InfoQ

InfoQ

News

マイブックマーク

ブックマークするためにログイン または 会員登録 する

ブックマークされました!

ブックマークがエラーになりました。もう一度お願いします。

Axum - Microsoftによる並行性のためのアプローチ

作者 Abel Avram , 翻訳者 菅野 裕 投稿日 2009年4月30日

セクション
デベロップメント
トピック
.NET ,
言語
タグ
Erlang ,
Parallel Programming

原文(投稿日:2009/4/23)へのリンク

AxumはMicrosoftのインキュベーション言語プロジェクトであり、分離やアクター、メッセージパッシングを通じて.NETに並列プログラミングモデルを提供するものだ。以前はMaestroと呼ばれていた。この言語はErlangから多くの概念を借り受けているが、C#風の構文を使ってい る。

AxumはC#風の構文を持った命令型言語である。オブジェクトについては知っているがクラスは定義できない。というのも、この言語はオブジェクト指向ではなくドメイン指向、アクター指向だからだ。AxumはMicrosoft RoboticsのConcurrency and Coordination Runtime (CCR)(リンク)をベースに作られているが、同時並行性のタスクをこなすための汎用言語になることを目的としてはいない。狙いは他の.NET言語から並行性が必要なときにAxumコードを呼ぶ出せるようにすることだ。

状態の共有は並列処理にとって大きな障害と考えられている。Axumで状態を共有するには、一方がそれを使っていることを宣言する必要がある。そしてランタイムが格納されているデータへアクセスするためのシリアライズ処理を制御する。同時並行性は完全に言語に組み込まれている。

Axumにおける重要な概念はドメインだ。ドメインとはリソースのリポジトリであり、データエージェント関数の集合である。ドメインは互いに分離されており、それぞれのデータや共有された状態を保護する。状態は同一のドメインのエージェントによって共有することができる。ドメインの関数はいわゆる純粋な関数であり、呼び出し間で状態を保持しない。ドメインの中では、エージェントがチャネルを通じて互いにメッセージを交換している。スキーマは互いに関連を持たないエージェント間のコミュニケーションを助けるために導入されたもので、適切なやりとりをするためにある種のメタデータを必要とする。

エージェントは基本的に他のエージェントとやりとりできるスレッドであり、共有された状態へのアクセスは次のようにreader/writerの宣言を追加することで制御する。

domain A {

   int i;

   int func(int k){}

   writer agent X: Channel1 {}

   reader agent Y: Channel2{}

}

domain B {

   int j;

   agent Z: Channel1 {}

}

このドメインエージェント間のやりとりを図式化すると次のようになる。

axum

MicrosoftからAxumの計画について公式発表はないものの、Axumチームは製品化の準備を始めているようだ(リンク)。文書化の課題がまだあるものの、残課題はVisual Studioとの統合を完璧にしてMSIパッケージを作ることだ。

特集コンテンツ一覧

GAE開発の落とし穴

Googleのクラウド環境をつかったGoogle App Engineによる開発するにあたり、初めての試みで苦悩する開発者達の経験をもとに、各開発フェーズにあわせて問題点やどう解決したかをご紹介します

イベントレポート:「Coqチュートリアル#1」

去る1月12日、定理証明支援系ツールCoqの初心者向けチュートリアルが開催さ れた(http://kokucheese.com/event/index/23667/)。今後も2月2日 (http://kokucheese.com/event/index/23744/)、2月9日、2月16日と引き続き開 催されていく予定である。本記事では、開催の様子をレポートする。

Javaの未来についてのNeal Gafter氏とのディスカッション

Choosing Options

Neal Gafter氏はOracleによるJava買収の影響に関する議論、Javaにセグメンテッドスタックやメタオブジェクトプロトコルを追加することについての主張、そしてJavaとC#との比較について話をしてくれた。

Google Dartのエッセンス:アプリケーションの構築、スナップショット、Isolate

GoogleはVMをともなう新しい言語であり、JSコンパイラでもあるDartをプレビューした。 InfoQはDartのアプリの構築に貢献する文法の裏側を探った:スナップショット、Isolate、モジュール方式

CSPベースのモデル検査ツール「Process Analysis Toolkit」

本記事ではCSPベースの「マルチドメイン・モデル検査ツール」である、PAT(Process Analysis Toolkit)について紹介する。モデル検査は、形式手法(Formal Method)という方法論を基礎とする技術であり、複雑さが増大しながらも安全性を求められる、現在のソフトウェア開発の状況に対する処方箋の1つとして注目されている手法である。

Jenkinsによる継続的インテグレーションのススメ(4) ~CloudBeesでJenkinsをサービスとして使う~

前回まで、Jenkinsの幾つかの側面に注目して解説をしてきました。シリーズ最後の今回は、Jenkinsをサービスとして使う方法を紹介します。

書籍『抽象によるソフトウェア設計-Alloyではじめる形式手法-』の紹介

Alloyは、MITにて開発された仕様記述言語であり、ツールによる自動解析を使い、インクリメンタルに形式仕様が書けることが特長である。筆者らはAlloy開発者による、Alloyを使った形式手法入門書を翻訳、今夏にオーム社より刊行した。本記事では、Alloyの簡単な概要と、翻訳書『抽象によるソフトウェア設計』(「Alloy本」)を紹介する。

Windows デバイスで開発するタッチユーザーインターフェイス

スマートフォンを中心としたマルチデバイスにおけるタッチユーザーインターフェイスへの対応は、既に必須の項目となりつつある。本記事では、Windows デバイスにおける UX のベースとなっている「メトロ」というデザイン言語を掘り下げながら、既存環境を意識しつつもどのようにタッチユーザーインターフェイス開発に取り組んでいくべきであるかについて解説していく。