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Android 3.0 (Honeycomb)-開発者が期待できるものは何か

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原文(投稿日:2011/02/18)へのリンク

1月26日に、Googleは、非常に注目されているAndroid 3.0(Honeycomb)オペレーティング システムの開発者向けプレビュー版をリリースした。それ以来、開発者は、SDKの一部として出荷されているAVD(Android Virtual Device) マネージャによって、この新しいリリースを見ることができる。

HoneycombとこれまでのAndroidバージョン、 Froyo とEclairとの違いは、より大きなディスプレイ、特にタブレット フォームファクタを考慮して、徹底的に設計されていることである。これらのより大きなディスプレイをサポートするために、この新しいオペレーティングは、“Holographic”と呼ばれる新しいUIテーマをフィーチャしている。これによって、オペレーティングに新しいスキンを加えているが、同時に既存のAndroidユーザーが親しんでいる多くの基本的なフィーチャをそのまま保っている。

2月2日に、Googleは、 Mountain Viewにある本社で、イベントを開き更に詳細に、オペレーティング システムのフィーチャを見せた。Motorolaの新しいタブレット、Xoomのデモも行われた。このイベントのビデオがYouTubeに アップロードされている。しかし全部見る時間を節約するために、皆さんが興味を持つであろう重要なフィーチャとアナウンスを要約した。

Android 3.0の新UIフィーチャの紹介

Andy Rubin氏がイベントを開始して、Googleは、いかにオープンソース プロセスによって、オペレーティング システムが成長していくかに興奮しているかを説明し、モバイル製品のAndroidのトップである Hugo Barra氏が続いて詳しく話した。氏は、始めにデバイスの新UIフィーチャの幾つか見せた。その中心となったのは、新しいウィジェット セットと新しい煩わしくない、通知システムで、両デザインともタブレット フォームファクタを念頭にいれている。

新UIテーマはAndroid 2.xとは違って見えるが、氏は以前のバージョンのAndroid用に書かれた既存のアプリケーション、Fruit Ninjaのようなグラフィック集中型のアプリケーションでさえ、Honeycomb上で動作する、と参加者にしきりにデモを行なった。

iPhone と iPadの両方のアプリケーションを書いている開発者には、このバックワード互換性は、よく知られているだろう。他に精通するかもしれないものとしては、新しいオペレーティング システムで、いくつかの新しいUI方式を利用したテンプレート セットがある。Hugo氏は、話の中でこれらを「フラグメント」と呼んでいたが、フラグメントがどのようにアプリケーションの部品間の遷移を提供するかをデモした。同時に、異なったフラグメントがいかに、ターゲットに合わせて同じアプリケーションの見栄えを変えるために使われるかを説明した。例えば、アプリケーションは、携帯、ポートレート モードのタブレット、ランドスケープ モードのタブレットのフラグメントを持つことができる。

Android 3.0のパフォーマンス

次の話題は、パフォーマンスである。新しいAndroid 3.0のリリースには、新しい3Dエンジンと Renderscriptと呼ばれるアニメーション フレームワークが含まれている。参加者は、「目の保養に」、Renderscriptを使用して、YouTubeのビデオ、本、アルバムを3Dビデオ ウォールで見せてもらった。

他のグラフィック フレームワーク 例えば、Microsoftの Windows Presentation Foundation (WPF), Silverlight, あるいは Adobe Airを使って開発してきた開発者は、この低パワーのデバイスがより高パワーのデバイスとほとんど遜色ないグラフィック能力を提供することを高く評価するだろう。

デバイスに加わった他の能力もデモされた。 PS3プラットフォームからAndroidに移植されたWar Drum Studiosからのマルチコア ゲームやAndroid特別版のCNNのニュースリーダーで、新聞紙のページビューとCNNビデオのライブストリーミングを見せた。

しかし、あらゆるメディア デモの中で、最も皆の眼を引いたのは、ライブビデオ チャットのサポートだった。 Motorola Xoomには、前後にカメラを備えていて、フルスクリーンのビデオ カンファレンス用プラットフォームとして理想的なものだった。ライブビデオは、3Gでなく恐らくワイヤレスだったが、スムーズに見えた。これもまた、Googleがビデオ アプリケーションに加えた画像安定化技術に支えられているのだろう。この技術によって、画が安定するだけでなく、サイドシフト フレームを送る必要がないためにバンド幅の節約に役立っている。

Androidマーケット

基調講演の最後は、Googleの新メンバーであるChris Yerga氏が Android Marketにおける新しい改善について話した。氏の話のほとんどは、Android Market Web Storeの新リリースに焦点当てていた。

今現在は、Androidユーザーが入手できるアプリケーションは、デバイスに入っているものだけである。しかし新しいwebストアによって、ユーザーは店をブラウズして、興味の持てるアプリケーションを見つけることができ、タイプやユーザー レビューを基にフィルターできる。Google Checkoutを通じてアプリケーションを購入すると、登録してあるデバイスの1つにそのアプリケーションを直接送ることができる。

Androidプラットフォーム用のアプリケーションを作成している開発者は、このストアでは、もっと長い説明文、大きなアイコン、高解像度のバナー、ページから直接YouTubeのビデオへのリンクを持つことができる。

最後に、氏は、Androidマーケットにおける金銭上のトランザクションの新しいサポートについて語った。開発者は、違う通貨には明示的に値段を入力でき、アプリケーション直接 (in-app)購買もできるようになる。SDKによってin-app購買だと、開発者は、コンテンツや他のアイテムに対して、エンドユーザーにアプリケーション内で、直接課金できる。このデモのために、Disney MobileのGMであるBart Decrem氏が3つの新しいAndroid用アプリケーションをデモした。その中には、人気の Tap Tap Revengeがあり、これはこの新しいSDKを使ってin-app購買をサポートしていた。

Googleが見せなかったもの

この新しいオペレーティング システムのデモが消費者に焦点を当てているのは明らかだが、開発者はまた、Android 3.0のプラグイン可能なDRMフレームワークのサポートや暗号化されたストレージとパスワード終了のような管理的なポリシーに興味を持ったかもしれない。先週のAppleの収支報告で、Tim Cook氏が言った のは、多くの企業が積極的にタブレット デバイスを評価したり、配布しているということである。このイベント中にはデモされなかったが、多くのこれらのフィーチャは、そのような組織に魅力的で、ユーザに配布されるデバイスの管理を必要とする企業には特に魅力だろう。

今の Honeycombをよく見る

InfoQでの我々のテストでは、現行バージョのAndroidの開発に使われているハードウェアでエミュレータが走っている傍らで、仮想マシンの遅いパフォーマンスを見ると、これがプレビュー用のビルドであることが明らかだった。新フィーチャがどのようなものであるかを理解するために、このビルドでも役立つと思う、開発者がいるかもしれないが、多くの開発者は、このプラットフォーム用のアプリケーションを書くことを真剣に考える前に、おそらく次のリリースを待ちたいと思うだろう。

Motorola Xoomが 2月末に出る予定なので、開発者はもう少し待たないと完全サポートのデバイスでHoneycombを動かすことはできない。しかし、Barnes and Nobleの Nook Color デバイスを持っている人で、デバイスがだめになっても、中身が全部消してしまってもいい人は、心配不要で、今日、Honeycombを試すことができる。オープンソース開発者のグループがHoneycombをこのデバイスにポーティングしてくれたお陰である。ダウンロード用のイメージとインストール手順が完備している。

有難味は人それぞれだが、これは店に並ぶ前に、新しいAndroidタブレット オペレーティング システムを初めて見る素晴らしい機会となる。

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