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スタンフォード大学の研究成果:重度のマルチタスク作業者はパフォーマンスが低下する

作者 Deborah Hartmann Preuss , 翻訳者 和智 右桂 投稿日 2009年9月15日

セクション
プロセス/プラクティス,
設計/アーキテクチャ
トピック
Agile ,
リサーチ

原文(投稿日:2009/09/10)へのリンク

先月、米国科学アカデミー紀要で公開されたスタンフォード大学の研究「メディアマルチタスク作業者の認知的統制」が、多くの人に当たり前と思われている現象を裏付けた。すなわち、しばしば効率化のために行われるマルチタスク作業は確実に生産性を低下させるのだ。この研究が対象としているのは、ITにおいてはよく知られているのにしばしば無視される現象、すなわち、恒常的かつ継続的なマルチタスク作業である。アジャイル実装者は注意すべきだ。各チームは1人のプロダクトオーナーがついた1つのプロジェクトに対して作業をするよう勧めるのには充分な理由がある。注意力を多くの異なるタスクに分散させるのは、作業をする上で非効率的なやり方なのだ。

Wired Magazinは次のように指摘している。他の研究はマルチタスク作業の直接的な効率性(例えば、絶えずメールチェックをする事務員の生産性)に焦点を当てているが、この研究はそれとは違った問いを立てている。これは「常にマルチタスク作業をしている人々に何が起こるのか」というものだ。スタンフォードの研究者であるClifford Nass氏、Anthony Wagner氏、Eyal Ophir氏は262名の学生を対象に彼らのメディア消費の習慣について調査した。もっとも多くマルチタスク作業を行っていた19名と、マルチタスク作業が最も少なかった22名が、2種類のコンピュータベースのテストを行った。なお、それぞれは1つだけのタスクに集中する形で行われた。

集中力に関する標準的な心理学的ベンチマークテストをいくつか用いることで、この研究によって示されたのは次のような結論だった。eメールからウェブテキスト、ビデオ、チャット、電話を行ったり来たりして、継続的に多くの情報の流れをさばいている大学生は、マルチタスク作業をあまりしない学生と比べて明らかに結果が悪かった。研究者が特に驚いたのは、いわゆる「重度のメディアマルチタスク作業者」と呼ばれる人たちが、タスクを切り替える能力に関するテストの結果が悪かったことだ。これについては「おそらく、関係のないタスクからの妨害を取り除く能力が低下しているせいだろう」と言われている。

この研究によって再確認されたのは、認知科学者がはじめからずっと言ってきたことだ。流れ込んでくる複数の情報を処理することは、人間の認識にとっての課題なのだ。

この違いを生み出しているものに対する疑問、すなわち、マルチタスク作業をする傾向にある人がたまたま精神的に混乱しているのか、あるいはマルチタスキング作業が認識に影響を与えているのかということについて、Nass氏はこう言っています。「これは千金に値する疑問ですが、千金に値する回答は私たちにはありません。」

Wagner氏は次にマルチタスク作業の神経学を研究するために脳撮像を用いることを計画している。一方、Nass氏は子供におけるマルチタスク作業習慣の発達を見たいと考えている。

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