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「非忠誠の誓い」

原文(投稿日:2010/07/08)へのリンク

非忠誠の誓い

Alistair Cockburn氏はアジャイルマニフェストの署名者であり、あなたの検討と署名のために次のような誓いを提案している。

質問: 以下を誓えますか?

私は、現在の状況に一番適したアイディアを探すために、どんなアイディアもその発信元によって排除することなく、流派や派閥(schools and heritages)を超えて議論することを約束する。

あなたは賛同できるだろうか? 約束できるだろうか? できるならここにある非忠誠の誓いに署名しよう

非忠誠の誓いはシンプルで理解しやすい。ここで本当に疑問に思えるのは、実際どうしてこんなものが必要なのかだ。

Alistair Cockburn氏はその理由を次のように語っている。

つまり、「それはよくないね。だって、アジャイル、オブジェクト指向、純粋(などなど)じゃないからね」といって話を終わりにしてしまうのでなく、そのアイデア(アジャイルであれ、計画駆動であれ、不純な何かであれ)が現在の状況でうまくいくどうか議論する、ということです。

近況

アジャイルコミュニティは、スマートな人たちとスマートなアイデアに満ちている。その歴史には、スクラム(Scrum)の驚くべき成長もあった。スクラム自体はかなり議論の的になっており、スクラム自体にある種の対立する特性があると主張する人もいる。スクラムに関する議論には、実際のところ何がスクラムなのか、何が「ほぼスクラム」で、何が「正統スクラム」なのか、スクラムは部や部門、企業全体のような巨大な組織を管理するほどスケールするのか、などがある。

最近、かんばん(Kanban)が勢いを増している。 かんばん「陣営」の多くがかんばんを、まさにスクラムに代わるものとして、売り込んでいる。そして時折、これに反撃している熱烈なメンバ、スクラムコミュニティのメンバも見かける。

これはアジャイルコミュニティにおいて連日続いている、数々の半ば教義上の議論のひとつにすぎない。もうひとつよく目にする衝突が、もしPMI(Project Management Institute)がアジャイルの考えをPMBOK(Project Management Book of Knowledge)に事実上完全に統合できたら、という、時に白熱する議論だ。それはあり得るのだろうか?「アジャイルプロジェクトマネージャ」というものがあるのだろうか? このPMI-Agileに関するInfoQの記事を読むと、現在繰り広げられている議論についてもっと知ることができる。

2009年の後半には、アジャイルコミュニティの一部で少々白熱した議論が巻き起こった。あるオンライングループとブログにおいて、差異が対立とある種の批難につながったのだ。険悪なムードになったとき、Jean Tabaka氏は自身のブログ記事において、不快な対立がエスカレーションしているのを見てこう叫んだ。「エスカレーションがアジャイルを殺そうとしている。どうかやめてください」 少しして Tabaka氏はLiz Keogh氏Eric Willeke氏の助けで、Community of Thinkers宣言を作った。

アジャイルコミュニティはまさに頭のないけものであり、討論の場だ。そこでは全く異なるアイデアが議論され、しばしばそれらが隣り合って使われる。Alistair Cockburn氏の非忠誠の誓いというのは、ある意味それに賛成する人たちの労働協定だ。

純粋な民主主義は規模においてあまり効率的でないが、アジャイルコミュニティは大きく、ますます大きくなっている。ここにギャップがある。ここで私たちが見ているものは、新しい高次のコミュニティ組織形態の出現だ。

この新たな組織形態において、そのコミュニティの実質的な非公式の権威を持った人たちは、それを利用して、勢いを増している規模において事実上の指針となるコミュニティの選択労働協定を明確に規定している。

アジャイルマニフェストは今でもコミュニティの指針であり続けているが、多くの人が今の現実を反映するよう、アジャイルマニフェストに変化を求めてきた。例えば、多くの人が、アジャイルマニフェストは「計画に従うよりも変化に対応すること」を求めているのに、マニフェスト自体はそれができてから約10年、まったく変化していないと指摘している。

アジャイルコミュニティは大きな自己組織化したシステムだ。Community of Thinkers非忠誠の誓いのような宣言の出現によって、コミュニティ規模の「指針にあるギャップ」を埋めることは可能だろうか?

さあ議論しよう。是非この記事にコメントしてほしい。

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