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インタビュー: MicrosoftのSOA戦略についてDino Chiesa氏に聞く

作者 Jean-Jacques Dubray , 翻訳者 松本 清一 投稿日 2007年12月17日

セクション
デベロップメント,
エンタープライズ・アーキテクチャ,
設計/アーキテクチャ
トピック
SOA ,
インターロップ ,
SOAプラットフォーム ,
WS Standards ,
ESB ,
.NETフレームワーク
タグ
WS-ReliableMessaging ,
BizTalk ,
WS-AtomicTransactions ,
WCF ,
CodePlex

マイクロソフトは、この数ヶ月で、MSDN2上での新たなSOA(source)のWebサイトの立ち上げ、マイクロソフトSOAアプリケーションプラットフォーム上での突っ込んだ内容のWebオンラインセミナー(source)、(OASISでWS-BPEL TCの共同議長を務めている)John Evdemon氏が著者の「SOA in the Real World」(サイト・英語)電子辞書の出版など、SOAにおける市場への取り組みを強化している。さらには、10月に「SOA & Business Process Conference 2007」(サイト・英語)カンファレンスをレドモンドで開催した。

加えて、マイクロソフトは北アメリカをベースとして(1000人以上の従業員がいる)企業500社に対し、包括的なアプリケーションプラットフォームの調査(PDF・英語)を行った。その目的は、どのソフトウェアプラットホームがミッションクリティカルなアプリケーションの構築に用いられるか、プラットフォームの重要なコンポーネントプロバイダとして、どこを好むのかを特定することである。IDCの調査として、以下の結果がある。

質問 「今後2年で、あなたの会社でミッションクリティカルなアプリケーションを開発するために一番使用されると思われるアプリケーション技術プラットホームはどれか?」
  • 回答者の30%が.Net、25%がJavaと回答。
  • 回答者の71%が現在サービス指向アーキテクチャを使用したアプリケーション取り組んでいると回答。
  • 71%のうち36%がSOAを使用するこれらのアプリケーションのためにマイクロソフトを使うと回答。次にIBMで18%。

InfoQ では、マイクロソフトのSOA戦略をさらに理解し、顧客がWCFをどのようにして利用するのかを知るために、コネクティッドシステム部門 (Connected System Division)の.NetマーケティングディレクターであるDino Chiesa氏と話をした。
 

InfoQ: マイクロソフトは、1999年からWebサービス技術とこの業界のSOAを牽引してきました。今後、マイクロソフトのSOAに対するアプローチはどうなるのでしょうか?

Dino: SOAは、この産業や多くのベンダーにとって重要なトレンドであり、マイクロソフトはそれに投資をしています。私たちは、当初から実践的なアプローチをとっており、顧客がSOAのメリットを享受できるよう技術開発を行っています。そして、基本的な部分、標準化、プログラミングモデルに取り組んできました。私たちは、1999年から先端をいっており、ASMX(WSEはよいものであるが私たちはさらによくしたいと考えています)といった最先端のSOAインフラストラクチャを提供しています。私たちは、2003年にWindows Communication Foundationを開発し始め、.Net 3.0の一部として2006年にリリースしました。それまでの間、SOAへの私たちのアプローチは着実に進められ、現実社会で実際に定着しています。

特に、Windows Comunication Frameworkに関して技術的な話をすると、他の製品で、これに匹敵するエレガンスで高機能なフレームワークを見ていません。Javaの世界でこれだけ連携した投資を見ることはできません。部分的なものは数多く配布されていますが、結果は断片的なものとなっています。例えば、Axisは確かに素晴らしいものですが、Webサービスを主要なターゲットとしています。WCFのように汎用的な通信モデルは提供していません。

InfoQ: 現在、WS-*スタックが完成しています。WCFの進展として、今後の計画は何かありますか?

Dino: WCFは、標準という点では最も幅広くサポートしています。WebSphereでさえ、WS-*標準をフルサポートしていません。皮肉なことに、自動的なインターオペラビリティは、未だ少し先になりますが、順調に進んでいます。.Net 3.5を11月に提供し、標準化の最終工程をサポートします。一例をあげると、WS-AtomicTransactionとWS- ReliableMessagingなどがあります。

私たちは、プログラミングモデルレベルでシンジケーションプロトコルを利用することで、SOAの視野を広げています。私たちは、顧客がエンタープライズアプリケーションでシンジケーションのためにRSSを使用することを支援したいと考えています。さらに、私たちは、WS-*スタックを補完するものとして、 RESTスタイルのサービス利用も促進したいと考えています。インターメディアリー、トランザクション、セキュリティが必要ないというケースや、Web サービスプロトコルのオーバーヘッドに耐えられない、・・・というような多くのケースがあります。WCF 3.5では、そこでもあなたを助けてくれます。ここで留意すべき点は、私たちがWCFの基本的な原則を変更していないということです。これは、未だサービス、通信、SOAであるということです。私たちは、単にSOAがWS-* とSOAPだけであるということを主張しているのではありません。素晴らしい例がここにあります。それは、WCFが汎用的なフレームワークであるので、似たようなエンドポイント間で通信する際に、より効果的なバイナリー転送へとシフトするための設定変更がとても簡単にできます。このコミュニケーションフレームワークの汎用性は、WCFの主要なメリットとなります。

3.5 で、私たちは新しい通信チャネルをリリースします。例えば、IBMが開発しているMQSeriesのためのカスタムチャネルです。マイクロソフトは、代替プロトコルを求める顧客を満足させたいと考えています。さらに、ビジネスアダプタSDKであるWCF製品ラインもリリースします。それは、SAP、 Siebel…といったエンタープライズシステムのためのWCFコミュニケーションモデルを拡張したものです。さらに、山括弧(<>)がない (※1)にも関わらず、同じWCFモデルを利用します。もちろん、自身のカスタムチャネルを構築することも可能です。

InfoQ: ここ数年の間で、ESBの勢いが増してきました。Javaベンダーのほとんどが、少なくとも1つのESBを市場に投入しています。マイクロソフトのESBにおけるポジションはどのようなものでしょうか?

Dino: ESBのコンセプトは多くの注目を集めました。私たちはこの分野に多くを投資しましたし、顧客がエンタープライズレベルのサービスバスを配布するために、どのようにしてマイクロソフトの技術を利用するかを理解してほしいと思っています。ESBによる重要な問題の1つとして、概念から金銭的に意味のある実践的なデプロイメントへの方向へと移行している最中であるということがあげられます。そのために、BizTalk Server 2006 R2 (10月に発表)によるESB ガイダンス(サイト・英語)をリリースしています。このガイダンスでは、現実世界での問題を解決するためにESBを利用することに関して、実践的で、財務的に信頼できるガイダンスを提供しています。

マイクロソフトがESBの分野で行っている投資に加えて、私たちはサービスバスに対するWeb配信モデルにも投資をしています。この機能は、http: //labs.biztalk.net から利用することができます。顧客は、クロスファイヤーウォールのケースだけでなく、業務用のサービスの両方に対してサービスバスを利用したいということを私たちに言います。その前提で、私たちの投資とWeb技術により、顧客は両方をシームレスに体験することが可能です。

InfoQ: 顧客の.Net 3.0採用状況はどうでしょうか? 全てのコンポーネント(WPF、WF、WCF)と一緒に採用しますか? それとも独立していますか?

Dino: 実際、それはあなたの考え方に依存するものです。異なるコンポーネントは、プライオリティーに従いさまざまな人に興味があるものです。大きな企業のアーキテクチャチームのために、WCFは確かに.Net 3.0の重要なエントリポイントと言えます。しかし、ユーザーエクスペリエンスに注力している人にとっては、WPFの方が多くの価値をもたらすと思われます。正しい情報を適切な人たちに提供できるようにするために、全てのコンポーネントが関連を持っています。これが全ての規模の会社が達成したいと考えていることです。これこそ、SOAの最終ゴールです。

SOA はIT業界の中でホットな話題であり、WCFの採用は素晴らしいことです。IDCのレポート結果が示すように、.Netは企業の間で最も人気のあるインフラストラクチャです。SOA成功のための重要なキーは、顧客が実用的なアプローチにより具体的なことができるように支援することです。一般的に、顧客はトップダウンのSOAイニチアチブのような高値のつくものを避けます。それよりは、段階的なアプローチを求めています。次の段階へ進む前に、メリットを見たいと思うものです。私は、顧客が私たちの技術を適用し、アーキテクチャの問題のためにアジャイル開発の原則を適用し、より現実世界のアプローチをとることができ、結果が広まるかどうかを見ることができるのです。その結果、彼らの多くが、既に成功したSOAイニシアティブをおこない、十分に成熟したレベルを目標としています。

InfoQ: 顧客のサクセスストーリーをいくつか教えて頂けないでしょうか?

Dino: Neweggは、素晴らしいSOAの話です(source)。オンラインのリテールが成長するにつれ、異なるシステムの統合がますます複雑で値段のかかるものになっていることが判明しました。サービス指向アーキテクチャを実践する必要があると判断し、ESBの考えを望んでいました。同社は、Sonic、IBM、Tibcoの製品を評価しましたが、最終的にはマイクロソフトから提供されているESBガイダンスに従い、WCFでESBを構築することに決めました。彼らの選択は、学習曲線と他社製品の複雑さを基準としていました。非常にシンプルなSOAプラットフォームで、彼らの事業拡大のために、彼らが必要であると思っていることを行うことができるのです。これが、現実世界のSOAです。

Crutchfieldは、別のリテーラーです(source)。彼らは、カタログセールス会社から、Amazonや他のパートナーを通じ、カタログ、オンラインといったマルチセールスチャネルとして利用される会社へと発展しました。それぞれのチャネルは、異なる販売システムと顧客システムを利用していました。チャネルの数が増えるにつれ、問題に直面しました。そこで、彼らはこの特定の問題を解決するために、集中的にサービス指向設計を適用することを決断しました。WCFを利用することで、注文プロセスロジックを複数のサービスが利用可能な共有サービスのセットとしてまとめることができました。この場合も先ほどと同様にシンプルな問題であり、不必要なリスクのない技術によりその問題を解決することができました。

InfoQ: ありがとうございました。


原文はこちらです:http://www.infoq.com/articles/idc-study

このArticleは2007年9月4日に原文が掲載されました)

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