GAE開発の落とし穴
Googleのクラウド環境をつかったGoogle App Engineによる開発するにあたり、初めての試みで苦悩する開発者達の経験をもとに、各開発フェーズにあわせて問題点やどう解決したかをご紹介します
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作者 野口隆史 投稿日 2009年12月11日
2009年4月22日、東京千代田区にある放送会館で「アジャイルジャパン2009」が開催されました。本イベントは「ソフトウェア開発の次世代リーダーをつくる」ことを合い言葉に、200人以上の参加者を集めてスタートしました。 9時前から参加者が集まり始め、イベントスタート時にはほとんどの席が埋まりました。開始時刻の9時半を回ったところで、運営委員長であるチェンジビジョ ン代表取締役社長平鍋健児氏、そしてイベントを主催するピークワンの前田安雄氏によるオープニングが始まりました。お二人によると、アジャイルをテーマに 大きなイベントを行うのは1年越しの夢だったとのこと。これまでのアジャイルは管理職の方々との距離があったことから、ペア割引を設定し、上司の方やお客 様、そして部下の方を誘ってきてもらうことを1つの目的にしていたそうです。ペアで申し込まれた方は約100名もいらしたそうですから、この試みは成功 だったと言えるでしょう。なお、このイベントは世界最大のアジャイルコミュニティであるアジャイルアライアンス(http://www.agilealliance.org/)の協賛を得て行われた日本で初めてのイベントです。
平鍋氏と前田氏の2人のテンポの良いオープニングに続いて、『リーン開発の本質』(日経BP社)の著者で知られるメアリー・ポッペンディーク氏が拍手の中 登壇し、「ソフトウェア開発現場に求められる新しいリーダーシップ?アジャイルに見る大野耐一、デミングの影響?」と題するキーノートセッションを行いま した。今回のイベントのテーマは「人とリーダーシップ」ということで、ポッペンディーク氏はリーダーシップの歴史を紐解くことからプレゼンテーションを始 めました。このプレゼンテーションは平鍋氏の対訳と解説付きで行われました。
キーノートセッション:メアリー・ポッペンディーク氏
1.トップダウン×一般的管理技術型:官僚的管理者(決まりに従え!)
2.トップダウン×仕事内容理解型:作業管理者(これをこうやります。さあ、やってください!)
3.ボトムアップ×一般的管理技術型:グループファシリテーター(みなさんの力で!)
4.ボトムアップ×仕事内容理解型:学習する組織の作り手(目的と方向性はこうです。一緒にやろう!)
・先生としての役割
・一人一人が主体的に問題解決し、仕事を改善するように指導する役割
・一人一人の仕事が、「顧客の価値」と「会社の繁栄」の両方に価値提供するように整合させる役割

●日本のソフトウェア業界の問題点を鋭く指摘
キーノートセッションの2つめは中部ESD拠点推進会議代表、九州工大大学院/名工大客員教授である黒岩惠氏による「ソフトウェア開発に生かす、トヨタ生 産方式モノづくりヒトづくり」です。黒岩氏はトヨタ自動車のIT教育責任者として活躍され、IMSやオープンFA、CALSなど数々の通産省プロジェクト に関わってこられた方です。現在は、ものづくりIT関連団体などで精力的に活動されています。
黒岩氏はまず日本のソフトウェア業界の問題点を鋭く指摘しました。技術とビジネスの両方を考えることが重要なこと、そして技術を囲い込まずどんどんオープ ンにし、ともに業界を良くしていく姿勢が必要だと言い切りました。ソフトウェア業界が標榜するトヨタの方の発表ということで最初はやや遠慮がちだった会場 も、このストレートな発言に一気に沸き返りました。

ポッペンディーク氏と黒岩氏の2つのキーノートセッションに続いて、平鍋氏を交えたパネルディスカッションが行われました。このパネルディスカッション は、会場からの質問を受けながら行われました。トヨタ生産方式からリーン開発を生み出したポッペンディーク氏とトヨタ生産方式のまっただ中にいた黒岩氏が どのようなことを語るのか、会場の熱気はさらに高まりました。
大阪のおばちゃんは実はアジャイル?
| (1)永和システムマネージメント(スポンサー協賛) | (2)SonicGarden(スポンサー協賛) |
| (3)ボーランド(スポンサー協賛) | (4)日本IBM(スポンサー協賛) |
| (5)富士通周辺機株式会社(実行委員推薦) | (6)アジャイルプロセス協議会(特別後援) |
ランチタイムを使って、5分間ずつショートプレゼンをする「ライトニングトークス」が行われました。TIS株式会社でソニックガーデンという社内ベン チャープロジェクトに携わる藤原士朗氏を皮切りに、ボーランドの松井陽子氏、日本IBMの玉川憲氏、永和システムマネジメントの角谷信太郎氏、アジャイル プロセス協議会の懸田剛氏、富士通周辺機の田中聖能氏、データプロセスの新実崇宏氏が、次々とテンポの良いプレゼンを披露しました。
ランチは会場後方に用意されたケータリングを自由に食べる形式となっていたので、参加者は思い思いのスタイルで登壇者のトークを楽しみました。日本IBM やボーランドのような大手ベンダーの社員の方がこうしたイベントに参加してプレゼンを行うことに、今のアジャイルの勢いを感じます。

●山崎裕詩氏のセッション―その名はユニケージ開発手法
●當中寛哲氏のセッション―ユニケージ開発手法の驚くべき姿
・大規模で複雑なシステムを分担せず効率良く開発したい
・プログラムは作り捨てにしてもいいくらい簡単にしたい
・仕様変更に柔軟に対応したい
・少しでも楽に開発したい
ユニケージ手法の熱いプレゼンの後は、ちょっと一息入れるためのアイスブレイクです。NPO国際ファシリテーション協会理事の本間直人氏がステージに現 れ、次のコミュニケーションタイムに向けての配置換えを、アイスブレイクと絡めて行いました。アジャイルを実践したり興味を持つ参加者が多数なだけに本間 氏との息はぴったりで、無事短い時間で6つのエリアに席を分散させることができました。

発表資料のPDFダウンロード(発表順)

●事例セッション
事例セッションでは先に行われた良品計画の「スピードがすべてを駆逐する」のPart 2のほか、リクルートの事例「ユーザ企業責任で25サイトをアジャイルに開発」(前田圭一郎氏)、富士通の事例「モチベーション駆動開発」がそれぞれ2回 づつ行われました。


●透明な壁
9時半から始まった本イベントを締めくくったのは永和システムマネジメントの岡島幸男氏です。岡 島氏はカマス(1.7メートルもある巨大な魚です)の実験の話をしました。カマスの入った水槽に透明の壁を作り、その先に餌を入れるとどうなるかという実 験です。カマスは食欲旺盛な魚ですから、何度も餌に向かって飛びつき、透明な壁にぶち当たります。そのカマスも何度も痛い目に遭っていると、いつしか餌に 飛びつくことをやめ、透明な壁を取り払っても餌に近づこうとしなくなるそうです。開発チームとマネジャにもこうした透明な壁があるのではと岡島氏は指摘し ました。
アジャイルを行う開発チームは、個人個人で好き勝手をやったり、組織の成功を軽視したり、コードを書くことがすべてと思っているような誤解を持たれがちで す。マネジャは、組織のルールにがんじがらめになっていたり、人間を軽視したり、売上と利益がすべてと考えているような誤解を持たれがちです。
●個人の目標と組織の目標
ピーター・ドラッカーは仕事の論理と労働の力学の2つのバランスなくして生産性の向上はないと述べましたが、岡島氏はその例を引きながら、ソフトウェア産業でも個人と組織が目標や成功モデルを共有できるようにする必要性があると主張しました。
Q.うちのマネジャは、とてもそんな成功モデルを持っているとは思えない。
A.ちゃんと話をしたことありますか?
Q.開発プロセスは規定だから変更できないとマネジャに言われました。
A.開発プロセスだけがすべてではありません。成功を目指すため、ほかにできることはありませんか?
こんな問答を例に出しながら、開発チームとマネジャの間にある透明な壁を取り除く一歩を踏み出す努力を促しました。
●個人と組織の相互の努力
岡島氏の所属する永和システムマネジメントにはアジャイルの専門チームがあるそうです。このチームはトップダウンでできたものではなく、同社の有志によっ て作られ、3、4年かけてようやく軌道に乗ってきたものだそうです。他のボトムアップ活動として、組込チームでは、ETロボコンというイベントに、人材育 成と会社のプロモーションにつなげるために主体的に参加しているそうです。現場の挑戦を経営の言葉に翻訳して粘り強く訴え実践する、経営はその気持ちに応 えて権限と責任を与える、そうした透明の壁を取り除く努力を相互に続けているそうです。
「Social Change Starts with you.(社会的な変革はあなたから始まる)」(ケント・ベック)
「私たちの行動は周りの状況からではなく、私たち自身の選択によって決まるのだ」(スティーブン・コヴィー)
「明日世界が終わるとしても、私はリンゴの木を植える」(マルティン・ルター)
「仕事をいかに行うべきかを検討することは、働く者とその集団の責任である。仕事の仕方や成果の量や質は、彼らの責任である」(ピーター・ドラッカー)
「アジャイルプロセスを外部から押しつけることは、アジャイルの心臓部とも言うべき『自発的な決定』をチームから奪ってしまう」(ファウラー)
「人を束縛して心配するより、人を放って苦楽をともにせよ」(福沢諭吉)
こうした先人の言葉を引用しながら、主体的に理想を目指して継続していくプロセスこそが真のチームビルディングではないかと岡島氏は問いました。
●主体性のある人がいなかったら
主体性のある人がいなかったら主体性のある人を育てる、教育コストが出ないならチームの仕事を通して育てる。チームビルディングには朝会や、KPTふりか えり、タスクカンバン、キャラクターマップ、パーソナルナラティブ、キックオフミーティングなどさまざまなプラクティスがありますが、大事なのはそうした プラクティスを主体的に考えて使うことです。そしてそれを自分たちからやることが出発点なのです。詳しくは同氏渾身の力作『ソフトウェア開発を成功させる チームビルディング』(ソフトバンククリエイティブ)をご覧ください。
●傷付いたカマスを元気にする方法
さて、カマスの実験には続きがあるそうです。餌に飛びつくのをやめ、弱ってしまったカマスをどうするのか。そこに新しいカマスを入れ、そのカマスが積極的 にえさを食べていることを見ると、傷ついたカマスも再び餌に飛びつくようになるそうです。ではその新しいカマスはどこにいるのか。「きっとそのカマスはあ なたのチームにいるはずですよ」そんなメッセージでクロージングセッションは幕を閉じました。
ペア割引で上司やお客様を巻き込むという、今までにないスタイルで行われたアジャイルジャパン2009。本レポートで伝えることができないことは、1つの 場を一緒に過ごしたという皮膚感覚です。ともに聞き、ともに考え、ともに議論する、そんな参加者が主体的に作り上げていくイベントの1つのあり方をアジャ イルジャパン2009は見せてくれました。
次回参加するのは、あなたかもしれません。次回発表するのは、あなたかもしれません。そして、このレポートを書いているもの、もしかしたらあなたかもしれません。ぜひ、あなたも日本のソフトウェア業界を変えるムーブメントにご参加ください。
野口隆史(Takafumi NOGUCHI)
IT系オープンペーパー「EM ZERO」編集長。ソフトウェアがどのように人々の幸せに貢献できるかを模索中。
URL:http://www.manaslink.com/
Googleのクラウド環境をつかったGoogle App Engineによる開発するにあたり、初めての試みで苦悩する開発者達の経験をもとに、各開発フェーズにあわせて問題点やどう解決したかをご紹介します
去る1月12日、定理証明支援系ツールCoqの初心者向けチュートリアルが開催さ れた(http://kokucheese.com/event/index/23667/)。今後も2月2日 (http://kokucheese.com/event/index/23744/)、2月9日、2月16日と引き続き開 催されていく予定である。本記事では、開催の様子をレポートする。
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