InfoQ

News

モデリング言語はどのように見えるべきか、これに関してUMLはどのような立場をとるべきか

作者 Sadek Drobi , 翻訳者 大田 緑 - (株)チェンジビジョン 投稿日 2008年11月18日 午前12時52分

コミュニティ
Architecture
トピック
設計,
言語,
モデリング,
Domain Specific Languages

Steven Kelly氏とJuha-Pekka Tolvanen氏の著書「Domain Specific Modeling」に基づき、Learning Lispブログの作者Lispy氏が、モデリング言語がどのように見えるべきかについてある考えを発表した(リンク)

1) モデリング言語は、実装の詳細ではなく、ドメイン問題の概念にマッピングすべきである。

2)モデリング言語は、ドメイン専門家のコミュニケーションのためだけでなく、開発タスクのために形式化され、役立たなければならない。つまり、モデルから実行可能なコード、文書、テストのためのあるクラスなどを生成することを可能にしたり、他のテストをいくつか実装する必要をなくしたり、コードをメンテナンスする人のために抽象化のレベルを上げたりするのだ。

3) モデリング言語は、スタンドアロンツールのサポートを持たなければならない。それによって、ドメイン専門家は「フレームワークとライブラリを整理でき、そうすれば、モデルを完全に機能するコードにコンパイルできる。」そして、ツールのサポートなしでは、コードに関して考えなくてはならないのである。この考えを説明するために、Lispy氏は、Cをマシンコードにコンパイルする例を使う。Cは、どうかすると「マシンコードのためのモデリング言語」である。マシン言語の専門家によって作成されたコンパイラを使えば、Cプログラマはコンパイルされたマシンコードを修正しなくてもよい。

したがって、実際役に立つモデリング言語を手に入れるために、問題の両側で「ドメインに特化して」いなければなりません。つまり、モデリング言語は、問題ドメインに直接マッピングしなければならず、生成されたコードは、ターゲットの環境に直接マッピングしなければなりません。[…] コード生成プロセスが複雑すぎる場合は、フレームワークレベルでより良い抽象化が必要かもしれません。コード生成プロセスが実行できない場合は、モデリング言語が、要求を十分詳細まで記述して提供していないのかもしれません。モデルの重複が多すぎる場合は、モデリング言語は、追加の概念を対象とするよう拡張する必要があるでしょう。

UMLは、これらすべての意見に関してどのような立場をとるのか?著者によると、モデル駆動開発にふさわしいツールはない。それは、コンパイルも実行も解釈もできず、「単なるドキュメントのレベルに落ちて」いる。そして、「もはや苦心して作り上げたコードのコメントよりもプロジェクトに価値を付け加えることはない」のだ。Lispy氏によると、UMLは「問題の間違ったほうに」抽象化を適用している。なぜなら、それは「コーディングのアーキテクチャにマッピングするように設計されており、そのため、抽象化のレベルを上げるのに失敗している」のである。

Seven Kelly氏は、最近同様の意見を述べた(リンク)

私は、いつも実装の手段に関してもっと具体的なものとしてUMLを考えています。例えば、オブジェクト指向言語の制限やモデルに直接指定された実装の独立したクラス、フィールド、メソッドなど。抽象化の高いレベルにあるUMLの唯一の部分は、ユースケース図です。精密さを失っているのはそれだけなのです。

しかしながら、彼の投稿に対して、Franco Civello氏がモデル駆動開発でUMLをうまく使う可能性はまだある(リンク)と主張した。精密な解釈に影響を受けやすいUMLの部分だけに使うという条件で、「抽象化の高いレベルで精密なモデルを表現する」ことができる。
 

私の立場が正しいことを証明しましょう。UMLが実装の詳細がなくてもどのように精密なモデルを書くために使われるか、1つ例を挙げます。

要求を明確にするために略式のユースケースと、主題となっている分野の最初の理解を得るためにドメインモデルを作成し、分析者がUMLで精密な仕様モデルを作成します。開発されるシステムは、オブジェクトとして表され、型に属しています。(注 - クラスではありません。システムは目に見える振る舞いを定義するために使われた抽象化です。Javaなどで直接実装されるソフトウェアエンティティではありません。)

ユースケースフローのステップは、その結果システム型の操作として正式なものになります。機能的な規約の概念に基づき、振る舞いの宣言型の仕様が用いられます。それは、基礎となるモデルに表現された、前後の条件として書かれています。(システム型モデル。ドメインモデルから厳密に派生します。)

Lispy氏は、このアプローチは面白いと判断し、Kelly氏とTolvanen氏が彼らの著書で提案することとかならずしも矛盾していないと論じた。UMLは、コードアーキテクチャを記述するためよりもむしろ、ドメイン問題をマッピングするのに使われる。そこには、あるレベルの形式化があり、Franco Civello氏によって強調されているように、「UML、xUMLの実行可能なサブセットも利用可能であり、いくつかのツールでサポートされている」のである。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/11/useful-modeling-language

ブックマーク
digg+,
reddit+,
del.icio.us+,
dzone+,
slashdot+
Hatena

特集コンテンツ一覧

Flex 4の新機能トップ10

今週(2009年6月1日)AdobeはFlex 4の正式な初ベータ版をリリースしました。Flex 4はGumbo(オクラ)というコードネームで開発されています。今回のリリースには大きな変更が多数含まれています。このRIAフレームワークの最新バージョンにおいて変更された事柄についての概要を以下のリストで見ていきましょう。

Domain Driven Design(ドメイン駆動設計) Quickly 日本語版

ビジネス領域の深い理解を反映したドメインモデルを設計するための、ヴィジョンとアプローチです。この本は、Eric Evans氏の「Domain Driven Design」の主要点を短く読みやすく要約しました。

JavaプログラマがFlexとBlazeDSを学んだ方がいい13の理由

この記事ではJavaプログラマがなぜFlexとBlazeDSを学ぶべきなのかについて13の理由を述べています。なぜ高度にインタラクティブなWeb サイトからJavaで開発されたバックエンドをもつエンタープライズ・アプリケーションまでを含む、リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)の開発にFlexとBlazeDSの組み合わせが最適な選択肢となるのかについて述べています。

仮想パネル: バックログは重要な成果物とプラクティスか、それとも無駄か?

Mary Poppendieck氏、Ron Jeffries氏、Jeff Patton氏、David West氏、Steve Freeman氏、Jason Yip氏が、バックログに関する彼らの意見とアジャイルチームを成功させるために必要な事を語った。

Perf4Jを使ったパフォーマンス解析とモニタリング

この記事ではAlex Devine氏が、Java開発者がPerf4Jをどのように利用できるかと、タイミングステートメントにコードを追加し、ロギング、結果の解析とモニタリングを行うオープンソースツールセットの説明をします。

複雑な外部DSLを開発する

本稿では、Vaughn Vernon氏が内部DSLと外部DSLの違いを説明し、複雑な外部DSLを開発する際のステップを示します。

J2EEアプリケーションにおけるAOPを使ったフェッチ戦略の実装

この記事では低レベルのサービス・レイヤやリポジトリ・レイヤを肥大化させることなく、フェッチング・ストラテジによってモジュール化された方法でバックエンドにあるシステムからデータを取得する処理を最適化する方法について説明します。

実証済みのアイデアの融合: S#arp Architectureの裏側

この記事では、Web開発における多数の成熟傾向と、クライアントに価値を提供することに対するそれらのメリット、およびS#arp Architecture(最善の手法と技術を活用しようとするASP.NET MVCをベースとしたフレームワーク)内でのそれらの使用について取り上げます。