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トラクターはアジャイルで作られた

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原文(投稿日:2012/03/17)へのリンク

 InfoQは、John DeereのアジャイルニンジャであるChad Holdorf氏に、インテリジェントソリューショングループ (Intelligent Solutoins Group) の最近のアジャイルへの転換についてインタビューした。

 

InfoQ: John Deere のISGで、アジャイルソフトウェア開発への動きはどのように起こりましたか? 何か特別な出来事がその動きを引き起こしたのですか? それとも、ただアジャイルの利点を徐々に認識するようになったのですか?

Chad: John Deereは、2007年に2、3チームでスクラムを試し始めました。2010年の初めには、約10チームがスクラムを実践し、さらに多くのチームがスクラムを学びたがっていました。2010年9月には、2011年1月に計画された製品の発売を予定していましたが、やり方を本質的に変えなければ、重大な新機能が完成しないことが分かっていました。そこで、私たちは機能的障害を打ち崩し、アジャイルチームを組織化して、1週間かけて150人以上の人たちにスクラムを導入しました。そのプログラムではすべてひっくるめてアジャイルにしました。  

InfoQ: どのようなアジャイルを実行していますか? スクラムですか? XPですか? それとも、ハイブリッドのアプローチですか? なぜDeereは、そのようなアジャイルを選んだのですか?

Chad: 多くの企業が、3文字か4文字の頭字語を使って、プロセスや製品を説明します。私たちは、SADM (Scaled Agile Delivery Methodology)を用いて、ISGの中で取り組んでいる共通のアジャイルの方法に対してガイドラインを提供します。 SADMは、スクラム、スケールアジャイルフレームワーク、XP、そして、リーンの原則を組み合わせて1つの全体的なプロセスにしたものです。 

InfoQ: Deereのアジャイルの導入は、ITだけの動きでしたか? それても、ビジネスに関係し、ビジネスをサポートするものでしたか? 言い換えれば、John Deereがアジャイルになったのか、それとも、Deere内のIntelligent Solutions Groupだけだったのでしょうか?

Chad: アジャイルはJohn Deereのあらゆる部分に素早く広がっています。John Deereがすべてアジャイルを実践している訳ではありませんが、より多くの部署でアジャイルを実践するようになっています。現在、John Deereでは1,500人以上がアジャイルを実践しています。 

InfoQ: アジャイルの導入は、組織の文化的な変化を表すことができます。John Deereは、どのように変化を遂げたのでしょうか?

Chad: 私は、当初、私たちが引き受けたこの文化的な変化を過小評価していました。ほとんどすべての人々の役割や行動に影響を与えました。しかし、私たちは辛抱強かったのです。私たちは、新しいプロセスに加えて、納品によって期待できるビジネスの利益を伝え続けました。さらに、アジャイルは、通常、開発チームには良く受け取られます。開発チームのメンバはすべてのコードを書いてテストするので、アジャイルはかなり簡単に受け入れられました。結局、各企業は、新しいプロセスが何であれ、最高の品質、生産性、製品化までの時間、従業員の参加を提供するようにしなければなりません。さもなければ、企業は全く成長出来なくなります。Deereでは、私たちは150年以上の間、変化してきました。変化しないことは、通常、選択肢にはありません。

InfoQ: John Deereで、徐々にアジャイルを導入するのではなく、大規模なアプローチを導入させたものは何ですか?

Chad: John Deereの製品は、複雑で高性能な機械で構成されたずっと大きなシステムにしっかりと統合されています。アジャイルを徐々に導入した場合、違う方法で開発された製品を統合することは困難であり、実質上、調整するのは不可能でした。それでも、私たちの導入は、3-6ヶ月をかけて、100人という大きなまとまりで実装しながら、徐々に取り入れて行くものでした。

InfoQ: アジャイルを評価するプロセスはどのようなものですか?

Chad: 私たちは組織全体でストーリーポイントの評価を使いますが、これらは、組織的な基準というよりもむしろ、チームベースのメトリクスです。私たちは、もっとよいベロシティの基準とプログラムのプロセスとして、機能スループットへと移行するでしょう。

 

InfoQ: アウトソーシングやオフショアはアジャイルの実践の中にどのように適合しますか?

Chad: 同様のプロセスを導入しているDeereのオフショアの場所が2カ所あります。私たちは、意図的にすべて同じスプリントのスケジュールにして、調整をずっと容易にしています。アウトソーシングに関しては、サプライヤがアジャイルのプラクティスを訓練できるようにサプライヤと共に取り組んでいます。そのため、サプライヤとコミュニケーションをとったり、調整したりするのがより簡単になります。

 

InfoQ: John Deereではプロダクトオーナー間の衝突をどのように扱いますか?

Chad: 私たちのオフィスには卓球台があって、プロダクトオーナーたちにそこで解決するように言います。正直なところ、皆、可能なことよりもより多くのことを手に入れたいと考えています。私は、絶えず妥協しなければならず、John Deereの顧客たちすべてに対して、もっとも価値のあるものを提供することに、ただ集中しようとしています。  

InfoQ: アジリティは、すべてのソフトウェア製品とどのように合いますか? 他のものよりもよく合うものはありますか?

Chad: えぇ、コンバイン、噴霧器、トラクターなどに導入するよりも、ウェブのプロパティにアジャイルを実装するほうがずっと簡単ですが、すべて同じプロセス、同じ考え方だと言えるでしょう。その考え方とは、価値があって、品質が高いソフトウェアを素早く出して、顧客を喜ばせるソフトウェアを作り出すことです。 

InfoQ: アジャイルソフトウェア開発の実践を検討している人たちに何を勧めますかt? 

Chad: 重大な変化に都合のよい時は一生ありません。時には、いつもしていることをし続ける方が、ずっと簡単に思えることがあります。しかし、世界は急激に変化していて、顧客やマーケットは、私たちが変わることを要求しています。2、3のアジャイルチームから始めて、調査して導入しましょう。それから組織からの「引き」が強い場合は、素早く動いて、決して振り返らないことです。

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