InfoQ

News

「ふりかえり最優先条項」についての議論

作者 Deborah Hartmann, 翻訳者 平田 守幸 - (株)永和システムマネジメント 投稿日 2008年3月1日 午前12時16分

コミュニティ
Agile
トピック
チームワーク,
リーダーシップ
タグ
Retrospectives,
Continuous Integration
ある夜の夕食のときに、ベテランの実践者たちのグループは、自分たちがチームで「ふりかえり最優先条項」をどのように使用するか(あるいは使用しないか)に関して意見を交換した。教授でありライタでもあるPhilippe Kruchten氏(source)が、「私たちはチーム全員が最良の仕事をしたのだと理解し本当に信じる」と言えるのかどうか懐疑的であるという発言をして、議論を始めた。この話はとても興味深かったので、許可を得てLinda Rising氏がこのInfoQ記事(source)を書いた。Rising氏の他にEsther Derby氏、Norm Kerth氏およびMary Poppendieck氏らが、チームで「ふりかえり最優先条項」を使用したときの最良・最悪の経験を持ち出して、論争に加わった。


「ふりかえり最優先条項」は、安全な環境を築くことを意図している。つまりそれは個人に責任を負わされる恐れなくチームメンバーがプロセスおよびツールを自由に検討することができるということである。これは、Norman Kerth氏のProject Retrospectivesという名の本(source)およびウェブサイト(source)に由来する。そこには次のように書かれている。

「私たちが見たものに関係なく、チーム全員が、その時点で分かっていることや彼(彼女)のスキルおよび能力、利用可能なリソース、そしてそのときの状況の中で最良の仕事をしたのだと理解し本当に信じます。」

議論は、Kruchten氏ががこれに挑戦したことにより、始まった。
.本当に?私は、開発者とコンサルタントとしての経験の中で、堕落していて不快で、本当に否定的な人々を見てきました。ほとんどの場合、私は彼らに対して何もすることができませんでした。私ができたことは、彼らを避けるか、彼ら抜きで仕事をすることだけでした。とにかく「本当に信じる」ということは私には受け容れられません。
この発言は共感を呼んだ。自分たちの組織の幹部が我々の不正を疑って調査するような場合は、私たちはどうすればこのプラクティスを使用することができるのだろうか?あるいは、怠け者か悪意のある反抗者がチームにいることが明白な場合には?


Rising氏は回答する。

 「ふりかえり最優先条項」は、現実に関するものというわけではないのです。それは、学習効果を最大にするために脳がちょっとだけ他のところに注目できるようにするようなものです...みんなに「ふりかえり最優先条項」にサインアップするように頼んだときに、あなたが思ったような疑念を彼らも同じように心に抱くだろうと思いますが、私はそれでいいと思っています。確かに少しの間、異論があるかもしれません。しかし、チームは学習できるので、使用するかの判断を少しの間保留しておいても問題はありません。

Owen Rogers氏(source)は、

私は理解するのに少し時間がかかりました。私がNorm氏の本から受けた印象は、それはふりかえりを始めるおまじないのようなものだということでした。私は2~3回試しましたが、おまじないではありませんでした。なので、私はおまじないだという考えを捨てました。...(中略)...これには単に読み取れる以上のものが要求されます。始まる前に、真の意味についてメンバーと議論している必要があります。

HPで長年、ふりかえりの教育と実践をしてきたコンサルタントであるAinsley Nies氏(source)は、個人のふりかえりのための有用なコンテキストとするために、「ふりかえり最優先条項」を適用するシーンを、チームとしての活動から個人の活動へと移すことを提案している。

あなた自身に「ふりかえり最優先条項」を適用することを忘れないように!私の、個人のためのふりかえりワークショップでは、私たちが自身のことや自分の経験についてどのように話すかによって、未来がどのように大きく影響を受けるか議論します...自分自身に対してよりも他人に寛大に接する多くの人たちにとって、この議論が最終的に彼らの仕事にどのような影響を与えるか、に注目しています。

InfoQにあるLinda Risingによる「Questioning the Retrospective Prime Directive(source)」の全ての議論を読んで欲しい。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/02/retrospective-prime-directive
ブックマーク
digg+,
reddit+,
del.icio.us+,
dzone+,
Hatena

No comments

返信

特集コンテンツ一覧

トップスポーツチームの監督に教わる秘訣

この論文では、氏が発見した原則を要約し、その原則をいかにしてソフトウェア開発に応用するかを説明します。

事例研究:Dutch Railwaysのプロジェクトにおける分散拠点でのスクラム・プロジェクト

この記事では、私達がどのようにして大規模(240人月、10万行強)でインドとオランダの開発者も参加したスクラム・プロジェクトを成功させたのかを示しています。

Agile2008チーム参加レポート - 帰国そして変化

Agileカンファレンスに「参加者としてだけでなく、発表者として参加しよう」を掲げたチームgoyattomは、サブミッションを提出し、7つのセッションが日本から選択されました。参加者はカンファレンスで各々の発表や、各セッションへの参加、諸外国のエンジニアとの出会い、ステージ上で DearXPを熱演などの様々な思い出を抱えて、無事日本に戻ってきました。

SilverlightとJavaのインターオペラビリティ

マイクロソフトのRobert Bellが、SilverlightとJavaを使用したインターオペラビリティのシナリオを紹介し、サンプルコードを例にとってアーキテクチャの手引きを提供します。

Agile2008 チーム参加レポート - カンファレンス参加編

Agileカンファレンスに「参加者としてだけでなく、発表者として参加しよう」を掲げたチームgoyattomは、サブミッションを提出し、7つのセッションが日本から選択されました。サブミッションが選択された人、そうでない人も含めて、個々の目的意識の確認、膨大なプログラムから聞きたいセッションの選択、旅行の準備、プレゼンテーションの準備の期間を終えて、無事当日を迎えました。

Agile2008 チーム参加レポート - 動機/準備編

筆者はアジャイルソフトウェア開発についての年に一度の国際会議であるAgile2008に初めて参加してきました。今年の日本からの参加者の数は14名にも及び、発表者は5名、受け持ったセッションは8つに及び、例年にない活躍を見せました。なぜ今年のAgile2008では、これほど多くの日本人が参加し発表に至ったのか? そのレポートをお届けします。

Javaトラブルシューティングメルマガ総集編 2008/08~09

エスエムジーでは、Java全般を対象にしたトラブルシューティングサービス「JaTS」を提供しています。この記事では、前回に引き続き、JaTSにて蓄積したトラブル事例とその解決ノウハウの一部をお送りしている「Javaトラブルシューティングメールマガジン」(JTSMM)の総集編として、過去2ヶ月のトラブル事例と追加情報をダイジェストとして提供いたします。

モデル駆動アプローチがうまく機能しない(しなくなる)8 つの理由

この記事では、モデル駆動アプローチがうまく機能しない、または機能しなくなることによって期待した結果が実現できなくなる 8 つの理由について書きたいと思います。