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IBMの新たなクラウド戦略とサービス

作者 Dave West , 翻訳者 吉田 英人 投稿日 2009年6月25日

セクション
運用/インフラ,
設計/アーキテクチャ,
プロセス/プラクティス,
デベロップメント,
エンタープライズ・アーキテクチャ
トピック
Architecture ,
SOA ,
デプロイ/データセンター ,
クラウドコンピューティング ,
マネジメント ,
アナウンス ,
仮想化
タグ
IBM ,
IBM Rational

原文(投稿日:2009/6/17)へのリンク

IBMは今週,クラウドコンピューティングをサポートする,一連の新サービスを発表した。その内容の中心は,クラウドモデルを提供する新しい"入り口"とも呼ぶべき,次の3つの機構についてである。

  • IBMクラウド上で動作する,IBM Smart Business 標準サービス
  • BMが構築する(そしてIBMあるいは顧客自身が運用する)ファイアウォール内で動作する,Smart Business プライベートサービス
  • 統合済のハードウェア・ソフトウェアを導入し,自身でクラウド構築することを希望する顧客向けの“CloudBurst”ワークロード最適化システム

これらのサービスはすべてIBMのサービス管理システムに統合される。開発・テストと仮想デスクトップという2つのビジネス領域にサービスを最適化するため,IBMは"クラウド消費/供給(consumption and delivery)モデル"を採用した。

これは次のような見解に基づいている。

ビジネスプロセス全般でITが重要になるにつれ,多くの組織でソフトウェア開発者が,急速にイノベーションの中心になってきています。彼らはサービスと機能を構築し,将来的な利益を生み出すための機会を創出します。事実,開発者が生み出すビジネス価値があまりに大きいために,一般的な企業が開発とテストに投入する技術インフラの割合は全体の30%から50%にまで達していますが,それでもなお90%のビジネス価値が活用されずにいます。

非効率な業務展開がもたらす高コストや稼動率の低さなどに加えて,今日のソフトウェア開発者は,業務に必要なシステムやツールの使用許可取得とアクセスのために多くの時間と生産性を失っています。これを開発者が自分自身で安全に行えるようにすることによって,IT作業コストの50%削減,供給サイクルタイムの週単位から分単位への短縮,品質の向上,さらにはソフトウェア欠陥の最大30%削減が達成できるのです。

IBMは3つのサービスすべてについて,開発・テスト作業サポートに最適化されたバージョンの用意を予定している。仮想デスクトップ用の最適化を行うのは,前2つのサービス(クライアント内クラウドとIBMのパブリッククラウド)である。仮想デスクトップサービスへのニーズは次のようにサポートされる。

IBMのユーザは,クラウドコンピューティングの仮想デスクトップへの適用の成功をも手にしています。これまでのデスクトップやラップトップに比べて最大で73%少ないパワーで,サーバはこの作業を効率よく管理し,エンドユーザによりよい経験(experience)を提供します。クライアント業務のベースをIBM内部のデータとすることにより,仮想デスクトップはエンドユーザITサポートコストを最大40%以上削減します。今,新しい技術が立ち上がる時です。

今回の発表は新技術のサービスというよりも,以前InfoQでレポートしたcloudburst applicancebluecloud,別の場所で取り上げたWebsphere Cloud for developerなど,既存のIBMサービスへの強化・統合・拡張といった意義のものだ。

IBMの今回の発表に対して,New York Times は次のような見方をしている。

BigBlue(IBM)はこれまで慎重なアプローチを取ってきたが,本日の発表はクラウドコンピューティングが企業領域において転機に達したことを証明するものだ。IBMの新たな取り組みはデータセキュリティ,サービス信頼性,規制に関する問題など,数多くの企業における不安を軽減するものと期待される。

IBM の CEOである Sam Palmisano 氏によれば:

情報技術インフラは今すでにストレスの元にあり,データの洪水はますます加速しています。その解決の糸口は作業負荷を取り巻く技術の管理にあると,私たちは確信しています。それこそがIBMのクラウドコンピューティングに対するアプローチ=タスク特定型クラウドです。

この発言は興味深い疑問を引き起こす。"これらのサービスと,その他のエンタープライズ・クラウド・コンピューティングーとりわけSOAーにおいてIBMが持つイニシアティブとの関係はどうなるのか?"

同じ位興味深い疑問,"一連のクラウドサービスの背景にある思想は,セミインテリジェント端末を持った古きIBMメインフレームの再現ではないのか?"

今回の発表によってIBMは,Hewlett-Packard,Microsoft,Cisco Systems,Sun(Oracle),Amazon といった大企業に対するクラウドコンピューティングインフラサービス提供者の仲間入りを果たした。この分野はITビジネスにおいて,これから大きく伸びる領域であるとされている。

IBMにとっては戦術的に必須なのであろう。はたしてIBMの顧客にとっての戦略的好機になり得るだろうか?

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