InfoQ

News

新しいJavaの並行処理機能: Phasers

作者 R.J. Lorimer , 翻訳者 佐野 徹郎 投稿日 2008年7月24日 午前12時9分

コミュニティ
Java
トピック
JCP Standards,
パフォーマンス&スケーラビリティ
タグ
Concurrency,
JCP

先日、JSR 166(リンク)(並行処理ユーティリティ)の仕様リードであるDoug Leaは、JSR-166yに導入されるPhasersという新しい機能について、166yのConcurrency-interest(リンク)メーリングリストに投稿した。

これまで、ForkJoinTasksに限定されていた、forkjoin.TaskBarrierクラスの柔軟なバリア機能は、あらゆる種類のタスクに適用される、(j.u.c.forkjoinではなく、j.u.cの対象となる)Phaserクラスとして作り直されます。

「Phaser」のコンセプトと名称は、ライス大学のチームによる、このホワイトペーパーの中で(PDF・英語)作られた。この名称は、フェーズの順序付け(Phase ordering)とデッドロックの回避(Deadlock avoidance)という特性の構築に由来する。このホワイトペーパーでは、Phaserのいくつかの詳細について説明している。Phasersと既存のJavaの機能を比較するときに、(Java 5で導入された)CyclicBarrierクラス(リンク)と同様の機能をサポートすると説明されることがあるが、本質的にPhasersはより柔軟だ。

java.util.concurrent.CyclicBarrierクラスは、スレッドの集合に対する同期化の、定期的なバリアをサポートします。しかし、CyclicBarrierはPhasersと異なり、スレッドの動的な追加や削除をサポートせず、一方向の同期化や分割フェーズの操作もサポートしません。

さらなるバリアの実装を検討する、主な動機の一つは、バリアの同期化コンセプトの柔軟性を向上させるだけでなく、パフォーマンスとスケーラビリティも向上させることだ。

3つの異なるSMPプラットフォームでの、ポータブルなPhasersの実装から得られたパフォーマンス結果は、それらが一般的かつ安全な特性による、生産性のメリットに加えて、既存のバリアの実装よりも、優れたパフォーマンスを提供できることを証明しました。

Doug Leaが述べたように、JSR-166yのためのPhaserの実装は、既存のfork/joinフレームワークの実装をもとに、作り直されている。fork/joinフレームワークについては、これまでにもInfoQで繰り返し取り上げたように(参考記事1・英語) (参考記事2)、来たるべきJSR-166yの中心的な機能の一つで、フレームワークの目的と用法を説明する、Doug Leaのホワイトペーパーの主題でもある (PDF・英語) 。上記のTaskBarrierクラスは、さまざまなタスク間の境界を管理し、それらの結果をマージするために、つまり、タスクをジョインするために、fork/joinフレームワークによって利用される。


JSR-166yにおけるPhaserクラスの、ドラフトJavadocも(リンク)見ることができる。Leaは、Concurrency-interestメーリングリストへのメールで、これはまだドラフトであると明言している。

コメントや提案は、いつでも大歓迎です。このAPIは、さらなる利用を検討するため、そしてまた、できれば、もっと良いメソッド名にするため、少し変更するかもしれません。

現在のところJSR-166yは、Java 7の一部として含まれることが、予定されている。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/07/phasers

ブックマーク
digg+,
reddit+,
del.icio.us+,
dzone+,
slashdot+
Hatena

特集コンテンツ一覧

Flex 4の新機能トップ10

今週(2009年6月1日)AdobeはFlex 4の正式な初ベータ版をリリースしました。Flex 4はGumbo(オクラ)というコードネームで開発されています。今回のリリースには大きな変更が多数含まれています。このRIAフレームワークの最新バージョンにおいて変更された事柄についての概要を以下のリストで見ていきましょう。

Domain Driven Design(ドメイン駆動設計) Quickly 日本語版

ビジネス領域の深い理解を反映したドメインモデルを設計するための、ヴィジョンとアプローチです。この本は、Eric Evans氏の「Domain Driven Design」の主要点を短く読みやすく要約しました。

JavaプログラマがFlexとBlazeDSを学んだ方がいい13の理由

この記事ではJavaプログラマがなぜFlexとBlazeDSを学ぶべきなのかについて13の理由を述べています。なぜ高度にインタラクティブなWeb サイトからJavaで開発されたバックエンドをもつエンタープライズ・アプリケーションまでを含む、リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)の開発にFlexとBlazeDSの組み合わせが最適な選択肢となるのかについて述べています。

仮想パネル: バックログは重要な成果物とプラクティスか、それとも無駄か?

Mary Poppendieck氏、Ron Jeffries氏、Jeff Patton氏、David West氏、Steve Freeman氏、Jason Yip氏が、バックログに関する彼らの意見とアジャイルチームを成功させるために必要な事を語った。

Perf4Jを使ったパフォーマンス解析とモニタリング

この記事ではAlex Devine氏が、Java開発者がPerf4Jをどのように利用できるかと、タイミングステートメントにコードを追加し、ロギング、結果の解析とモニタリングを行うオープンソースツールセットの説明をします。

複雑な外部DSLを開発する

本稿では、Vaughn Vernon氏が内部DSLと外部DSLの違いを説明し、複雑な外部DSLを開発する際のステップを示します。

J2EEアプリケーションにおけるAOPを使ったフェッチ戦略の実装

この記事では低レベルのサービス・レイヤやリポジトリ・レイヤを肥大化させることなく、フェッチング・ストラテジによってモジュール化された方法でバックエンドにあるシステムからデータを取得する処理を最適化する方法について説明します。

実証済みのアイデアの融合: S#arp Architectureの裏側

この記事では、Web開発における多数の成熟傾向と、クライアントに価値を提供することに対するそれらのメリット、およびS#arp Architecture(最善の手法と技術を活用しようとするASP.NET MVCをベースとしたフレームワーク)内でのそれらの使用について取り上げます。