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Java EE PaaSプロバイダー

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原文(投稿日:2011/09/21)へのリンク

今年の VMworldで、Red Hat は1200人以上の参加者にクラウド計画について 調査 を行った。質問の1つが「あなたがクラウドで、どの開発フレームワークを主に使う計画ですか?」 その結果が以下である。

  • Java EE 32%
  • .NET 29%
  • PHP 14%
  • Perl 8%
  • Python 6%
  • Spring 6%
  • Ruby/Rails 5%

この調査では、回答者には「Spring以外のフレームワークでのJava」と「Java EE」とを区別できないし、よってその結果には、幾分疑いを持つべきであるが、他の調査と一致している。多くの企業がJavaにかなりの投資を行ってきた。最近の Forrester survey では、ビジネスの約64%がプラットフォームを使っている。Java EE PaaSは、これらの企業に対して既存の Java EEアプリケーションをクラウドへ移行するための容易な方法を提供するだろう。

しかしJava EE準拠のPaaS製品は、非常に少ない。2010年11月のRed Hatによる Makaraの買収で生まれたRed Hatの OpenShift は、最初の製品の1つである。この製品は現在、無料の開発者プレビュー版で、 Amazonの EC2上で走る。2つのバージョンがあり、 Express と Flexである。 Express版は、Java EE 6 Web Profileをサポートする無料のマルチテナント製品である。Flexプラットフォームは、専用アプリケーションサーバー(JBoss, Tomcat)のシェルアクセスと専用のホスティングを提供する。 JBoss AS 7は Java EE 6で保証されていないので、この製品は完全な Java EE 6標準をサポートしていないが、 JBoss AS 7.1がリリースされる時には、完全サポートとなる。

Java EE PaaSの提供を望むベンダーにとって、問題の1つはプラットフォームが著しくメモリーを必要とすることであり、 Oracleが Jigsawモジュール化ソリューションによって解決しようとしている問題であり、他の変更と合わせて Java EE 7 と SE 8に盛り込む計画である。しかし、多くの Java EEベンダーは、アプリケーションサーバーにOSGiをベースにしたモジュール化を導入しており、この問題をある程度避けることができている。以前Makara にいて、現在 Red HatのPaaS Masterである Issac Roth氏はInfoQに以下のように語った。

問題はJVMが実際マルチテナントを走らせるように設定されないことで、それができるようにするには、JVMにとても手の込んだ実装が必要です。あるいは、理想的には言語仕様にある程度の調整が必要です。我々は実際マルチテナント環境でJava EEを走らせていますが、JEEによる負荷は、非常に大変なものです。これを行うのに最も無駄のないJavaコンテナを作りました。JBoss AS 7 がそれで、Red Hat Enterprise LinuxでOSレベルの仮想化を使っています。

OpenShiftのコードのある部分は買収によるものなので、 Red Hatはそれをオープンソース化する意図を匂わせているが、まだそうしていない。また価格情報もまだ公表されていない。Roth氏によると、他のプロバイダー並になるだろう、と我々に話した。

Roth氏はまた、Red HatはJava EE 7の専門家グループに積極的に参加しており、OpenShiftを走らせることによって得た知識を Java EE 7の設計プロセスに生かしていくつもりである、と語った。

JBossを使って Java EE 6をサポートする計画を持つ他の会社には、PaaS新興企業の CloudBeesがある。現在 CloudBeesには2010年11月に出荷した DEV@cloud、開発者がビルドとテスト環境をクラウドに移すサービス、と RUN@cloud、チームがこれらのアプリケーションをクラウド上で運用できるようにデプロイする、の2つがある。

RUN@cloudはTomcatをベースにしており、JBossバージョンがアナウンスされたが、リリースされていない。両方共 Amazon EC2上にホストされる。ユーザーがオンプレミス型のPaaSを走らせることができるようなプライベート製品も開発中である。

PaaSの世界はまだ非常に若く、断片化しているが、明らかな先頭集団がいる、例えばAmazon, Google, Microsoftなどは既に充分実証済である。なので、この世界に入ろうとすれば強力な市場差別化要因を持つ必要がある。

CloudBeesの1つ主要な差別化要因は、継続的デリバリである。この会社は、以前 JBoss CTOである Sacha Labourey氏が率いているが、昨年 InfraDNAを 買収した。その設立者でありHudsonのクリエーターであるKohsuke Kawaguchi 氏が現在、Hudson CI サーバーの Jenkinsフォークを率いている。CloudBeesの最初のPaaS製品は、 DEV@cloudブランドによる JenkinsのPaaS版である。DEV@cloudにより、開発者は Git, Subversion, そして/あるいは Mavenを使って自分達のコードをビルドし、Jenkinsを使ってテストできる。その次にRUN@cloud サービスにそれをデプロイできる。 Labourey氏はInfoQに次のように語った。

我々は完全なアプリケーションライフサイクルに興味があります。PaaSを「いかに既存のアプリケーションをクラウドにデプロイする」かである、と定義すると、アプリケーションライフサイクルには、たくさんのPaaSがありえます。なのでこの運用/ランタイムの側面のみに焦点を絞ります。これは全体像の一部にすぎません。全アプリケーションライフサイクル、開発から運用まで、開発者を助けるソリューションを提供する必要があるならクラウドは有効だ、と我々は考えています。

2つ目の差別化要因は、会社のJVMへの集中である。多くのPaaSベンダーが多言語対応を目指しているのに、 CloudBeesは唯一JVMだけをサポートしている。もちろん、JVMは本来多言語対応であり、CloudBeesアプリケーションは Java, Scala, Clojureあるいは他JVMベース言語で書くことができるが、JVMへの集中によって、JVMをターゲットにしている開発者をより深くサポートできる、と CloudBees は言っている。

JBoss製品の価格はまだアナウンスされていないが、既存のTomcat製品の50%増しぐらいと予想される。

CloudBeesは30人ぐらいの会社である。VCから資金調達し、ごく最近、2度目の資金調達で1050万ドル得た。資金提供は Lightspeed Venture Partners で、 Matrix Partnersも加わっている。後者は1回目の資金も提供している。

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