InfoQ

News

OpenJDKを真のオープンソースにする架け橋「IcedTeaプロジェクト」

作者 R.J. Lorimer, 翻訳者 渋川 よしき 投稿日 2008年6月18日 午後6時39分

コミュニティ
Java
トピック
ライセンス,
コミュニティ,
ガバナンス,
オープンソース
タグ
Java SE,
GNU
GPL ライセンスのJavaプラットフォーム実装である、OpenJDK(source)が Sun(source)から正式にリリースしてから1年になる。この間にJavaコミュニティは、この新しいオープンソースのコードベースに再び向かい始めている。

Andrew Haley氏とRed HatのThomas Fitzsimmons氏は記事(source)の中でOpenJDKの最初の発表と、それに続くIcedTeaプロジェクト (source)の誕生について議論している。

現在OpenJDKと呼ばれているソースコードが完全に公開されたのは2007年5月9日でした。このソースコードに関しては多少の問題がありました。一番顕著だったのは、いくつかのコードが抜かれていたことです。何年もの間、Sunはいろいろな種類のソースコードで組み立てられたJavaライブラリをライセンスしてきました。その中にはオープンソースが許可されていないコードもありました。これはオープンソースでないソフトウェアを組み込んではならないというFedora Linuxの規則の上で問題になります。これらの見たことがないコードの信頼性を維持する作業は大変なものでした。

GNU ClasspathチームとRedHatの開発者が一緒になり、IcedTeaプロジェクト (source)が立ち上げられた。このプロジェクトは OpenJDKの中に残る独占的使用権を持つコードを、オープンソース実装で置き換えることを目的としている。GNU Classpathにより、OpenJDK内に残る独占的使用権を持つ数多くのバイナリのプラグインは、GPLライセンスの代替実装に置き換えられていった。IcedTeaプロジェクトはこうした活動を通じて、RedHat Fedora Linuxディストリビューション(source)のようなプラットフォームに簡単に組み込むことのできるOpenJDKを構築している。Fedora 9には機能的に完全なOpenJDKパッケージが含まれている。このパッケージに対して、IcedTeaプロジェクトが一部貢献している。

 
バイナリのみがリリースされている独占的使用権を持つプラグインの問題の解決することだけが、IcedTeaプロジェクトが立ち上げられた理由ではない。OpenJDKの中には、プラットフォームの移植性が低いという問題もある。

Sun がリリースしたOpenJDKはi386とAMD-64のマシン上でしか動作しませんでした。Fedoraはこれ以外のシステム上でも実行されます。特に PowerPCベースのシステムを多くサポートしています。この問題を解決するために、私たちはIcedTea移植プロジェクトをスタートしました。このプロジェクトはSunのC++インタプリタの上で動作するOpenJDKを作成しました。これによってPowerPCがサポートされました。これは最終的になくなり、アセンブラコードが完全に排除されたバージョンができました。これは実装されましたが、これについてはまだ作業を行っています。

ハイパフォーマンスJITに関しては「shark」プロジェクトが取り組んでいる。現在はGary Benson氏が開発を行っている(source)。Genson氏にとっての「shark」プロジェクトのゴールは、完璧なプラットフォーム移植性を持つJITを作成することである。彼のブログ(source)ではプロジェクトの状況が日々更新されている(source)

この一週間の間に、IcedTea6 1.2がリリースされた(source)。これはOpenJDK6を対象にした、IcedTeaのバージョン1.2ということを表している。バージョンは1.2には、1.1 からの変更点がいくつかある。
  • b09へのアップデート
  • PYCCとLINEAR_RGB ICCに関するlcmsライブラリの追加
  • プロファイル
  • midiサポートのためのにGervillの統合
  • JTregの統合
  • javaws/NetXの修正
  • セキュリティの向上、ソケット権限の名前によるキャッチ
  • ランタイム
  • JNLPサービスAPIの残った箇所の実装(Print Service, JNLPRandomAccessFile)
  • アプレットのフォーカスのバグフィックス
  • sparc/sparc64への移植
  • デスクトップファイルの統合
  • zeroの各種修正
  • サウンドの修正
  • フォントの修正
  • 数多くのバグの修正(リスト1(source), リスト2(source)

オープンソースコミュニティがOpenJDKを選択するようになってからは、コミュニティになじむように、OpenJDKの内部自体が変化してきている。 Java SEのチーフエンジニアであるMark Reinhold氏は、OpenJDKの規約について最初の修正を行うというアナウンス(source)を先週行った。最初の規約はすでに失効していたため、修正が必要であった。

この規約では暫定の管理委員会は1年間の期限後に解散するということを規定しています。これは3週間前の2008年5月8日でした。私たちはまだ新しい規約を用意できていません。

まだドラフト段階です。

Reinhold 氏はOpenJDKメンバーがコミュニティとしてプロジェクトに関わり続けられるようにするための規約改定作業が遅れていると説明している。これらの主要なコミュニティの一つがIcedTeaプロジェクトである。Reinhold氏はまた、暫定に管理委員会がSunからの独立を保つという恒久的なゴールについては達成されていないが、この点を改善するように作業をしているところだ、と述べている。
そのため、正式な管理委員会の文書のドラフトでは、むしろ、コミュニティとの共同作業をサポートする効果的なコードやインフラ (source)にエネルギーを注いでいます。

これらの目的を達成するために、まずは規約の期限を延長し、委員会の人数を5人から7人へ拡張するという変更がされようとしている。


IcedTea プロジェクトに関する詳しい情報や、最新情報はIcedTea wiki(source)にある。また、OpenJDKプロジェクトに関する詳しい情報はOpenJDKの公式ウェブサイト(source)で知ることができる。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/06/icedtea_openjdk

ブックマーク
digg+,
reddit+,
del.icio.us+,
dzone+,
Hatena

No comments

返信

ジャンル別一覧

Linda Rising氏による「誰を信頼しますか?」

Agile2008の3日目、8/6(水)午前中の、Linda Risingによるセッションです。セッションの冒頭、Linda Risingはとてもゆったりとしたきれいな、わかりやすい英語で話し始めました。

Googleの分散処理技術(マルレク2006 第1回より)

Web2.0 に対する関心は、引き続き高いものがあります。 ただ、その関心は、新しいビジネス・モデルと、プログラミング・スタイルの二つの分野に集中しているように思えます。 今回のセミナーでは、Google のサービスの基礎である分散処理技術に注目します。

Jean Tabaka氏による「Collaboration Explained--真のアジャイルチームのためのファシリテーションツール」

Jean Tabaka氏の書いた書籍では、会議などのチーム活動において、ファシリテーションの手法とツールについて具体的かつ実践的に説明しています。8/8(金)、Agile2008の最終日の朝のセッションでは、Jean Tabaka氏自身が本の内容をベースとしたセッションを行いました。

Hubert Smits氏による「ゲーム・デザイン・ワークショップ」

Agile2008の4日目となる8/6(木)の8:30から、Hubert Smits氏による「ゲーム・デザイン・ワークショップ」がおこなわれました。ゲームと言っても単なる遊びではなく、「フレームゲーム」と呼ばれる、グループでの情報収集や意志決定、また教育やトレーニングの教材として使えるいろいろなゲームです。

スケーラビリティに関するベストプラクティス:eBayからの教訓

eBayが日々挑んでいる主要なアーキテクチャの勢力は、スケーラビリティです。これはアーキテクチャや設計に関するあらゆる意思決定を特徴づけたり、駆り立てたりします。

インタビュー: Emmanuel Bernard氏にBean Validation仕様について聞く

Bean Validationフレームワークの初期ドラフトに関する以前の記事に続き、InfoQは専門家グループが求めているコミュニティの関与と提案について理解を深めるため、Emmanuel Bernard氏と対談しました。

ポーカーに学ぶ、ソフトウェア開発のレッスン

ポーカーは他のトピックにも広く適用できるような数少ない教えを私にもたらしてくれたと信じています。実際私はソフトウェアを開発すればするほど、これら二つの仕事は非常に似ていると言う確信の度合いを深めています。

InfoQがBPEL4PEOPLEの代表と対談

恒例の「バーチャルパネルセッション」で、InfoQは新しいOASIS BPEL4People技術委員会の代表と対談をし、この作業が何故必要であるかについて彼らのフィードバックを得る機会を得ました。