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よい朝会はどう作るか

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アジャイルプラクティスの中でも一番シンプルでありつつ、一番話題になるのが朝会だ。(Scrumではデイリースタンドアップミーティングと呼んでいる。)

scrumdevelopmentメーリングリストで、Jeff Martinがこんな質問をした(source)

探しているものがあるんですが、見つけられません。検索キーワードを間違ってるだけだと思うんですけど。朝会のスクリプト(発言を一字一句そのまま記録した議事録か、台本のようなもの)を誰か持ってませんか?うちでScrumをやってるんですが、うまくいかないところが多くて、メンバーがもうやめようとか、週に2回やればいいとか、言ってるんです。

この質問には様々な回答が寄せられた。Marcie Jonesはミーティングのファシリテーションに(source)問題がある(もしくは、まったくやってない)のではないかと示唆した。


1) スクラムマスターが遅刻してしまうと、チームの時間や朝会を大事にしていないと思われてしまう。これは重大な問題だ。スクラムマスターが大事にしていないことを、誰が大事だと思うだろうか?

2)ミーティングは時間通りに始めること。
「いまちょっと手が放せないんだ。5分だけ待ってくれない?」と言うのも、チームの時間を大事にしていないことになる。あなたがいつもミーティングの開始を遅らせていると、これもまた朝会は大事なことではないと思われてしまう。 本当は朝会が一日の中で一番重要な時間であるのにも関わらず。

3) 1番と2番がどうしても守れないなら、朝会の時間帯を変えてみる。
そもそも態度に問題があったら、開始時間を変えても問題は解決できないが。

4) 不要な議論はやめさせる。
あなた自身がスクラムマスターとして、朝会をファシリテートしなくてはならない。1日中「チームメンバー」として仕事をしていても、朝会のときだけは別なのだ。
議論を始めたメンバーに対して、別の場でやってくれるよう頼んだり、全体の朝会が終わるまで待つように指示したりするという手がある。
抵抗される場合もあるが、ここは厳しくならなければいけない。

5)説明が曖昧だったら、質問すること。
「タスクについて現状を言ってください」とか「それじゃだめです」と言うだけではいけない。チームの人と1日中話をしているのだから、質問するときには回答を引き出すようにするべきだ。たとえば「○○はどうなりました?」「○○についてどうすることに決めましたか?」「○○で××できました?」など。チームメンバーはだんだんと、どの程度まで詳しく説明すればいいのかわかるようになる。 適切な質問を投げかけてあげれば、適切な詳細さの目安になる。場合によっては、説明しているとき回りの目がうつろになるのに気づいて、レベルが間違っていると
わかることもあるだろう。

6) チームに毎日朝会をやるように、たとえば1イテレーションの間だけ続けてみるよう頼み、その間に問題を解決すべく試みる。約束した期間が過ぎても改善しなければ週2回にすると約束する。約束は守ること。週2回になってしまったら、そこを出発点と考える。ふりかえりをしていれば、朝会を毎日やるように戻すのも可能なはずだ。


朝会のルールはきわめてシンプルなのでスクリプトがあっても役に立たないと(source)、Artem Marchenkoが指摘した。


小規模な朝会はあまりにもシンプルなので、実例のスクリプトがあってもたぶん役には立ちません。あなたが知りたいのはきっと、ジェスチャーや表情、声の調子や信頼感をスクラムマスターが(チームメンバーも)どう使っているのか。そうしたことで、助けが必要な状況でどう手助けをするのか、ではないでしょうか。スクリプトで表現するのは難しいことばかりです。


Scott Weberは(source)以下のようなスクリプトを提示した。(ところで、多くのメンバーはこのスクリプトがあまりに指揮命令っぽいと感じ、Scottに賛同はしなかった。)


スクラムマスター: スコット、昨日はどこまでできましたか?
スコット: 昨日はタスクXとYが終わったけど、Zがうまくいきませんでした。ジョンに手伝ってもらおうと思います。(ジョンに手伝う余裕があるとして)
スクラムマスター: スコット、今日は何をする予定ですか?
スコット: ジョンと一緒にZを完成します。次にAAに着手します。
【チームの1人ずつについて繰り返す】

後で、スコットは次のようにコメントした。

スクラムが生み出す宝物のひとつが、自己管理型のチームです。
開発チームのメンバー(技術者だけではありません)ひとりひとりがチーム全体のために、効果的に貢献し、積極的に関与するようになるのです。

一連の議論の中で、朝会に関する素晴らしい記事がいくつか紹介された。Simon Bakerは朝会の概要を紹介した(source)(ブタとニワトリのジョークもちゃんと書いてある)。Mishkin Bertigは朝会がうまくいかない場合についての話を紹介した(source)。Jason Yipは朝会のパターンを紹介した(source)


朝会は話を聞いただけだととても単純そうに思えるが、実際に実施して適応しようとすると、困難にぶつかるチームが多い。朝会というものに、われわれのア ジャイル原則を適用しよう(メタ・アジャイルだ)。なぜ朝会をやるのか、そのゴールを明確にしよう。そしてゴールを達成できたか、朝会1回ごとに確認でき るようなテストを準備しよう。残念ながら議論の中では、ゴールを明確にすることについては触れられなかった。スレッド全体において、朝会のゴールの話は現れてもそのまま流れてしまい、議論の対象とはならなかった。

あなたにとって朝会のゴールはなんだろうか?ここで紹介した朝会のやり方によって、あなたのゴールを達成できるだろうか?

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/05/good-standup-meeting

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