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リーンスタートアップかアジャイル、またはリーンスタートアップとアジャイル

原文(投稿日:2011/09/21)へのリンク

原文(投稿日:2011/09/21)へのリンク

近頃、Joshua Kerievsky氏Industrial Logicブログで“アジャイル対リーンスタートアップ”という記事を書くと議論がわき起こった。

氏はこの記事で、“[リーンスタートアップ]はいい。アジャイルより断然優れている”と書いている。

下記、氏が作成したアジャイルとリーンスタートアップの比較表だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Abby Fichtner氏はHacker Chick Blogでこの表に対してコメントしている。

アジャイルでは進捗を速さで測定します。“今週はどのくらい開発をしたかな”というわけです。一方リーンスタートアップでは“今週どのくらい開発が進んだかなんてだれが気にするんだ。問題はこのソフトウエアがどのくらい売れてどのくらい使われるかだ。” – そう、これが私たちが実際に気にしていることなんです。

この記事はツイッター上で多くの反響があり、Kerievsky氏の記事のアジャイル対リーンスタートアップという考えから感じられる性質を支持しない記事が、少なくともひとつ生まれた。

Todd Charon氏Planning for Failureブログの中で、元の記事の暗黙の前提に対して疑問を投げかけている。

私が声を大にして言いたいのは、アジャイル対リーンスタートアップという考えが問題だということです。このふたつは対立していてどちらかひとつを選ばなければならず、どちらか(リーンスタートアップ)がもう一方(アジャイル)を駆逐するというふうに思っているようです。
しかし、このような考えは愚かです。無意味ですし、アジャイルのコミュニティにとってもリーンスタートアップのコミュニティにとっても有害です。

氏は一覧のそれぞれの“xxx vs yyy”という表明を検討しながら、このような表明はどちらか一方を選択するものではなく、相互に補完し合うものだ、と主張する。

特に、リーンスタートアップがアジャイルを置き換えるという考えはソフトウエアコミュニティにとって有害だという点に注意を促している。

例えば、あなたは変革を導入する役割を担うとします。あなたは、ウォーターフォールな組織に対してアジャイルを導入しようとします。まだ、リーンスタートアップはあまり普及していません。あなたは自分の仕事を進めますが、組織はまだ変わろうともがいているところです。そこで突然あなたが、“リーンスタートアップはアジャイルよりも優れている。いままでアジャイルを推してきたけど、もうやめて新しいトレンドに飛び乗ろう。”と言ったとします。変革者としてのあなたはどれほど信用に値するでしょう。
あるいは、あなたは変革の導入者として、ウォーターフォールな組織に対してアジャイルを導入しようとしてきました。組織の人々は“アジャイルなんてただの流行だよ。すぐに消えるさ。”と言っています。そして、アジャイルよりもリーンスタートアップのほうが優れているという話を耳にすると彼らは、“だから言ったろ。でもリーンスタートアップもただの流行だ。変化なんて必要ないんだよ。”と言います。
または、リーンスタートアップを導入しようとして、幸運にも堅牢な開発プロセスになったら、人々は“アジャイルなんて必要ない。リーンスタートアップのほうが優れている。継続的統合もTDDも要らない。さあ出荷だ。”と言うかもしれません。
または、“アジャイルもリーンスタートアップも流行に過ぎない。次のやつをキャッチアップすればいいや…”と言うかもしれません。
さらに、“昨日はアジャイルを売って、今日はリーンスタートアップに乗り換えか。いんちきなやつだな…”と言われるかもしれません。

氏は“yes, and”という見方でアジャイルとリーンを取り上がることを強く要求して記事を終えている。

リーンスタートアップがアジャイルを最大限に生かしてくれるとさえ言えるかもしれません。


リーンスタートアップは次の注目の的で、アジャイルの自然な進化版なのか。それとも無視すべき流行のひとつなのか。

 

Shane Hastie氏 はオーストラリアのSoftware Educationで働くアジャイルコーチ、トレーナー、コンサルタントです。

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