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Scala.jsを使って、ScalaをJavaScriptにコンパイルする

原文(投稿日:2013/06/20)へのリンク

先週のScala Dayにおいて、Sébastien Doeraene氏がScalaからJavaScriptへのコンパイラ、Scala.jsについてプレゼンした。これはだ。このコンパイラはScala言語をフルサポートし、これを使うことで、ユーザはWebアプリケーションのフロントエンドからバックエンドまでScalaで構築することができ、サーバとクライアントでコードを再利用可能になる。

Scala.js用に書かれたScalaコードは、動的型付けもしくは静的型付けで、既存のJavaScriptコードとやりとりすることができる。前者の方が柔軟性があり、グローバル(window)オブジェクトに対するアクセスが提供され、任意のプロパティへのアクセス、メソッドの呼び出しが可能になる。だが、これはScalaの静的型付けという特徴を利用していない。後者では、JavaScriptライブラリの型シグニチャを提供する。たとえば、jQueryの場合は次のようになる。

 

これらの型はコンパイラによる型チェックの実行とIDEにおけるコード補完に使われる。既存ライブラリの型シグニチャはまだ手動で書く必要があるが、Scala.jsの作者によると、ライブラリのシグニチャを自動生成するのにTypeScriptが持っているシグニチャが使えないか、調べているところだ。Scala.jsにあるもうひとつの問題は、Scala標準ライブラリのサイズだ。Google Closureコンパイラで最小化しても、JSで16MBもある。サイズ削減は今後の課題だ。

以下はScala.jsからjQueryを使う例だ。この例では、on-clickハンドラをidが"button"のボタンにアタッチし、クリックされるとidが"pane"のdivにパラグラフを追記する。

jQuery("#button").click { () =>
  val paragraph = jQuery("<p>").html("Hello World!")
  jQuery("div#pane").append(paragraph)
}

Scalaで生成したコードをJavaScriptから呼び出すこともできる。コンパイラはコンパイル済みコードのためのソースマップを生成する。これによって、スタックトレースは生成されたJavaScriptではなくオリジナルのScalaコードの場所を参照する。

Scala.jsコンパイラはgithubで公開されておりScalaライセンスのもと配布されている。

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