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「ふりかえり最優先条項」についての議論

ある夜の夕食のときに、ベテランの実践者たちのグループは、自分たちがチームで「ふりかえり最優先条項」をどのように使用するか(あるいは使用しないか)に関して意見を交換した。教授でありライタでもあるPhilippe Kruchten氏(source)が、「私たちはチーム全員が最良の仕事をしたのだと理解し本当に信じる」と言えるのかどうか懐疑的であるという発言をして、議論を始めた。この話はとても興味深かったので、許可を得てLinda Rising氏がこのInfoQ記事(source)を書いた。Rising氏の他にEsther Derby氏、Norm Kerth氏およびMary Poppendieck氏らが、チームで「ふりかえり最優先条項」を使用したときの最良・最悪の経験を持ち出して、論争に加わった。


「ふりかえり最優先条項」は、安全な環境を築くことを意図している。つまりそれは個人に責任を負わされる恐れなくチームメンバーがプロセスおよびツールを自由に検討することができるということである。これは、Norman Kerth氏のProject Retrospectivesという名の本(source)およびウェブサイト(source)に由来する。そこには次のように書かれている。

「私たちが見たものに関係なく、チーム全員が、その時点で分かっていることや彼(彼女)のスキルおよび能力、利用可能なリソース、そしてそのときの状況の中で最良の仕事をしたのだと理解し本当に信じます。」

議論は、Kruchten氏ががこれに挑戦したことにより、始まった。
.本当に?私は、開発者とコンサルタントとしての経験の中で、堕落していて不快で、本当に否定的な人々を見てきました。ほとんどの場合、私は彼らに対して何もすることができませんでした。私ができたことは、彼らを避けるか、彼ら抜きで仕事をすることだけでした。とにかく「本当に信じる」ということは私には受け容れられません。
この発言は共感を呼んだ。自分たちの組織の幹部が我々の不正を疑って調査するような場合は、私たちはどうすればこのプラクティスを使用することができるのだろうか?あるいは、怠け者か悪意のある反抗者がチームにいることが明白な場合には?


Rising氏は回答する。

 「ふりかえり最優先条項」は、現実に関するものというわけではないのです。それは、学習効果を最大にするために脳がちょっとだけ他のところに注目できるようにするようなものです...みんなに「ふりかえり最優先条項」にサインアップするように頼んだときに、あなたが思ったような疑念を彼らも同じように心に抱くだろうと思いますが、私はそれでいいと思っています。確かに少しの間、異論があるかもしれません。しかし、チームは学習できるので、使用するかの判断を少しの間保留しておいても問題はありません。

Owen Rogers氏(source)は、

私は理解するのに少し時間がかかりました。私がNorm氏の本から受けた印象は、それはふりかえりを始めるおまじないのようなものだということでした。私は2~3回試しましたが、おまじないではありませんでした。なので、私はおまじないだという考えを捨てました。...(中略)...これには単に読み取れる以上のものが要求されます。始まる前に、真の意味についてメンバーと議論している必要があります。

HPで長年、ふりかえりの教育と実践をしてきたコンサルタントであるAinsley Nies氏(source)は、個人のふりかえりのための有用なコンテキストとするために、「ふりかえり最優先条項」を適用するシーンを、チームとしての活動から個人の活動へと移すことを提案している。

あなた自身に「ふりかえり最優先条項」を適用することを忘れないように!私の、個人のためのふりかえりワークショップでは、私たちが自身のことや自分の経験についてどのように話すかによって、未来がどのように大きく影響を受けるか議論します...自分自身に対してよりも他人に寛大に接する多くの人たちにとって、この議論が最終的に彼らの仕事にどのような影響を与えるか、に注目しています。

InfoQにあるLinda Risingによる「Questioning the Retrospective Prime Directive(source)」の全ての議論を読んで欲しい。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/02/retrospective-prime-directive

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