BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース CiscoがH.264デコーダをオープンソース化,Mozilla Firefoxで使用可能に

CiscoがH.264デコーダをオープンソース化,Mozilla Firefoxで使用可能に

原文(投稿日:2013/10/30)へのリンク

Ciscoが自社のH.264コーデックをオープンソース公開し,コンパイル済みのバイナリを提供する計画を発表した。さらに同社は,MPEG LAライセンスに関する一切の費用を転嫁しないという。発表資料によると:

IT業界はここしばらくの間,共通ビデオコーデックの選択を巡って分裂を続けてきました。業界標準であるH.264にMPEG LAへのロイヤリティ支払いが課されていることがその理由です。本日ここに,これら課金に関する懸念を払拭する,Ciscoの勇気ある行動について発表できることを嬉しく思います。

Ciscoは自社のH.264コーデックをオープンソース公開すると同時に,インターネットから無償でダウンロード可能なバイナリモジュールとして提供します。Ciscoはこのモジュールに対して,一切のMPGA LAライセンス費用を転嫁しません。現在のライセンス環境に基づくならば,WebRTCでのH.264使用はこれによって実質的に無償になります。

これらのバイナリはBSDライセンスの下にMozilla Firefoxに追加され,Firefoxがサポート対象とするすべてのブラウザおよびオペレーティングシステムに対して,標準のビデオデコーダとして提供される予定だ。Mozillaのブログから引用:

Ciscoの貢献に感謝します。近いうちにCiscoのOpenH.264バイナリモジュールのサポートが,Firefoxに追加される予定です。これらのモジュールはFirefoxのソフトウェア配信機構によって,他のプロジェクトと同じように提供されます。さらに私たちは,OpenH264プロジェクトの活動が軌道に乗り,十分な管理を実施できるように,Ciscoと共同で作業を行っています。Ciscoとはすでに,WebRTCの実装を通じて緊密な協力関係にあります。同社がOpen Webへのコミットメントをさらに深めたことに対して,私たちは非常に嬉しく思っています。

インターネット上では相互運用性が極めて重要であり,H.264はWeb上の代表的なビデオコーデックです。HTML5ストリームビデオの大半はH.264でエンコードされています。ほとんどのソフトフォンやビデオ会議システムもH.264を使用しています。H.264チップセットは広範に普及していて,Firefox OSフォンを始めとする多数のスマートフォンが採用しています。H.264コーデックが使用可能なプラットフォーム上では,FirefoxはすでにH.264をサポートしています。しかし先日この話題のブログ記事に示したように,すべてのOSがH.264をサポートしている訳ではありません。対応するAACオーディオデコーダを入手することさえ可能であれば,CiscoのOpenH264バイナリモジュールを使って,他のプラットフォームでもH.264を利用するように,サポートを拡張することができます。

Ciscoの今回の決定は,すべてのOS上のFirefoxにH.264サポート追加を支援するものですが,私たちはVP8についても,HTMLビデオ要素およびWebRTCの両面において,今後もサポートを継続していきます。VP8とH.264は,いずれもWebRTC用として優れたコーデックです。今の時点では,両方を選択肢として提供することがユーザにとってベストであると考えています。

10月30日の午前9:30(PDT/太平洋夏時間)にはTwitter上で,@ rowantrollopeからのTweetchatが予定されている。その翌週には,IETFでWebRTCの決議が行われる。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

特集コンテンツ一覧

BT