントを、デプロイイベントとパフォーマンスメトリクスの関連をリアルタイムで可視化し、相関分析するためにGrafana Cloud Logs (Grafana Loki上に構築された)へ直接送信できるようになった。
多くのチームは分断化したダッシュボードに悩まされている:開発者はGitLabでpipeline状態を確認する;運用担当者はGrafanaでログをレビューする;一方で、どちらのビューも基盤となるメトリクスやデプロイと直接結び付いておらず、インシデント対応が遅くなり、マニュアルでの関連付けが必要になる。GitLabとGrafanaの統合は構造化されたCI/CDイベントを単一ログストリームに集約することでこのギャップを埋め、チームがパイプラインの健全性、デプロイ頻度を監視し、システムメトリクスと変更内容を関連付けられるようにする。
技術的な観点では、このソリューションは、API Gatewayのエンドポイント経由でGitLabのWebhookを受信し、ペイロードを構造化ログにフォーマットしてGrafana Cloud Logsに送信する、軽量なサーバーレス関数(AWS Lambdaのような)に依存している。ユーザーはLogQLクエリを使用して、プロジェクトごとのCI/CD活動、デプロイ成功率、ビルド時間などを分析することが可能になる。さらにこれらのログを、例えば特定のデプロイやコード変更と並べてエラーレートを可視化するなど、Grafanaダッシュボード上でアプリケーションパフォーマンスデータと組み合わせることができる。
このサーバーレス型のオブザーバビリティパイプラインの導入により、CI/CDのテレメトリが監視プラットフォームにおいて重要な役割を果たすようになった。これにより、チームはデプロイメントの傾向(例えば、ビルド失敗、長時間のパイプライン処理、デプロイ頻度の低下)に基づくアラートを作成し、開発者の生産性やリリース速度を可視化することが可能になり、変更失敗率やデプロイ復旧時間に関するコンプライアンスや監査レポートの作成を推進できる。Grafanaはこの統合スタイルが、コード変更、メトリクス、ログ、トレースを単一ワークフローの一部として扱う統合可視性への広範なシフトを反映していると述べている。
このモデルの導入を検討する組織にとって、互換性のあるセットアップは4つのステップで進められる:Grafana Cloudの認証情報を用いてLambda関数をデプロイ、GitLab Webhook用のAPIエンドポイントを作成、そのエンドポイントへイベントを送信するようGitLabを設定、Grafanaでダッシュボードの構築を開始。ブログ記事によれば、必要なコードは約69行のPythonで済み、チームは30分以内にこの統合をセットアップできると報告されている。
このオブザーバビリティアプローチに関心のある人向けに、特にGitLab+Prometheusを組み合わせたCI/CDオブザーバビリティの可視化に役立つ、類似のことを実現できる追加テンプレートが複数紹介されている:
GitLab CI Pipelinesダッシュボード(ID: 10620):このダッシュボードはPrometheusをデータソースとして用い、GitLabのCI Pipelinesからのメトリクスを可視化する。パイプライン実行時間、成功/失敗件数、ジョブメトリクスなどのパネルが含まれている。
GitLab CI Pipelines ExporterのDashboard JSON:gitlab-ci-pipelines-exporterプロジェクトはインポートやカスタマイズ可能なダッシュボードJSONの例を提供する。
GitLab Self-managed Grafana Dashboardsリポジトリ:GitLabは、パフォーマンスやCIメトリクスなどを含むメトリクスのサンプルダッシュボード(GitLab向け)を集めたリポジトリを管理する。
GitLab Runnerダッシュボード(ID: 21662): このダッシュボードはランナーのメトリクスに焦点を当てており、ランナーインフラストラクチャの健全性、同時実行数、パフォーマンスを可視化することで、パイプラインダッシュボードを補完する。
あるRedditユーザーは、CI/CDパイプラインイベントやデプロイWebhookを取り込み、それらをGrafanaのLogsパネルに流し込む方法を紹介した。例えば、Webhookサービスを公開し、Grafanaのデータソースプラグインを使用して、GitLabのパイプラインイベントをGrafanaログ上に表示した。
全体として、この統合は開発ワークフローとオブザーバビリティツールを結び付けるうえでの前進を示している。CI/CDイベントを構造化ログとして扱い、メトリクスやトレースと並べてクエリ可能にすることで、チームはソフトウェアデリバリーライフサイクル-問題検知までの時間短縮、インシデント対応の改善、開発者の行動と運用成果の整合-をより包括的に把握できるようになる。