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アジャイルとPragmatic Marketingの出合い

Pragmatic Marketing(source)(プラグマティック・マーケティング)は、アジャイルソフトウェア開発に類似した価値や原則を適用しようとする情報産業向けの製品管理方法論である。では、プラグマティック(実用主義的)なマーケティング担当者がアジャイルな開発者に出会うと何が起こるだろうか。Stacey Weber氏は最近の記事(source)で、二者の文化が完全には調和しないことが多いとしている。
アジャイル方法論に関する経験を言葉で表すとすれば、多数の企業が、「厳しい」という表現がかなり的確、とすることでしょう。アジャイル方法論のアプローチは、基本的に、急速に変化する要件に従います。実際、私が信じていることでもありますが、アジャイルが考案された理由は、重役やプロダクト・マネージャーによる絶え間ない、そして矛盾した変更に、エンジニアが対処する方法をひねり出す必要があったからです。こうしたエンジニア達は、最も優先すべき事項を決定できない重役や、要件を考えるのに忙しすぎて実際に市場に出向き、真の要件を理解する時間のないプロダクト・マネージャーに日々対応しているのです。エンジニアにしてみれば、アジャイルが解決策に思えます。エンジニアチームは非常に少ない一連の要件に集中し続けることができます。実は、重役やプロダクト・マネージャー、そして直近の2-3週間より先の変更はすべて無視することもできるのです。
間違った前提はさておき、真実がひとつある。アジャイルな方法では、企業内の根本的な問題を魔法のように解決することはできない、ということである。つまり、企業が何を構築すべきかを決定できなかったり、少なくとも矛盾する利害に優先順位をつけられなかったりするようでは、アジャイルな方法が企業を支援することはない。このテーマについては、Barbara Nelson氏とStacey Mentzel氏が「Extreme Product Management(極端な製品管理)」(source)と題された記事の中で詳しく述べている。
アジャイルな方法そのものが、人々が欲しがる製品を構築するという問題を解決してくれるのであれば、この記事を書く必要はなかったでしょう。「アジャイルになりましょう!」と私たちは提唱します。でも、アジャイルによって何かしらの伝達速度が早くなったけれど、ある程度の計画や全体的なビジョンがなければ、伝達された事柄(ユーザーの話としましょう)が、実際により多くのソフトウェアを販売するための役には立たないかもしれない、ということを何度も耳にします。

アジャイルな方法の予期される欠点に対応し、Nelson氏とMentzel氏は「アジャイル・ウォーターフォール」を提唱する。基本的には、長期計画にもっと重点を置いたアジャイルソフトウェア開発である。ひとつの観点からすれば、アジャイル・ウォーターフォールは合理的であると同時に必要でもある。売上げを上げることを目的に企業が長期的に計画し、コミットできるようにするし、Pragmatic Marketingの方針である「人々が買いたい製品を作る」上で企業を支援する。しかし、長期計画に重点を置きすぎると、インクリメンタルに開発が進むワーキング・ソフトウェアが提供するフィードバックから、企業が利益を得ることはできない。結局、製品を構築するということは、どのようなタイプの製品が構築可能で、それにはいくらかかるか、ということを企業がより良く理解できるように支援することでなければならない。皮肉にも、Pragmatic Marketingのターゲット産業はテクノロジー・ハードウェアとソフトウェアであり、真の技術革新には単に市場に耳を傾けること以上のことが伴う。つまり、市場が理解していなかったことが可能であったこと、を市場に証明することを伴うのである。iPhone(サイト・英語)がマーケティング・フォーカス・グループで生まれたという話には、誰もが疑問を覚えるだろう。

それにもかかわらず、Pragmatic Marketingはアジャイルな方法を提唱する者の興味を引くのである。その理由は、アジャイルな価値と原則をビジネス面で成功裡に適用できると証明しているからであり、また、さらに重要なことに、アジャイルな開発慣習がビジネスの役に立っていない状況に取り組もうとしているケースも存在するからである。その理由は何で、一体何ができるのだろうか。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2007/11/agile-pragmatic-marketing

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